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運動大嫌いなのに、趣味がランニングになった話(下)

昨日の続き
さて、いよいよランニングである。
身体を絞ろうと決心した当初に読んだエクササイズ雑誌などには「腹を凹ませたければ、とりあえず走るべき」と書いてあった。
でも僕は走るのは嫌なのだ。ハムスターになりたくないのだ。
走ることを頑なに拒否するからこそ、筋トレやら水泳にチャレンジした。
そして数年かけ、ある程度の結果は出した。
ただ、もうひと息、もうひと押しの成果が欲しい。
とにかくそう思っていた。

メンター

ツイッターのフォロワーさんに、もう数年間ランニングを続けている人がいた。会うたびにスリムに精悍になっていって、本人もランニングの成果だと言っている。僕はその人のことを一種のメンターだと思っていて、さまざまなことをお手本にさせてもらっている。その人は言うのだ「ランニングはものすごく気持ちいい」。「スッキリする」「悩みが消える」「頭がクリアになる」。本当なら、ランニングはドラッグに近い。ランナーズハイという言葉は知っているけど、そんなもんは一部の変な人達、スポーツ大好き人間だけの気のせいだと思う。だってあの人たち普段から妙にハイじゃないか。そう考えていたけれど、一応メンターだと慕っている人のやることなので、ちょっとだけなぞってみよう。試しに5分だけ走ってみることにした。

5分走って、5分で戻ってくる。合計10分。短い。やってみた。
5分も走れない。2分で吐きそうになった。息ができない。ここは本当に地上なのかというくらい苦しかった。途中歩きながら、とにかく5分。そこからUターンして戻る。帰りはもっとかかった。距離約2キロ。
翌日は足の裏が筋肉痛になった。
ただ、たかだか10分の運動なのに、汗が筋トレの比じゃないくらい出た。冗談じゃなく、シャツが絞れるくらい。これはすごい、これは痩せるぞ。
結果が出るならこれくらいの努力はしようじゃないか。とにかく5分。目安の距離は往復2キロ。
歩いてもいいから走って、5分経ったら引き返す。手短に済むのがいい。帰宅して10分で終わるなら、面倒くさくない。週に1-2回、この10分ランニングをやってみた。
続けられそうだったので、安いランニングシューズを購入。すると、それまでの底の薄いスニーカーよりも圧倒的に走りやすくて驚いた。足も痛くならない。これはいい。なんか楽しくなってきた。
1か月くらい続けると、5分間止まらずに走ることができるようになってきた。距離は変わらず1キロ。
急ぐ必要はない、ゆっくりでいいけど、もう少し距離を伸ばしてもいいかもしれない。1.2キロ。往復2.4キロ。時間は少し余分にかかって往復15分。

2.4キロ往復できるようになった頃、僕の体重は3kgほどストンと落ちていた。77kgである。大きな壁だと思っていた80kg台は、走っただけでいとも簡単に突破できた。ランニングは本当に痩せる。そしてもうひとつ発見があった。ランニングは、本当に気持ちがいいのである。

走っている時はつらい。死ぬほど息が切れる。汗が滴るように出る。体が濡れたスポンジになったんじゃないかと思うほど。しかし走り終えた後、あれほど息切れしていた呼吸が次第に整い、苦しさが消えていくのだ。
絶対に苦しさが消える。その感覚が面白い。どんなにつらくても、走り終えてしばらくすると、その苦しさはどこかに行ってしまうのだ。
その感覚は、いままで感じたことのない爽快な回復感。自分の体の復元力、頼もしさを実感できる。
その後のシャワーも気持ちいい。シャワーの後身体を拭き、寝室に行って着替えようとすると、そのまま寝てしまいたくなる。この感覚は、ものすごく充実したセックスの後のそれと、とてもよく似ていると思う。

それ以降は地道に週1-2回のランニングを続けた。ポイントはBluetooth接続の無線ヘッドフォンで、ランニングに向いてるアップテンポな曲を集めてプレイリスト化し、それを聴きながら走ること。曲を聴きながら走るとかなりランニングが楽になる。足が勝手に前に出るのだ。
徐々に距離を増やし、2016-17年はノンストップで3-4km走ることができるようになった。体重は最も落ちた時で69kg。なんとマイナス20キロである。
それ以上落とすことは、逆に不健康になっていく気がしたので、その後は筋肉をつけることを念頭にリングフィットなどで運動し、ランチも食べつつ、5年たった今でも75-77kgくらいの体重を維持している。ズボンのサイズは2サイズくらい落ちたし、学生時代のを履くこともできた。シートベルトに腹の肉が乗ることも無くなった。お腹だけではなく、上半身や顔、首回りもスッキリした。ランニングは全身運動なのだ。

お酒を辞めていないから、お腹は相変わらず脂肪が付きやすい。ただ、ランニングの習慣が身についているから、多少食べ過ぎても余裕で調節できる。この余裕がいい。なんにでも余裕は必要だ。食べても飲んでも、ランニングすればいいのだ。調子が悪ければ半分の距離でやめてもいい。なんでもいいので続けることが大切だ。

まとめ

思ったよりずっと長くなってしまったが、現在までランニングが続いている要因は以下の4点。

・手軽である。準備に時間がかからず、すぐに実行できる。
・走り終えた後が非常に心地よい。
・ランニング中も、好きな音楽を聴いているとリラックスできる。
・即効性があるダイエット法で、少しずつやればケガもしにくい。

筋トレも併用すればもっと効果的だが、5分ランニング往復だけでも十分効果があると思う。やって損することはあまりないと思うので、皆におすすめしたい。ただし、無理は禁物だ。最初は息が切れたら引き返そう。怪我せず長く続けることが、成功の秘訣だ。

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