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メルマガ創刊20周年に向けて(後編)

設立10周年記念イベント報告――林恭子さんとの対談

 2011年10月1日(日)、神奈川県立青少年センター別館青少年サポートプラザで、記念イベント「体験的不登校・ひきこもり論を語ろう」が開催されました。
(中略)
 想像していたより高いポータブルステージ(出し入れできる舞台)に戸惑いながら、最初に親の立場として北村るみ子さんが登壇。「わが子の不登校や現在出会っているひきこもり当事者との関わりから考えていることを『ごかいの部屋』が見事に表現している」と称賛したうえ、ご自身の夫婦関係の体験と丸山の不登校・ひきこもり体験の共通点を指摘するなど、親としてだけではない多角的な視点で『ごかいの部屋』の印象を語りました。さらに「ベーシックインカム」という社会制度についての学習会の活動にも言及し、不登校やひきこもりの内面と同時に社会のあり方を考えることが重要という認識で丸山と意気投合しました。
 二人目は当事者の立場で愛読している林恭子さん。まず丸山の神秘的な底つき体験が自分のそれと酷似していることを語りました。確かに「こんこんと湧き出る泉」は、まさに丸山が不登校の終わりに見たのと同じ光景。「底つきすると同じイメージが生まれるんですかね」とうなずき合いました。

設立10周年記念イベント報告――「当事者発信の場を」

 さらに林さんは、今後の活動として「自分たちのように当事者が発信することができる場や機会を増やしていくこと、表に出ない<恋愛と性>の問題を当事者どうしで考えていけるようにすること」といった目標を語りました。
 以上のおふたりは、この日のために『ごかいの部屋』をあらためて読み込んでくださったらしく「ひとつふたつ挙げてもらう」というつもりで丸山が「印象に残っている文章や言葉」をたずねたのに対して「ここも良かったここも良かった」と、次々に何か所も挙げて丸山を驚かせました。
 最後に支援者の立場で登壇した南康人さんは「フリースペースima」という居場所を運営。地元の公民館で2007年から連続講座が毎年開催されることになったとき、講師のひとりに丸山を推薦。以来丸山が毎年1回行くようになって2年目に、その不登校・ひきこもり論を南さんがブログで絶賛していたことから、この日配布した資料にその一部を掲載させていただいていました。
 丸山がそれを読み上げて『ごかいの部屋』がそんなに良いと思う理由をたずねたところ「ひとつには<当事者研究>になっていること」と答えました。また、地元の不登校への無理解に懸念を示し「地域によって状況は違うが、お互いに情報交換しながら青少年を応援していこう」と丸山と誓い合いました。
(以下略)

初出:ヒューマン・スタジオ機関紙『ヒュースタ通信』設立10周年記念臨時増刊号(2011年10月15日)

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※冒頭でもお伝えしたように「『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』創刊20周年記念イベント」を10月にオンライン開催するのですが、そのプログラムに林さんの発言がきっかけで10年前に私が企画開催した「当事者によるパネルトーク」を再び入れることになりました。今月転載した2本は、そのことに関連した記事です。

※創刊20周年記念イベントの日程は、10月の8日(土)夜と9日(日)午後です。10年ぶりに復活する「当事者によるパネルトーク」は、記事にも出ていた勝山実氏と林恭子氏に加え伊藤書佳氏、という10年前とまったく同じメンバーが揃います。詳細は来月の本欄でもお知らせしますが、ご関心の方はスケジュールを空けておいてくださいますようお願いいたします。

※前述のとおり創刊20周年を迎えるメールマガジン『ごかいの部屋』、昨年度まで200本をnoteに転載した「コラム」(掲載文)は掲載頻度を3号ごとに1本と少ないながらも続けています。ご関心の方はこちらの配信サイトのページで読者登録をお願いいたします。今月号は近日配信予定です。

※先々月もお知らせした不登校・ひきこもり連続講座「ヒュースタゼミナール」(ヒューゼミ)の通し受講者が欠席した回を再度実施する「補講」が、第1回~第3回まで決まっています。ただ、ヒューゼミにはグループワークがあるため、欠席者のほかに補講だけを1回だけでもご受講くださる単発受講者を募集しています。
ご関心の方は私の公式ブログ記事 ↓ をお読みいただき、末尾にリンクした告知ページで詳細ご確認のうえ、よろしければお申し込みまたはご紹介をお願いいたします。第1回補講の申込期限はきょうですが「ブログを読んで」とご連絡くださった方は期限後も受け付けますので、ぜひご検討ください。

※2週間後の31日(水)には、後編に出ていたような林恭子氏との対談を含むひきこもり講演会で講師をつとめます。群馬県や隣接県でご関心の方は   ↓ の公式ブログ記事をお読みいただき、よろしければご参加くださいますようお願いいたします。

不登校・ひきこもりに関する研修費に充て、相談支援のスキルアップと充実したメルマガ掲載文執筆に還元させていただきたく、よろしくお願い申し上げます。