当たり付き自動販売機

自動販売機でジュースを買った時に、ピロピロピロ!と鳴り出して、
「ああ、これは当たり付き自動販売機だったんだ」
と気づく時がある。
ゲリラ当たり付き自販機だ。

当たり付き自動販売機だと知らずにジュースを買ったわけで、別に当たらなくても何のダメージもない。

なのに、当たり付き自動販売機だと知ってしまったばっかりに、ハズレたとわかった瞬間、少し残念な気持ちになってしまう。

別にジュースを買えればそれで良かったのに、ピロピロ鳴り出したせいで、期待してしまったのだ。
これだからゲリラ当たり付き自販機はタチが悪い。

ポルノグラフィティのアゲハ蝶の歌詞を思い出した。

あなたに逢えたそれだけでよかった
世界が光に満ちた
夢で逢えるだけでよかったのに
愛されたいと願ってしまった
世界が表情を変えた

まさにこれと同じ気持ち。
実はあの歌は、ゲリラ当たり付き自販機の歌なんじゃないかとすら思える。

ジュースを買えるだけでよかった
自販機が光に満ちた
スプライトを飲めるだけでよかったのに

ピロピロピロしだしたということは、これワンチャンもう一本飲めるかも!
や・と・し・た・ら!
アクエリアスいっちゃいますかー!
と思ってしまった

世界が表情を変えた

みたいな感じで。

ゲリラ当たり付き自販機は、たった120円とかで世界の表情を変えてくる。

もういっそのこと、ゲリラ当たり付き自販機は、ジュースを買った瞬間に、ピロピロピロって数字が動いている間は
ポルノグラフィティのアゲハ蝶を流せばいいと思う。

そっちの方がメッセージ性があって良いと思う。

そして、当たり付き自販機は、当たったらもう一本以外にも、1万分の1の確率とかで、

「ボタン押し放題チャンス」

とかあってほしい。
好き放題ボタンを押して、好き放題にジュースを出せる、いわば確変状態。

ボタン押し放題チャンスが当たったら、自動販売機全体がビカビカに点滅して、
「押し放題チャーンス!!」
という声とともに大音量で、ラテンミュージックが流れる。

一気にパーティームードだ。

もし押し放題チャンスが当たったら、ピアノの鍵盤を指で端から端までチャララララン!と鳴らすように、ジュースのボタンを端から端まで押すと思う。
そして、そっからは、音ゲーしてんのかと思うほどボタンを乱れ打ちだ。
押した分ダダダッとペットボトルが出て来てお祭り騒ぎ。

そして、その騒ぎを聞きつけて、どこからともなく人がワラワラと集まってくると思う。
そしたらその人達全員に
「好きなん押してください!飲み明かしましょうや!」
と、大盤振る舞いしたい。

そして集まってきたみんなとその場で乾杯だ。
ピースな世界。

逆に、家にいる時に、外で
「押し放題チャーンス!」
と聞こえたら、急いでその自動販売機に向かいたい。
押し放題パーティーには参加しなければ。

でも、もしかしたら、誰も当たってないだけで、もう押し放題チャンスを搭載した自動販売機があって、次にジュースを買った時に、押し放題チャンス発動しちゃうかも。

いつ押し放題パーティーが始まっても良いように、心の準備だけしとかないと。

、、、いや、心の準備だけしとかnight!

#エッセイ #コラム #随筆 #自動販売機 #パーティー #毎日note

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