オレタチハブクラフト <うめばやし・ふろもと・ナカスのばあい>
みなさまこんにちは!
ひたすら暑かった夏が過ぎ、少しずつ秋を感じるようになってきました。
そんな熊本・新町にあるHub.craftには、今日もまた頼りになる熊本のフリーランスクリエイターが集まってなにやら楽しそうにしています。
今回集まっていただいたHubの仲間3名の担当業務は…
【音声さん🎤】
Hub.craftの音声担当の3名に、音声さんというお仕事のお話やHubとの出会いなどなど、あらためてお話聞いてみました!
きっと明日から、"音声さん" がもっと身近に感じていただけるはずのインタビュー、是非ご一読ください!
Hubの音声メンのプロフィールとHubとの出会い
<Zoom越しのインタビュー!江上さん!見切れてます😆>
<ゲスト>
●梅林 悟郎(うめばやし ごろう)さん
●風呂本 篤(ふろもと あつし)さん
●ナカスタツヤさん
ー みなさんの簡単な自己紹介と、お仕事について教えてください!ではナカスさんから…
ナカスさん(以下ナカス)「 僕からですか?!ちょっと他の方の聞きながら考えようと思ってました(笑)
そうですね、実はつい最近まで熊本県の職員をしておりまして、週末はイベントの運営などをしていた関係で山下さんと知り合い、映像の道具やF9の改装のお手伝いをする際にHubに出入りするようになったんですが、あまりに居心地がいいので仕事をやめてフリーランスになってからここに居着いちゃいました(笑)
今はフリーランスとしてガチの音声さん頼むほどではないけどちょっと頼りたい!っていう時とか、配信などにしても少し音声まわり入れるともっと良くなるよーといったアドバイスなど、裾野を広げて普及していくような仕事をさせていただいています。」
ー 県職員からのフリーランス!裾野を広げていく活動素敵です。
風呂本さんからもぜひお願いします。
風呂本さん(以下風呂本)「私は業務は音声全般が担当です。もともとRKK熊本放送で勤務してまして、18年ラジオ、3年テレビを担当しました。2020年に入ってコロナでイベントも少なくなって現場での仕事もなくなりスタジオの中だけになってきて面白く無くなってきたなと思った時に、ラジオ時代の後輩だったHubの山下くんが先に独立して仕事を始めていたのを思い出して、ちょっと飲みながら話でもしようよ、と声をかけまして。『僕が会社を出て独立しても仕事ってあるかな?』と聞いたら彼が『めちゃくちゃありますし、今Hubも梅林さん一人で現場が被ってしまうと対応できなくなってしまうのでよかったら一緒にしていただけませんか?』と声をかけてくれて、2021年7月からHubに仲間入りしています。」
ーまさにプロフェッショナルですね!しんがり梅林さんも是非お聞かせください。
梅林さん(以下梅林)「僕は学生のアルバイト時代からずーっと音声をやっています。当時TKU(テレビ熊本)のアルバイト募集があって、最初は映像班へ配属されたんですが、映像班は体育会系で、インテリ系の多い音声班のほうが楽しそうだな、と翌日から音声班に混ぜてもらってから今までずっと音声です。
そのあとも熊本シティエフエムが立ち上がる頃で、そちらにもアルバイトで行くようになり、バイトなのに土日に番組を2本担当したり。大学卒業後は当時お世話になっていた江越哲也さんの制作会社に就職しまして、1年勤めてから独立、そこからずっとフリーで音声の仕事をやっています。現場とかで『会社はどちらですか?』なんて聞かれた時はもう『いや〜野良なんですよ〜』なんて言いながら色々なところでお手伝いさせていただいてますね。
お仕事としては、ラジオ、テレビ、イベントPA(音響)の三本柱です。ちなみにイベントPAとして今一番大きいお仕事としては、ロアッソ熊本のスタジアムPAは私一人でやらせていただいております。」
音声さんのお仕事🎤
ー いままでお聞きした中だけでも、ラジオ、テレビ、イベントの音響などのお話が出てきましたが、他にはどんなところで音声さんのお仕事があるんでしょうか?
風呂本「そうですね、例えばインタビュー取材に同行してガンマイクっていう長い棒のようなマイクを使って声を録音したりとか、テレビ番組の最後の音調整のMA(Multi Audio)っていう作業もあります。映像を編集して切ったりつなげたりすると音ががくってなったりしてしまうんですが、そのバランスを直して整えて、規定のラウドネス値(音声レベル)に収める。ラジオなども収録の場合には持ち帰って編集したりもします。」
ー インタビューの録音などに、他の雑音が入ってしまうこともあるのかなと思うのですが、そういったかぶってしまった音などはどのように処理されているんでしょうか?
