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「ランニング中に閃いたビジネスアイデアは大体ダメ」

ランニング中に突然の閃きが降りてくることがある。あの瞬間、「俺は天才だ!」と自分を褒めたたえながら走っているのだが、残念ながら、その感覚はエンドルフィンが生み出した幻想だ。そもそも、ランニング中に考えるビジネスアイデアなんて、まともなものが出てきた試しがない。むしろ、その逆だ。これまでの失敗例を紹介して、あなたが同じ轍を踏まないように忠告しておこう。

ある日、いつものコースを走っていると、ふと「走りながら同時に仕事ができたら、最強じゃないか?」と思いついた。これが第一の間違いだ。「ランニングワークチェア」のアイデアを思いついた自分を褒めながら、勝手に未来のCEO気分に浸っていた。「ランニングしながらリモートワークができる椅子!在宅勤務がもっと快適になる!」という妄想が爆発する。デスクとランニングマシンを合体させたような謎の椅子を頭の中で組み立て、もう起業まであと一歩だと信じていた。

帰宅後、早速そのアイデアを図に描き起こしてみたが、現実は無情だった。「これ、普通に危ないよな…」と自分で突っ込む始末。走りながらパソコンを操作するなど、事故の元でしかない。そもそも、ランニング中に仕事のメールを読む人間なんているのだろうか?冷静に考えたら、そんな無茶苦茶なことをするのは自分くらいだと気づいて、アイデアは即座にゴミ箱行きになった。

別の日には、「走りながらカフェ気分を味わえるドリンクホルスター」を発明しようとした。走りながら飲めるコーヒーカップを腰に装着するという、なんとも画期的な発想だと思っていたが、これもやはりダメだった。ランニング中に熱々のコーヒーを片手にすることのリスクを忘れていたのだ。全力疾走中にコーヒーがこぼれ、火傷する姿を想像してしまい、このビジネス案も即終了。後で気づいたが、そもそも「走りながらコーヒー飲みたい」なんて需要がほぼないのだ。

極めつけは、「ランニングしながらポテチを食べるための特製ベルト」。これはどう考えてもダメだとわかっているのに、「意外と需要あるかも?」という謎の自信で突き進んでしまった。ポテチを収納できるポケット付きのランニングベルトを試作してみたが、脂っこい手でスマホを操作しようとして悲惨な目にあった。健康のために走っているのに、ポテチを口に放り込む矛盾に気づいたとき、自分がどれだけおかしなことを考えていたかがわかった。

結局のところ、ランニング中に閃いたアイデアは、ただのランナーズハイが生み出した幻影だ。走っているときは気分が高揚しているせいで、「これだ!」と思うかもしれないが、冷静になって考えると大体失敗する。そして、そんな自分を嘲笑うことで、また一つ成長していくのだ。ランニングは確かに気分をリフレッシュさせてくれるが、ビジネスのアイデアに関しては、脳みそまで全速力で暴走することを忘れてはいけない。

だから、ランニング中に妙なアイデアが浮かんでも、すぐに飛びつかず、帰宅後にじっくり検証することをお勧めする。きっと、その時点で「これ、無理だな…」と気づけるはずだから。

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