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「家族」ってだけで、大切にしなければいけませんか? それができない私は、人間失格? “はふぽのコラム”

2週間ぶりに、こんにちは。ハフポスト日本版の榊原すずみです。

大人になると、いろいろ理不尽なことって増えますよね。
先日もドラッグストアのレジ前で、ソーシャルディスタンスと思って、間をあけて並んでいたら、前に割り込みされてしまったのです。
急なことで、割り込んできた人に何も言い返すこともできないまま、なんともモヤモヤと理不尽な思いだけが残りました。

そんな、ちょっとした理不尽に出合わない日はなく、それでも「仕方ない」「明日もがんばろう」そうやって、自分をなんとか奮い立たせている人は、きっと多いのではないでしょうか。

私もその1人ですし、今電車であなたの隣に座っている人も、共に生活している家族一人ひとりもきっと、そう。

そんなみなさんの「仕方ない」を勇気に、「明日も頑張ろう」が「明日はきっといいことがある」と前向きになる一助に、この“はふぽのコラム”がなれたら、これほどうれしいことはありません。

何度も申し上げますが、世の中は“理不尽”や“大人の事情”があふれていますから。

おすすめ①ミックスの私が「初対面カード」を配る理由。それは無言のプロテスト

初対面の人に人種や外見について尋ねることは、とても失礼なことです。
でも、つい好奇心で…と聞いてしまった経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事の筆者である、あんなさんは日本とアメリカの「ミックス」の大学生です。

必ずといっていいくらい、初対面で

・ハーフですか?
・どちらの親が外国人ですか?
・日本には何年住んでいますか?
・英語は喋られますか?
・夢はどっちの言語?
・考える時はどっちの言語?
・日本とアメリカどっちが好き? 
・自まつ毛ですか? 

と尋ねられるそうです。

15年暮らしている日本で、そう、「自分の国」で人種を聞かれる度に、周囲に「他所者」と認識されていることを再確認する。まるで毎度入国審査を受けているような感覚に襲われる、あんなさんはそう綴ります。

そんな“差別的な理不尽”に日々遭いつづけた彼女は、ある対抗策を考えつきます。

そんな彼女の発想力の豊かさと勇気は、きっとあなたが今日受けた理不尽の処方箋になるかもしれません。

おすすめ②
「家族を大切に思えない」。そんな私は人として何か欠けているのだろうか

「家族は素晴らしい存在で、愛するべきである」。
「家族は何よりもかけがえのない人たちであり、ありのままの自分を受け入れてくれる」。

その手の“家族を大事に”という家族神話を耳にすると、どうも心がざわついてしまう、文筆家のあたそさん。

かく言う私も、あたそさんほどではないけれど、決して家族との関係が良好とは言えず、弟とはかれこれ7、8年、顔も見ていなければ、声も聞いていません。弟は結婚し、子どもが2人生まれたそうですが、どちらの子とも、一度も会ったことがありません。
母から毎月絵手紙が送られてくるけれど、返事を書いたことも、メールしたことも一度もありません。
そして、愛犬に会いたくなった時にしか実家に帰らないという状況なので、あたそさんから原稿が届いたとき、その気持ち、なんとなく分からなくはありませんでした。

きっと、あたそさんにとって、「家族なんだから」「だって家族じゃん」という言葉で、何かをしなくてはならないことは、理不尽極まりないことなのではないかと思います。

世間では「当たり前」に思われていること、それが「普通」だと思われていることを普通と思えず、大人の事情だから仕方ないと笑って流すことができない人もいます。
大きな葛藤を抱え、時には自分を責めている人もいます。
本当の意味で、多様性が認められるというのは、そういう人たちの葛藤がなくなることも含まれるのではないかと、私個人としては思っています。

おすすめ③
バンライフ中断で、コロナ離婚のピンチ。原稿は書けないし、収入減…。さて、どうする?

今回のコロナ禍は、人々の生活から多くのものを理不尽に奪って行きました。
そして、現在も奪いつづけています。

その影響を受けた1人が、住む家を持たず、車で生活をしている菅原恵利さんです。
きっかけは、楽しみにしていた地方取材の仕事がなくなったり、新しいキャンピングカーを契約しにいく予定が延期になるといった些細なことでした。

でもその「些細なこと」が、少しずつ彼女に変化を与えます。
目まぐるしい変化の中にいると、創作意欲が湧いてくるタイプの彼女。寝る場所、食べる場所、歩く場所、毎日が違うから、毎日違うものを選んで行動することが、恵利さんが恵利さんらしくいるための源でした。

それが理不尽にも新型コロナで足止めされ、変化の少ない日常に身を置くなかで、自信を失い、原稿は書けなくなり、夫から結婚して初めての「離婚」の言葉を突きつけられます。

さて、恵利さんはそこから、どうやって抜け出したのか?
結構、あっけなく抜け出すのですが、それはご愛敬、ということで。

果たして、理不尽も、大人の事情も、差別もない社会になる日はくるのでしょうか……。

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