ナカス「イコライザーという音の波を見ることができる機械があって、それで見ると特定の周波数のところに雑音が入ってしまっているのを見ることができるようになるんです。」
ー そんな機械があるんですね!そこでその周波数をオフにするとノイズが消えたりするということでしょうか?
風呂本「正確には、音の波の位相を逆にして重ねてあげることでその周波数帯の音がゼロになるという波の性質を利用してノイズを消しています。ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンなんかも同じ仕組みですね。」
ー 高校物理でやった気がします!(笑) なるほど、ただ消すのではなくて、反対(逆の位相)にした波を重ねることでノイズが聞こえなくなるんですね!勉強になりました。
"音は出るのが当たり前"と思われがちだけど、トラブルが発生しやすいのも実は音響
ー 過去の現場で、印象に残っている出来事はありますか?
ナカス「僕が音響の仕事をやりはじめたきっかけでもあるんですが、県職員として働いていたとき、大学生と一緒にイベントをさせていただくことが多かったんですが、大学生のイベントだと予算の規模があまり大きくないので、まず真っ先に予算を切られてしまうのがPA(音声担当)なんですよね。音声って、普通にマイクを機械に挿せば音はでるでしょ、と思われている方ってすごく多くてあまり重要視してもらえないんです。
実際のイベントでも、僕が当日現場入りしてみたら音声担当がいないということもよくあって、案の定、音を出してみたらビーーーーってノイズが乗ってしまったり。こういうノイズの原因っていうのは接続部分で音の変換がうまくいっていない状態で、電源周りとか接続部分とかで初心者がよくやりがちなミスがあることがどんどんわかってきました。
そしてそういう現場をいくつか経験しているうちに、『もう自分の卓(ミキサー)持っていったほうが早い!』と思うようになり、気がついたら家にPAセットがほぼ揃ってきて、自分で引き受けるようになってました(笑)
"音は出るのが当たり前" と思われがちですが、実はトラブルが起きるとどうしようもないのも音響なんです。意外と重要なんですけど、なんとかなるだろうと思われがちですね。」
風呂本「配信なんかでもそうですね。映像が止まるのは意外とみんな慣れているんですが、配信中に音が途切れると『なんで?』『音が聞こえません!』と苦情が殺到しちゃうんです。普段音響なんて注目されないんですが、トラブルがあった時にはすごく影響が大きいんですよね。」
ナカス「あとコストかけずに準備して、安い機材を使っていることでイベント中に熱で使えなくなって音が止まっちゃったりとか。コンセントの容量を考えてなくて、本番環境でみんなが一斉に音を鳴らし始めた瞬間にブレーカーが落ちるとか。本当に甘くみてしまっていると、当日いろいろトラブルありますね!」
あこがれのあの人とスタジオで・・!ラジオ談義
ー ラジオなどでの思い出はありますか?
風呂本「以前、渡辺美里さんのオールナイトニッポンを熊本のスタジオから生放送するという企画があり、その時はテンション上がりましたね〜。本物だ!みたいな。」
梅林「自分もFMでディレクターもやっていた時に、渡辺美里さんがサテライトスタジオに入られてすぐ後ろに座っていらしたことがあって、やっぱり中学の頃、カセットの時代から渡辺美里さんの楽曲は聞かせていただいていたので、あれは嬉しかったですね〜!」
ー ラジオについて昔から少し疑問だったんですが、AMとFMっていうのがあると思うんですが、これはなんの違いがあるんですか?
梅林「AMは、振幅変調(Amplitude Modulation)の略で、電力の大きさで音を出す仕組みなんです。一方FMは「周波数変調(Frequency Modulation)」の略で、波の周波数を音に合わせて変える仕組みで、音の伝え方がまず違うんです。
AMはその仕組みから、送信する側も受信する側も、回路が簡単に作れたりします。例えば雨どいがAMラジオを受信しちゃったり、ゴルフ場でガンマイクをふってる時にケーブルがラジオを受信しちゃって朝ラジオ体操が流れてきたりするのはAM局ですね。そういう時はケーブルの長さを調節することで受信しなくなるので『ケーブル変えろ!』って言われたりします(笑)
FMは音質がいい代わりにあまり距離を飛ばせないなど、それぞれに特徴があります。FMは音がいいのを売りにしていたので音楽番組などが多く、AMは昔からあるラジオ放送局が多いので、パーソナリティーがしゃべる番組とか、演歌が流れるのなどはAM局が多いです。」
ー そういうことだったんですね!あとFMの中でもたまに「コミュニティエフエム」というものがあると思うのですが、こちらはどういうものなんでしょうか?
梅林「通常大きなAM局FM局というのは、県全体をカバーしているものなのですが、コミュニティ局は10W(ワット)というとても小さな電力でしか配信できないので、本当に地域密着型の情報を流すラジオ局です。これは地域の川の氾濫情報だったり災害情報などを流す防災ラジオをFM局の仕組みで流せるようにしようというもので、熊本でも熊本シティエフエムがコミュニティエフエムですね。」
2021年度も残り半年!実現したいことは?
