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2. ターキー(Turkey)

サンクスギビングが今年も迫ってきたので、今回はターキーについて書いてみようと思う。

スーパーでは数週間前から冷凍のターキーがゴロゴロと並び出した。ガレージなどに通常使う冷蔵冷凍庫とは別に保存用の冷凍庫を所持しているアメリカ人が多いので、かなり早めからターキーを買って冷凍庫で保存しておくことができるのだ。けれど、その場合、カチコチに凍った巨大なターキーを解凍するのに、冷蔵庫では数日、時間がかかるので、取り出すのを忘れないようにしなくてはいけない。私は一度、冷蔵庫のスペースをターキーに取られたくないからと前日にターキーを買ったことがあった。一晩冷蔵庫に入れておいたのだが、当日になっても中は凍ったままで焦ったことがあった。電子レンジで解凍するにもターキーが入るわけもなく、結局、家にある一番大きな鍋にぎりぎりターキーを押し込んで水を少しずつ流しっぱなしにして解凍という手段を取った。なんとか解凍は間に合ったのだが、シンクは埋まってしまうし、他の作業がやりにくく、晩御飯の時間も押してしまうという経験をした。それ以降は、数日前に買うということを学んだので、同じ失敗はしなくなったのだが、毎年冷蔵庫のスペース確保が大変である。

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ターキーは鶏肉と違い、パサパサ感が否めない。いろんなレシピが出回っているが、レモンゼストやハーブ、塩胡椒をバターに混ぜて皮の外側内側共に塗りたくって焼くというものなど、いかにジューシーに焼けるかが、ターキーを美味しく焼く鍵となる。私は結局色々試したが数十分ごとに落ちてきた脂分を大きなスポイトで吸い取っては上からかけるという作業をひたすら繰り返すことで、外に満遍なく焼き色がつき、香ばしく、中もジューシーに焼けるという最も基本的なやり方に落ち着いた。また付け合わせもやはり水分が多いものが人気だ。クランベリーソースやグレービーソースはもちろん欠かせないし、マッシュポテトも緩めに作る。先日書いたマッケンチーズも人気の付け合わせだ。またスタッフィングという付け合わせもマストな一品。名前の通りターキーのお腹に詰め込むものなのだが、多めに作り、他の容器に入れてオーブンで焼いてサイドディッシュとして出すことが多い。乾燥させたパンを細かく切り、ニンニクやハーブと炒めた野菜と合わせてストックで水分を補給する。ターキーから出る肉汁を吸ってさらに美味しくなるのだが、別容器で焼いたものも十分美味しく、持ち寄りパーティーなどではそれだけ容器に入れて持ってくる人もいる。

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またターキーのサイズだが、相当大きな15キロのものから2キロくらいの物まで色々選べるのだが、小さいものでも、誰も招待しない場合は夫婦2人には大きすぎる。せっかくだからと小さめのターキーを2人用に焼いたこともあったが、残ったターキーをサンドイッチにしたり、キャセロールにしたり、最後は骨ごと煮てリゾットにしたりと、消費を試みたが、癖のあるターキーの味と香りはやはりだんだん飽きてくる。またトリプトファンが入っているため、ターキーを食べるととにかく眠くなるのだ。そんな理由から2人の時はチキンで済ませることもあるのだが、やはりこの時期になると一度はターキーを焼きたくなってしまう。

さて、今年はコロナ禍でパーティーなどはできない州が多いようだ。みんなはいったいどのくらいの大きさのターキーを焼くつもりだろうか。うちはやはりチキンにしておこうかな。。。

2020年がまさかこんな展開になるとは去年のサンクスギビングの時は思いもしなかったが、健康がいかに大切かがわかった年だった。元気にいられることに感謝し、それを可能にしてくれている周りのみんな、そしてありきたりになってしまうが、私たちの生活を支えてくれている医療従事者やスーパーの従業員の人々、元気にしているかと声をかけてくれる会えない友達たち、みんなに感謝してサンクスギビングを過ごしたいと思う。


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