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表紙、天、地、花布、ノド、溝、チリ、折丁

この単語を聞いて頭にパッと「本」という単語が出てきたら、きっと本好き、又は普段から何らかの形で本に関わっている人達だろう。

上記の単語は全て本の各部位の名称、名前である。

当たり前と言えば当たり前なのだが、この世のあらゆる物には大抵なんらかの名前が付いている。

そして私たちはそれらの名前を知らなくても何ら不便は無い。


私は焼肉屋に行くと毎回記憶喪失になる。

厳密にいうと、どの肉がどういう名前で、それらの味がどういう感触、味か結び付かないのだ。

もちろん何となくの分類は分かっている。タンは平べったくて歯応えがあり、ネギとか塩がよく付いている。ホルモンはグニグニしている。それ以外は普段食べている肉より厚くて肉っぽい肉・・・。

焼肉屋に行くと私はそれらの肉を、名称と味の確認をするかのように注文していく。

焼肉を食べて行く中で、大抵私はこの肉って牛のどの部位なんだろうとセリフを吐く。家に帰って調べてみるかなとも思う。

そうして焼肉屋を出る頃には全てを忘れ、再び訪れる頃にまた同じことを繰り返しているのだ。


私は別段肉の部位に関して覚えていなかったことで困った事はない。

記憶していなくても肉は美味しいし、それによって料金が割増になったりはしないのだ。 

だが一方で、知る事によって広がる世界というのもある気がする。

私は最初に言った本の名称を知ったのは、元々本が好きでどういった構造なのか知りたかったからだ。

以来、手に取る本の構造を見るのが癖になっている。それまでただ本を読むだけだった私に、もう一つの楽しみを与えてくれたのだ。今では奥付に書いてある製本所まで確認するようになってしまった。

恐らく肉も部位に関しても同じことで、知ることで次私が焼肉屋に行った時何らかの変化、あるいは楽しみが得られるのではないかと思う。


その対象が好きに越したことはないが、そうでなくても「名前」を知るという行為はきっとその人の世界を広げてくれる。


しかし私は怠惰なので、結構そういった作業を疎かにしてしまう。

まあこうして日記に書いたのも何かのきっかけだと思うので、手始めに肉の部位に付いて調べていきたい。


  





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