見出し画像

自己洞察力を鍛える

心の不調を整えるための「気づき」

あなたはどれだけ自分を知っているでしょうか?そして、どれだけ自分に気がついていますか?自分と向き合うことで得られる豊かさに意識を向けてみましょう。


心の不調を整えるためには、どれだけ「気づき」を得ているか?が大切です。「気づき」は、多くの心理療法において最も重要な概念といっていいでしょう。


「気づき」は、{意識する}、{自覚する}ということを指します。「気づき」によって思考が変わる体験されたことがある方は多いと思います。


例えば、他者が撮影した写真を何気なく眺めているときに、自分の姿勢が歪んでいることに驚き(自覚)、意識的に背筋を整えてみようとすることなどがそれにあたります。


自分の振る舞いに注意が向いたとき、私たちは今まで知り得なかった自分の状態を知り、そのことを改善していくことで自分の望む理想像に近づいていきます。


自分を変化させていくためには「気づき」が必要であり、気づきによって得られる視点の違う「情報」が欠かせないのです。

フィードバック


カウンセリングやメンタリングでは、相手の自己認識を深くし、新しい洞察が起こるように外側からの情報を伝えていくことを「フィードバック」といいます。


ビジネスで部下に対して行うフィードバックと基本的な概念は一緒ですが、心理支援的なフィードバックはゆっくり浸透させるように扱います。


このフィードバックがあることで、自分では気がつかなかった「情報」=(盲点)が得られ、私たちは自分の未調整ポイントを押さえることができます。


自己洞察を促し、クライアント自身が自分の自己認識を深めていく過程を伴走するのがサイコロジカルワーク(心理的対話)の手法であり、「如何に気付くか?」こそ、心理的対話の意図だといえます。最も重要なのは「気づき」を得ることにあります。


自分のココロの動きに気づく、自分を縛っている思考に気づく、自分を悩ませている物事のとらえ方に気がつくことこそ、自分を雁字搦めに縛り上げている悩みを根本から解消する方法です。


そして、今までの視点を手放し、新しい「気づきを得る」ためには、自己の内面を言語化して表し、聴いてもらったり、書き出したりすることが有効です。


頭の中では思考と感情がゴチャゴチャになっています。絡まった悩みの思考を話していくことで自分の外に出し、理路整然と解いて整えることができると、気持ちが安定し、感情の波が穏やかになります。


自己洞察力を鍛えるためには、「自分の認知バイアス=思い込みや先入観」に気づくことが必要となります。さらに自身の頭の中の「轍=思考の癖」を見つめていくことも必要でしょう。

自己認識を深め、どう生きるかを見つめるための3つのポイント



❶もう一度世界をよく見渡す
ハイスペックなビジネスパーソンばかりですから、余計なお世話ですが、「知っている」と錯覚している世界をもっとよく見てみましょう。

時計の機構を見たことありますか? 私は某高級時計の機構を組み立てている番組を見たとき、そこに研ぎ澄まされた人の意図がこもっていることを感じて感激しました。それ以来私は時計の機構がアートに見えるようになりました。

❷自分の内面の世話をする
心理にはインナーチャイルドという概念があります。インナーチャイルドとは、大人になっても変わらないまま続いている、子ども時代の思考パターンや習慣を指す言葉ですが、自分でも気がついていない子供時代のパターンを大人になっても普通に使っている人は多くいます。(私もその1人です)

自分の内側に沸き起こる情動をよく観察してみてください。なだめるのでもなく、追い払うのでもなく、ただ「一緒に在ろう」としてみます。するとそこには、例えばそれが「怒り」だったとしても、奥深くに自分なりの理由が存在していることがあります。

例えば、私の場合、「クスッ」と笑われることがとても不快に感じていた年齢期がありました。カウンセラー育成課程で習ったように寄り添ってみると、小学校の時、体育の時間に間違って妹の体操着を持ってきたことに気がつき、それを女子からクスクス笑われて嫌だったことを思い出しました。いい歳したおじさんの心の深いところに、まだ8歳の自分が些細な失敗を恥じている事に気がつきました。

❸思考の深度を深くする
プライベートやビジネスで体験する課題や社会の出来事について、文字情報や画像情報を得て理解した気にならず、「なぜそのようなことが起こっているんだろう」と推論したり、自分なりの哲学的な考えを論じてみたりしてみましょう。

自己洞察を深める3つのポイント

自分を知ることから始める


「あれ?なぜだろう」と疑問を持たないと、自分の頭で考えることをしないことに気がつきます。「知る」の第一歩は「疑問」からはじまりますから、ふとしたことにも疑問をもつことは以外と大切で視野拡大のチャンスですよね。


そして自身の知識だけでは検討がつかない場合は、調べたり、他者の意見も聞いていく姿勢は「自己を知る」土台を作っていきます。


秋は思考を深めるのにもってこいの季節です。いろんな書籍を読むことももちろん魅力的ですが、じつは「自分」こそが未開のフロンティアだという事もあるわけで、ぜひ、自分の内側を深く洞察してみてください。



夫や妻である前に、親である前に、自分でありますから、まずは自分から十分に知っていくのもありではないでしょうか?


そんな、いくつもの役割をこなしながら日々果敢に1歩を踏み出していくすべてのプロビジネスパーソンにこの言葉を贈ります!


世界を知りたいと思う者は、まず、自らの存在の深みを探りなさい。真に自分自身を知りたいと思う者は、世界にもっと関心を持ちなさい。

ルドルフ・シュタイナー




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?