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デュラララ!!の舞台に行ってきた‼

コロナの影響で中止になった舞台。
もうなくなった、消えたとしまったと思っていたもの。

それが一年の歳月とキャスト変更を経て、めでたく日の目を見ることになった。
嬉しすぎて小躍りするテンションで、頭はヒャッハー。
仕事の有給を調整して、万全を期して当日を迎えようと思ったら――

体調不良者がでて、名古屋1日目の公演が中止になった。
PCR検査をするというアナウンスがあった。

自分が予約していたのは2日目。でも、もう駄目だと思った。
楽しみにしすぎていた反動でストレスがやばかったようで、胃液がせり上がってくるし頭痛もするし体調が崩れた。
メンタルが完全に死んでしまい、アニメ1期を復習するハズだった前日は布団の中から這い出ることができず……

でも、当日――
朝起きて仄暗い目でツイッターをながめたら『舞台やるよ』というアナウンスが公式くんからあって。

「いざやくぅぅぅぅん」

ヤバい薬を投与されたかのようなテンションに切り替わり、意気揚々と現地へ安全運転で急行したのだ。

周囲を警戒して物資を補給

会場には開場1時間少し前に到着となったが、駐車スペースには余裕があった。
大雨の影響でまともな人が自宅待機を選択した結果かもしれない。
僕の頭はハッピーセットなので、まともじゃなくてもオッケーです。

――コロナでの対応のためか、物販は外に用意されていた。
数人並んでいた列の最後尾に移動すると、前の人が去年度のショルダーバッグを持っていてテンションすっごくあがる。
ファングッズを身に着けている人がいる、この人たちみんなデュラのファンなんだという感動。
身近にオタクな話題を話す友人がいない社会人なので、オタクという存在を観測するだけでテンションが上がるオタクの構図を展開。

お金を払うと無料で成田良悟先生の短編小説が読めちまうんだ――ということで、パンフレットを去年今年と2冊を購入。
前に並んでた人がたくさん買っていたのもあって、その場の空気に流されてクリアポスターとブロマイドもオマケに購入してしまったぜ。

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ヘルメット被ったライダースーツのお姉さんの写真を買ったんだけど、知らない人から見たら特殊性癖と思われる気がする。
でも、知ってる人が見るともっと特殊性癖に見える首なしライダーが大好きです。

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今年のパンフレットは蛇腹折りのギミックが楽しくて好きすぎる。
キャストの紹介やインタビューもアニメ意識した作りになっていて、アニメファンの人はすっごく笑顔になれる仕様なのでぜひとも手にとって欲しい。

――大きさや量を気にせずグッズを買っても、車に荷物を置きに戻れるという安心感は強かった。
駐車場にはマジで感謝。シャラララリーヨ!

そして、入場待機列へ

このあたりで思考が冷静になり、ちょっと嫌な汗で背中が濡れる。
やばい、女性客しかいない……やばい。

この人たち、もしかして舞台俳優のファンなのか?
それとも、デュラララ‼は好きだけど他の成田良悟作品は履修していない?
クロハもストレンジフェイクもデッドマウント・デスプレイもシャークロアシリーズも読んでいない人ばかり並んでいる……?
勇気を出して「ヒャッハァ!」って挨拶しても「ひゃっはぁ!」って言葉は返ってこない?
身なりの清潔は意識したけど、雨だったので最強の自分(オシャレ)はせずに無難な感じでまとめてきたけどマズったか?

――心細すぎて謎の疑心暗鬼。

自然と周囲の会話が漏れ聞こえるけど、皆様一般人のような会話をしていらっしゃる。
ガチ勢はぼっちだから黙っているのか?
風が強くなって小雨が降る中、傘の骨を握って今の時間を耐え忍んで過ごす。
「コレも日本のボーンナウだね」と、僕の脳内でアイザックとミリアが会話をしている。

恋しさと せつなさと 心強さと

しょんべんを絞り出し、男子トイレにこもること数分。
メンズの影はなく誰かと連れションしたいだけの人生だった――と思いながら指定された座席へ。

……え?
これめっっっっちゃいい席じゃない?
オペラグラス購入したけど必要なくない? 表情までは判別できないけど、何やってるかは完全に理解できるレベルで近距離じゃねぇか……!

