マガジンのカバー画像

碧と海

44
連載小説「碧と海」のまとめ 高校3年生の海斗はアレが出来ない。ゲイだと偽ってレズの桂木に恋人のフリをしてもらうなど、いろいろこじらせている。自分の空白の記憶を探しにやって来た伊豆…
運営しているクリエイター

#秘密

『碧と海』 連載小説【8】

   ぶぶぶぶ  熱海を過ぎ、伊東を過ぎ、それからいくつもの駅を超えて終点の下田駅で列車…

深乃ふか
6年前
2

『碧と海』 連載小説【9】

 母の四十九日を終えると、俺は芝辰朗に会ってもいいような気になった。母が死んだという事を…

深乃ふか
6年前
5

『碧と海』  連載小説【11】

 雑木林のような庭木の前を歩いていると、車がやっと入れるくらいの入口を見つけた。ポストも…

深乃ふか
6年前
3

『碧と海』 連載小説【12】

 海が見たかった。  電車やバスの中からチラチラと見てはいたけど、全身で海を感じたかった…

深乃ふか
6年前
6

『碧と海』 連載小説【13】

「うそだろ」  俺は慌てて緑の君が落ちた場所へ近づいた。  波が断崖を叩き付けている。人…

深乃ふか
6年前
4

『碧と海』 連載小説【15】

    ぶぶぶ らぶらぶ  高校二年のクリスマスの夜。  俺と桂木はコーヒーショップで …

深乃ふか
6年前
3

『碧と海』 連載小説【16】

   ぶぶぶぶぶぶぶぶ  気がつくと部屋は真っ暗だった。  あまりの暗さに、時間と場所の感覚が戻るのに時間がかかった。確かここは、早瀬に連れてこられたペンションの部屋、だったよな。どうにかスマホを見つけて時間を確認する。八時近かった。   「やべえ、寝すぎた」  薄暗い中、手探りで部屋の電気をつけると、ソファに横になって寝ている早瀬が現れた。 「なっ?」  早瀬の瞳が開く。 「なんで、居るの?」  早瀬は呑気にん〜と伸びをする。 「声かけたのに、お前起きない