[詩] 雨催う

(雨だ…)
燻る土の匂いに気づく
パチパチと跳ねる水滴は
体を焦がす油のよう
ゆらゆらと這い寄る光条は
私を誘う蛇のよう
(しょっぱい…)
たった数時間前の記憶
脳の入り口でぐちゃぐちゃになる

ふと顔を上げてしまえば、この雨は止むのだろうか
ふと踏み出してしまえば、この雨は止むのだろうか

(あたたかい…)
生ぬるい風が絡みつく
そんな感触が雨を拭う

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