盛り下がったテンション、無事に盛り返して有頂天に。

――だけど、隣席ガチャ(右)で敗北した。
すまん、手すりから体がはみ出すぎなんだわ……
おもっくそ身体接触しているんだけど、これ僕の過失でセクハラになるのか?
怖すぎるし、胃が痛いんだけど。マジで身体コンパクトにしてくれ。
体格の問題じゃなくて、姿勢が良くねぇんだ。
男性の自分でも完全に席内に収まるスペースあるのだから、もう少し隣人に愛を、人ラヴを向けてくれ。コレ以上縮こまること不可能やぞ。
あとすっごいしゃべる、係員さん会話控えてくれとアナウンスしてるのにめっちゃ友達同士でしゃべるので勘弁してくれという気持ちになる。
楽しみなのは理解できるけども、せめて声を抑えてくれ……

――そして、隣席ガチャ(左)の女性を敗北をさせてしまった。
すまん、隣の女性すまん……座席の間隔狭いのに男が隣はテンション下がるよな。
二度見して座るのためらわれるのは心にくる。
執拗なほどに殺菌消毒清潔しているので、許されよ、許されよ、許されよ……
声かけたりしないし、許されよ、許されよ、許されよ……
マスクを外せばイケメン――すいません。許されよ、許されよ、許されよ……

いざ、尋常に初舞台!!

はじまる前は心がボドボドだった僕だけど、照明が落ちて観劇の際の注意点(小芝居)が始まったとき――感動で涙が出た。

ワゴンメンバーのやりとり、めっちゃ成田節が炸裂してるんだ。
これこれこれ、これこれこれ、マジでこのギャグの流れが成田良悟なんだよ。
台本書いたの成田先生じゃないんだよね? 脚本の高木さんも演出の毛利さんもすごすぎない?
三次元なのに違和感さん仕事しなさすぎて、舞台俳優すげーっていっきに引き込まれた。
アニメ見ているハズなのに声に違和感ないし!
舞台俳優が声優に転向するケースになるほどと納得いった感じがある。

セルティのバイクアクション楽しすぎる! 黒子役の人のおかげでアクションが派手でかっこよいのにおもしろい。あと体幹すげぇ……
オープニング裏切りの夕焼けやんけ! 背景に文字が投影されるの最高すぎるんだが?
お馴染みの東急ハンズきた! 舞台の変形ギミックが見てて楽しいし、成田先生らしい群像劇の場面転換と見事に調和させてくるの好きすぎる。同一ステージで場面がコロコロ変わるのに、場所にまったく違和感ないのすごすぎないかよ。
看板が狼と香辛料のホロじゃなかった気がするんだけど、ドクロちゃんは相変わらずドクロちゃんじゃないですか! 懐古厨にはわかるけど、今の若い人はどれだけ理解が……え? デュラアニメ1期は2010年放送? 馬鹿な、今現在は2021年だぞ……人生時間スキップしすぎてない?
サイモンがめっちゃサイモンしている! ポリコレ棒で頭を殴られる昨今だけど、そんなものまったく関係ないわ。コレは確実にサイモン以外の何者でもなく、ロシア寿司の呼び込みの人! だいすき! 何気に舞台全編通して出番が多いので、強烈なインパクトを残してくるの草。
平和島静雄といえば自販機。御坂美琴よりも平和島静雄が自販機のシンボルマーク的な存在なのさ! だから自販機が飛んでいくのは大好きです。タバコの煙も視認できるし、なんか無駄に色気を感じてドキドキする。静雄のアクションがスーツアクターやってるセルティの中の人よりも地味になるかなぁと思ってたけど、ちゃんと要所でキャラ立ててあって、静雄らしくてすごい好きでした。
チンピラくんへの熱い拘りには草生える。
首の演出はこうくるのかと唸った。人力で再現するトコと、特撮技術で再現するとこ混ざりあった舞台のギミック本当に最高すぎる。
ダラーズ! ダラダラするからダラーズ! この下り大好きだし、原作を最後まで読んでいる人間だと帝人くんの第一歩だなぁという感じで、臨也くんの今後も考えながら生暖かい目で見れるんだ。ふふってなる。
誠二くんさすが平和島に立ち向かう男!歪な愛の物語、首から上を愛した男の気持ち悪さが表現されていて良かったです。彼の気持ち悪いトコが好きな僕としては大いに満足した。誠二くんが帝人くんに恩を感じているような描写もしっかりあってね、好きです。

