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5-15 イギリス編 長期滞在のディープな魅力 ベテランスペイン撮影コーディネーターのぶらり旅

6月26日 15日目 ロンドン
 今朝は朝ご飯を早めに食べて、一人で移動販売の魚屋さんに蟹を買いに行ったが、なんと残り一つで、ぎりぎりセーフ。滞在も残すところあとわずか。これで心置きなくスペインに帰れる。(笑)

   準備をしていざロンドンへ。友人は暑いのと人混みが苦手なので劇場の席で待ち合わせ。私は折角ロンドンまで行くので、YoungV&A という子供向け美術館で開催されている企画展「JAPAN 神話からアニメまで」に行こうと昨晩チケット予約を見たら、なんと10時と12:15しか残っていなくて焦ってネットで12:15を事前購入。すごい人気。

ケンブリッジからロンドンへの電車は、今回は混雑時を避けた時間帯の往復の、シルバー割引なので往復20,95£。安くて助かる。ケンブリッジ駅から電車に乗る時は少し早めに行った方が良い。プラットホームは3つしかないのだが、その内の2つはとても長くて、片側を二つに分けて使うので、時にはホームをずーっと歩いて行かないと乗りたい電車までたどり着かないのだ。そして突然ホームが変わったりすることもあるので、注意が必要。その場合あまりアナウンスはないので電光掲示板が頼り。
電車は始発駅で空いているのは良かったが、いかんせん冷房効き過ぎで、陽が当たる席に座る。終点のキングスクロスに近くなってきたら停車してかなり遅れて到着。その上次に乗る地下鉄もグーグルマップにはかなり深刻な遅れあり、と表示されている。しかし実際には地下鉄はスムーズに二本とも乗れ、12:30に美術館に駆け込む。

Young V&A
展示は低目

V&Aはウィリアムモリスのカフェがあり、展示作品も好きなので良く行くが、このYoung V&A 子供用美術館は初めて。明日両陛下も訪問のご予定。展示は子供向けなので全て低めにされていて、大人はしゃがんで見るようなものもある。アンティークから現代アートまでを神話、昔話、アニメ、漫画、ファッション、アートと色々とり交えて、日本人にとって太陽とは、浦島太郎とはなどとテーマごとに見せている、素敵なキューレーション。他のコーナーも見たかったが、こちらはいつか孫と来ることにして、コロセウム劇場のあるチャリングクロスに向かう。心配していたが今回も地下鉄はスムーズに動いていた。ロンドンの地下鉄は世界一古く、良く故障するので要注意。

天照大神のコーナー

 早めに着いたので持ってきたWrapラップを座って食べる。これはイギリスの直径20センチ位の丸くて薄いパンに好きなものを巻いて食べるもの。サンドイッチより時間をおいてもパンがべとべとしないし食べやすい。色々なものを包んだWrapもあちこちで売っている。

地下鉄で見た広告
ロンドンコリセウム

 いよいよ「千の千尋の神隠し」Spirited away 観劇のためロンドンコリセウム劇場に。入り口右手にグッズコーナーがあるが人で一杯。皆何か買うためにレジの列を作っている。ここでもジブリ作品の人気の高さを垣間見る。 開演間近になっても友人が現れず、携帯に電話しても出ないし、心配して下に降りて行ったらしばらくしてきた。席は二階のほぼ真ん中。舞台全体がとてもよく見える素晴らしい席。値段は225,75£。今日のチケットは今回私が彼女をヘルプしたことのお礼にと、友人の招待。感謝。舞台は緑の森の中風に飾られている。観客は家族連れから大人まで、アジア圏の外国人も多数来ている。会期も8月まで延期されたようだ。 

開演前の様子

いよいよ開演。この作品は日本語で演じられ、舞台の三方にテロップが流れる。短くて分かりやすい英語がどんどん出てくる。映画にとても忠実に作られているので、ストーリーを知っている観客は子供でも問題がないのだろう。みんなオンタイムで反応している。「笑ったり、泣いたりする外国人の反応も面白い」、と友人は言う。歌舞伎の仕掛け舞台のようなベースに、文楽の黒子のシステムを巧みに使い、宮崎作品の不思議な生き物たちが、マペットや役者によってとても生き生きと演じられていた。春風ひとみさんの湯婆は「壁の中の妖精」の老婆役を思い出させつつ、ハレのシーンでは下町の姉さんらしい盛り上げ方で、思わず微笑む。千尋役の女優さんはなんと初本舞台だったそうで、頼りない感じのはじまりの頃から段々と成長していく少女を素晴らしく演じていた。顔なしやライトの女性たちのダンサーならではの動き、女性たちの歌声、舞台でしか見られない皆の動きがアニメを上回っていて私達を別世界に連れて行ってくれる。これぞエンターテイメント!!  

タイ料理で乾杯

途中休憩を入れて、3時間のショーの興奮冷めやらぬまま、私達は春風さんと待ち合わせたタイ料理レストラン、Thai pot タイポットに行く。春風さんと前日日本から来たご主人がすでにお席に。まずはロンドンでの再会を喜び乾杯。私の友人は俳優座養成所花の15期生。女優業は早々に辞めたが、芝居を見る目はやはりプロ。お芝居の感想を色々と話す。春風さんたちはなんと友人の同期生の武ちゃんこと小野武彦さんと村井国夫さんと親しくしているそうで、あとで友人との写真を送って、「誰か分かる?」と聞いてみることにする。これも不思議なご縁。 意外にもお二人がイギリスに来るのは初めて。しかし春風さんは滞在中ロンドン市内から出てはいけないという契約だそうだ。それに夜公演が終わると23時。マチネの日もあるし体調管理が大変そう。しかしご主人と言う助っ人が来て、料理をしてもらえるそうで、少し安心。お芝居の事、ロンドンでのこと、共通の友人の話などして、あっという間に時間が経つ。お二人は結婚してからずっと「スペイン、そしてマラガに行きたい」と話していたそうだ。次回は是非スペインで、と言ってお別れする。友人は本当に久しぶりに観劇をし、素晴らしい作品でその上気持ちのよい人たちと出会えて本当に良かったと喜んでいた。私もとても充実した一日でした。

ロンドンの日暮れ


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