<インタビュー風景。私がデカデカとスクリーンに…>
ー 2021年度も残り半年となりましたが、実現したいこと、やりたいことなどはありますか?
梅林「コロナ以前は家族にずるい!って言われつつも月に2本くらい映画館に映画を観にいっていたんですが、今年は全然行けてないので、観に行けたらいいですね。
あと仕事的には、今はライブ配信のお仕事が多くなってきているので、見てくださっている人とのコミュニケーションをもっと取れるようにしていきたいというのと、現場スタッフのコミュニケーションや連携ももっととっていくことで配信のクオリティを上げていきたいなと思っています。たとえば映像を撮影しているカメラマンさんは、どのタイミングで映像が切り替わるかはわからなかったりするので、そこをインカムなどで繋いであげることで配信の精度があげられるので、現場の空気感が観てくださってる方に伝わるようにしていきたいなとみんなで話しています。」
ナカス「目的はもう『カメラマンさんと映像のスイッチャーさんをつなぐ』って決まってるんですが、そのやり方がめっちゃいろいろあるので、現場のオペレーションなんかを考えながらどのやり方が一番このチームに合っているか考えているところですね。」
風呂本「そういうインカムとかも全部音声の仕事ですしね。」
梅林「予算をかければいくらでも設備は整えられますけど、ちょうどいい塩梅のところで、カメラ担当もスイッチャー担当も使いやすいものを提案するのが僕らの仕事で、今提案しているところなので、これからというところですね。」
ー 風呂本さんはどんなことを残り半年でしてみたいですか?
風呂本「…この中だと、僕だけ独身なんで、彼女ができたらいいですね(笑) まああと半年ありますからね。」
ナカス「いやでもそこは12月のクリスマスまでに…」
風呂本「なんでそこだけ期限縮めるんだよ!(笑) 」
ナカス「(笑) 」
風呂本「あとは〜そうですね、ここ2年くらいもう飲みに行けてないので、飲みにいきたいですよね。」
ー 飲みにいきたいですね〜是非混ざりたいです!
ナカスさんはいかがでしょうか?
ナカス「そうですね、僕は今年はまだ独立したてなので、自分の足で立てるくらいの仕事をちゃんと作りたいなと思ってます。今自主事業といった形で、月に1回のイベントを企画して、その音響や配信なんかも組み込んで事例をつくりつつ、誰でも自分で配信を始められるような初期サポートする事業などを作っていきたいですね。いまその個人配信の需要も高まっていますし、その一方で僕たちにとっては当たり前のことがわからない方もたくさんいらっしゃると思うので、その方たちのサポートをしていけたらと。」
ー すごく需要がありそうですね!私もまさに今、Zoomなどでのイベントが増えてきている中で、パソコンにつけるカメラやマイクの選び方でちょうど迷ってますし…
風呂本「音声は、iPhoneについて白いイヤホンあるじゃないですか。あれが最強です。間違い無いです。東京のテレビ局のみなさんも、早いうちからいろんな機材を揃えて試したけど、iPhoneのマイクが一番いいって言っていたので、この無料でついてくる白いイヤフォンについているマイクが最強です(笑) 」
ー iPhoneは、本体での録音もすごく質が良いと聞いたこともありますが…
梅林「iPhoneで録音したやつが一番音が綺麗だったりしますもんね。全然これ使えるじゃん、みたいな。笑」
ー めちゃくちゃ良いことをお聞きできました!iPhoneとそのイヤフォンマイク、今後イベントで是非使っていきます!(笑) ありがとうございました!!
げに素晴らしき音声さんの世界🎤
今回お話をうかがって、例えばイベントで一番起こりやすいトラブルが音声トラブルだったり、ライブ配信で止まって一番困るのが音声だったり、災害発生時などの情報インフラとして最後まで残るのがラジオだったりと、私たちの暮らしの中で、とても大切なものだということを実感しました。
音声って普段あまり注目してきていなかったですが、普段そこに違和感なく過ごしていられるというのは、こうやって音声さんのお仕事をされている皆さんが陰ながらバックアップサポートをしてくださっているからなんですね。
イベントでは予算削られてしまいがちというお話もありましたが、是非ぜひ今後はイベント成功のためにもまずは音声さんにお声がけいただきたいなと思いました!
みなさまも熊本でのイベントや、ライブ配信、インタビューなど。
音声まわりに困ったら、是非Hub.craftへご相談くださいませ!
インタビュー:梅林 悟郎、風呂本 篤、ナカスタツヤ
写真:江上 喜範、松田 拓真
文:谷本 明夢
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?