なんか、もう、楽しすぎて2時間が速攻で終わった感じ。
原作だと1巻、アニメだと12話(たぶん)までの内容がきれいにまとまっていて、久々のデュラララ!!の世界を十全に謳歌できた。
黄巾賊や罪歌の続編フラグバリバリに立ててあったのも、期待とファンサの良さにテンションを高めてくる!

あとは最後の挨拶――
これが、最後にして最大の駄目押しで観客の心をキャッチしていくヤツ。

そのキャラに成りきった感じでキャストが頭下げて解散したあとに、中の人として集まって観客に感謝する形で挨拶してくれたことに感動しすぎて、泣きながら拍手してしまったよ。
頭下げたいのはこっちなんだよ、マジで良いものをありがとうございました……!

わかる、舞台にハマってしまう人の気持ちがわかる。
沼ってしまう人の気持ちがわかる。
これだけ原作リスペクトしてもらえると、演じた人そのものが好きになってしまうのは是非もないんだよなぁ。

舞台2期が告知されるのを祈り始めてしまったし、デュラララ!!とは関係ないけど大好きなfgoくん(成田先生もゲストでシナリオ書いてるよ)の舞台BDを買ってしまったし、有名な劇団四季も体験してみたいなぁと思って、行けそうな名古屋公演を調べ始めている。

不満点/問題点

張間美香が善良なストーカーに見えるので誠二さん誠二さん誠二さん誠二さんがもう少し欲しかった感があるのと、コシュタ・バワーの嘶きの音量がデカすぎたりといった音量関係が気になった。後者は席の位置的な問題もあるかもだけど。

――しばらく考えたけど、不満はコレくらいしか浮かばない。
マジで満足度が高すぎる舞台だったのだ……

問題点のほうは、アレだ。
ネブラネブラネブラと連呼されるせいでバッカーノ!1935-Eの事が頭にチラつく現象があって物語への没入を阻害された。世界観同じだしどうしようもないんだけど、ネブラくんさぁ……
パンフレットの成田先生描き下ろし小説に刺激されてSH続刊はよォ!となるのも電撃文庫の都合があってどうしようもなく……
ストレンジフェイ(以下略)

――とにかく、成田良悟先生の信者には刺激が強すぎた。
紙の本持ってるやつの電子書籍を買ってお布施しておこう。BLEACHの小説とかまだ電子版買ってなかったハズだ。

おわりに

東海地区が大雨警報で酷い時期だったので、車で移動するのには冠水区域あるので避けないとだし、激しい雨で帰りは前見えないしで命の危機を感じる場面が何度かあった。
警報やらなにやら発令されている環境で、車で舞台へ行くという決断をしてしまった自分の行動のバカさ加減に反省するばかりである。

コロナ自粛で耐えていたオタクが爆発した結果やらかしてしまった感あるけど、家族や会社に迷惑かからなくて本当によかった……

でも、命を担保にして行っても後悔はなかったレベルで楽しめたし、昔からの成田先生のファンとして幸せな時間を過ごすことができた。
本当に、ほんとうに楽しかった。数日たった今でも余韻が残っていて「よかったなぁ」と反芻してしまう。

アニメの実写化とかで不満でるケースはよくあるけど、この舞台はマジで愛が詰まりすぎてて「この気持、まさしく愛だ!」だよ。

明日(8/20)からはじまる大阪公演はweb配信を行うようなので、コロナで自粛しているデュラララ‼好きにはぜひとも見て欲しい。

舞台が終わったあとから舞台をやっていたことに気付いた人も、映像BD発売が決定しているのでぜひとも購入して欲しい。

――さあ、非日常を始めよう。

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