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不登校になった頃のはなし5

朝になると苦しい


今の学校に楽しむ余裕はなく

僕は苦しむためだけの
場所になっていた。

そんな場所に向かわないと行けない。
恐怖で思考が止まり
心が動かなくなる
涙が出てくる

見かねた母が「学校休む?」
と声をかけてくれる。

僕の頭に「行かなきゃ、行かなきゃ」
思いがこだまする。
学校に行かないことの恐怖。

僕は「行く」と答える。
教室に入ると
緊張で体にはずっと力が入っている。

常に周りに神経を張り巡らせて
人の目や自分の体のことが気になっている。

休まる場所も見つけられず、
限界になり早退して帰ってくる。

そのうち母の「学校休む?」
と問いかけに「休む・・・」
と答えるようになっていた。

そんな中、不登校になったきっかけの

頻尿を治すための努力も続いていた。


母が漢方を買ってきてくれた。

正露丸のような黒い球が瓶に入っていた。

他の兄弟からも「こんなうん万円もするの買って」
と言われていた。

僕もこんなもので治るとは思えなかったけど

母の気持ちを考えて嫌々、数回飲んだが
なんの体調の変化も見えず

訳のわからないものを口に入れるのが怖くて
飲むのをやめた。

それから、どこから聞いたのかよく効くという
整体にも回数券を買い通った。

そこでは人に体を触られて嫌だった記憶しかない。

でも帰りに「風の谷のナウシカ」7巻シリーズの漫画を
1冊ずつ買ってもらえるのでそれを楽しみで通った。

でも、3巻目で行かなくなった。
残りの回数券は勿体無いので母が通っていた。
続きが気になって仕方がなかった。

兄弟もいるのに僕のために母は
決して裕福でない家庭で
たくさんの労力とお金を使ってくれた。


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