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息の吐き方。ハーとフーとは違うのだ。

僕の治療テーマは「力を抜く」ことだ。
痛みがあるとき、悩みがあるとき、びっくりしたとき、怖いとき、人間の体は余計な力が入る。体調の悪い人は、どこかに余計な力が入っていることが多い。

力を抜くときに大切なのは「息を吐くこと」なんだけど、息を吐く所作には大きく分けて2つがある。「フー」と「ハー」だ。

実際にやってみるとよくわかる。
「フー・・・」と息を吐くと、腹筋に力がこもる。力を抜こうと意識しても、体の奥にパワーが溜まり、背骨の奥の芯にグググと力が入る感じがしないだろうか。
これはこれで大事な動作。リラックスしつつもお腹に意識が集中し、力を抜きながら同時に力を溜めるということは、自分のポテンシャルをひきだしたり、集中力を高めたりするのに役立つ。

今度は、力を抜くことを意識しつつ、「ハー・・・」と息を吐いてみて欲しい。「はぁぁ~」と声に出しても構わない。(格闘マンガの主人公が必殺技出すときの「ハァアー!!」ではなく、ため息に近い脱力系の「はぁぁ~」です念のため)どうだろう、さっきとは逆に、お腹の力が抜けて、背中も緩まって、体が薄っぺらくなったような、何もかも抜けるような気分にならないだろうか。

「なにもかも抜けるような感じ」これがいいのだ。
現代人はとかく力みが強い。なんにつけてもキチンと一生懸命。「ちゃんとする」ことに執着しすぎて緊張感が強くなり、体の筋肉が硬くなる。

筋肉が硬くなると、体の血流が悪くなって疲労物質が溜まりやすくなるし、イライラしやすくなって、胃腸の動きが悪くなり、体がだるくなったりする。もうちょっとリラックスして、心と体を緊張から解放するポイントを作らないと、最終的に疲れがたまってダウンしてしまうことにもなりかねない。

医療や薬が進歩して、人間はどんどん長寿になってきている。
その反面、日常的な緊張感やストレスが多く、それによって神経がすり減ってしまう人、そこから体調不良になる人がとても増えている。
健康で幸せじゃない長寿なんて、あまり嬉しいものじゃない。

解決するポイントの一つは、息の吐き方。つまり出し方。放出。
呼吸だけじゃなくて、みんなお金とか知識を入れること、吸うこと、取り込むこと、溜めること、キープすること、自分の中から逃がさないことに懸命になりすぎている。

心臓というのは、出した分の血液しか取り込めない特性がある。
もし心臓が血液を放出することをケチっていたら、血液不足になって死んでしまう(そういう病気もある)。
呼吸も吐いた酸素と同じ量の酸素しか吸えない。

出す量が少ないと、入る量が減るんです。
出さないと、入らない。
出す方が先なんです。
だから、止めないで、止まらないで、出しましょう。吐きましょう。

止めてるものを動かして、息を吐いて、力を抜けば、心と体を楽にすることができます。

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