雲助師匠と真景累ヶ淵
先日、雲助師匠と真景累ヶ淵のリレーをやらせて頂きました。
コロナ禍において、自分のルーツは何かというのを考えて取り組み始めた真景累ヶ淵。今回は一番最初の「宗悦殺し」をやりました。
雲助師匠はその二話後の「豊志賀」を口演されました。
中入りに上がって私が「宗悦殺し」をやったので、お客様からすればなんつうことしてんだ(雲助師匠の会だし、持ち時間が減るじゃないか)くらいに思われたかもしれません。
なので、雲助師匠が豊志賀をおやりになるまで、私としては申し訳ない気持ちでした。我慢して私の宗悦殺しを聴いてくださってお客様には感謝です。
私はこの真景累ヶ淵はとにかく全体を通してやりたい気持ちが強くて、いずれ関係してくるであろうという人の名前とかを必ず入れるようにしています。
宗悦殺しで言うと、新左衛門の妾のお熊はこの先ずっと出ませんが、後々効いてくる名前なので入れました。それと葛籠を捨てる三右衛門という男も、羽生村においては関わってくるので、名前をはっきり言いました。
この辺りは私の趣味ですね。
楽屋で雲助師匠と円朝のことを色々お話出来たのも貴重な時間でした。
真景累ヶ淵も牡丹灯籠もそうなんですが、おそらく円朝は最初から結末までを考えて語っていたわけじゃなくて、「その日良ければ」という形で毎晩語って行った結果、これらの長編が出来たんだろうねえ。としみじみと話ました。
真景ははじめの方こそ怪談ですが、後半は仇討ちものになりますし、牡丹灯籠も結末までを読むと辻褄が合わないところがあったり、全体を通してみると完全ではないんですが、そういうのも含めてやっぱり魅力があるんですよね。
私としてはいつか、全編やってみたいです。勉強会で、宗悦殺しから聖天山まで八話やりましたが、速記ではまだ半分なんです。だけど残りの半分は真景累ヶ淵テイストが少なく(幽霊より仇討ちもの)、面白みがないので、残りの半分はダイジェストで二話くらいにして、最終的にこの真景累ヶ淵を全十話にして寄席の十日間でやることを目標に、この作品に取り組んで行こうと思います。
雲助師匠とリレーさせてもらえて、レベルアップ出来たはずなので、今月の独演会も頑張ります。
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