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1. エンジェルフードケーキ (Angel Food Cake)

アメリカンなスイーツ第一弾。何を書こうかとセーバリー編に続いてこれもまた悩んでしまったのだが、今回はエンジェルフードケーキについて書いてみようと思う。

アメリカのスイーツというと、ずっしりしていて、バターがたっぷりというイメージがあるのではないだろうか。実際そうである。。。!!でもそんな中でもフラッフィーでエアリーなケーキが存在する。それが、エンジェルフードケーキだ。

日本のシフォンケーキにも見えるのだが、違いは卵黄もオイルも入っていない。材料はシンプルに卵白、砂糖、小麦粉がメインで泡立てた卵白をしぼませないようにクレームオブターターを、そしてフレーバーにアーモンドエッセンスもしくはバニラエッセンスを入れることが多い。クレームオブターターと卵白を泡立てながら、砂糖を少しずつ加えていく。ツノが立つくらいまで泡立ったら、振るった小麦粉をサクッと混ぜ合わせて型に流し込み焼くだけだ。調べてみると、初めてレシピがアメリカで紹介されたのが、1878年ということだから、かなり昔からあるアメリカのケーキである。

使うケーキ型はシフォンケーキと同じ形で、焼き上がったあとは、型から抜く前にひっくり返して冷ますタイプ。しかしアメリカで売っている型は日本のものより一回り大きいため、生地をかなり多く作って流し込まないと、いい形のケーキが焼けないという欠点も。だが、フワフワでシュワシュワなエンジェルフードケーキなら、かなり大きめでも食べられてしまうかもしれない。

もうご存知かもしれないが、アメリカのベーカリーは驚くほど、冷蔵のケースを置いていないところばかりだ。そのため、ベーカリーに売っているエンジェルフードケーキはグレーズ(粉砂糖とレモンジュースなどでできているソースだが、ケーキにかけた後、しばらくすると乾いて垂れてこなくなる。)がかかっているものが多い。また逆にレストランで頼むものや、家庭で食べられる際には、ホイップクリームが添えられていることが多い。アメリカには冷蔵しておいて、シェイクして、押したらホイップクリームが出てくるスプレー式のものが売っている。(日本にもあるのだろうか?)よくアメリカのドラマや映画で、そのスプレーを口の中に吹きかけてホイップクリームを食べているシーンを見たことがあるかもしれないが、そういった便利なもののおかげで、バタークリームしかないと思われがちなアメリカのクリームだが、冷蔵が可能な環境では意外とホイップクリームを目にすることも多いのだ。

私が働いていたベーカリーにもエンジェルフードケーキが定番であった。またそこも例外ではなく、やはり冷蔵ケースがない環境だったので、レモンやパッションフルーツのグレーズを彩りに加え、フレーバーのためにデコレーションで使っていた。また、近くに住むハリウッドでも有名なある女優さんは毎年カスタムオーダーでチョコレートガナッシュをかけたエンジェルフードケーキを注文してくれていた。またディーンアンドデルーカに毎週卸していたエンジェルフードケーキはホイップクリームでコーティングしてココナッツフレークで覆ったものだった。私は、シンプルにホイップクリームとベリーを添えたくらいが好きなのだが、色々なトッピングを試してみると味はもちろんトッピングの色で見栄えも変わってくるので、色々試してみると楽しいと思う。

ケーキをよく焼く家庭ではシフォンケーキ型があるかもしれない。アメリカのお菓子は重くて苦手なのよねという人は、今度エンジェルフードケーキもぜひ試してみて欲しい。



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