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老化 vs. ランニング、どっちが勝つのか

老化とランニング、この二つはまるで永遠のライバルのようだ。片や、シワと白髪をお土産にしてくる人生のトラブルメーカー、老化。もう片方は、全力疾走でそれに抗おうとする体力の救世主、ランニング。さて、この戦い、どっちが勝つのだろうか?

まず、老化のやり口は実に巧妙だ。50代になると、まず視力がぼんやりしてくる。遠くの看板の文字なんて、もはや読む気が失せる。そして次に膝が少しずつ音を立て始める。「パキッ」なんて、最初は気にしない。でもそれが「ミシミシ」に変わる頃には、階段を登るのも小さな冒険になる。肌も無情にたるんで、笑うと昔の自分の面影が遠くに霞んで見える。これが老化の宣戦布告だ。

一方、ランニングは老化への反撃の狼煙を上げる。まず最初に、ランニングシューズを履いた瞬間から始まるその気合。どんなに疲れていても、一歩踏み出せば気持ちは20歳若返る。街のアスファルトを蹴るたびに、「まだまだいけるぞ」と心の中で自分を奮い立たせる。でもね、ランニングだって甘くはない。最初の3キロは気分爽快だけれど、5キロを超えると突然、体が「おいおい、無理するなよ」と警告を出してくる。脚が鉛のように重くなり、息も絶え絶え。ここで立ち止まるのか、それとも続けるのか。その選択が、ランニングと老化の勝敗を分ける鍵となる。

ランニングの武器は、一度手にしたらなかなか手放せない「ランナーズハイ」だ。脳内でドーパミンが爆発し、世界がキラキラと輝いて見える瞬間。膝の痛みも、息切れも、全てがどうでもよくなる。この快感があるからこそ、ランナーは走り続けるのだ。老化の忍び寄る影に対抗するために。

だが老化も手をこまねいているわけではない。ランナーが「今日は疲れたから休もう」と思ったその瞬間に、老化は「待ってました!」とばかりに攻めてくる。休息という名の誘惑に負けると、筋肉は少しずつ緩み、持久力も減っていく。そしてまた走り出すまでの時間が長くなるほど、老化は勝ち誇った顔を見せるのだ。

この戦いに決着はあるのか?答えは「Yes」とも「No」とも言える。確かに、老化に完全勝利することは難しい。しかし、ランニングが持つ無限のリスタート能力こそが老化との戦いを楽しむための鍵だ。ランニングは「今日も少しだけ若返ったかもしれない」と思わせてくれる、小さな勝利の連続だ。それは、決して大きな勝利を目指すものではなく、ただ老化に対して「まだ終わってないぞ」と言い続けるための、静かな反抗。

だからこそ、老化とランニングの勝負において、本当の勝者は「どちらか」ではなく、「挑戦し続ける自分」なのかもしれない。老化がどんなに攻撃してきても、ランニングシューズを履くたびに、自分自身に宣戦布告する。結局、戦うことそのものが、最高の勝利なのだから。

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