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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第三十集②

サブタイトルは「切り札」。梅長蘇が依頼しようとしたのは、誉王ではなく靖王への協力であると言闕さまが悟った場面から。今回は真新しい文法事項はなく短いセリフだが、私がとても好きなやり取りなので紹介したい。


您可愿意

静かに言闕さまは、現在の梁の状況を語り、皇后(誉王の養母)の兄という立場でもある自分が靖王を助ける義理も勝算もないと断って然るべき理由を並べた。その言葉を受け止めた後に梅長蘇が短く改めて尋ねた。

您可愿意
ーいかがですか?

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第30話
梅長蘇

▼您可愿意(nín kě yuànyì)
前回の侯爷可愿意と同じ構造の文章だが、今度は呼びかける人称が「侯爷」から二人称の敬称「您」になっている。

言闕さまの言い分をすべて受け止めて、再度意思確認をする梅長蘇に言闕さまは何と答えるか。

愿意

言闕さまは梅長蘇に向けていた視線を外し、目を閉じて深呼吸。父親の回答を待つ言豫津。言闕さまをまっすぐ見据える梅長蘇。そしてカメラワークは再度言闕さまを映し、目を開いた言闕さまは梅長蘇をまっすぐ見て答えた。

愿意
ー望むところだ

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第30話
言闕さま

▼愿意(yuànyì)
動詞「希望する」「願う」。
このたった動詞一単語に「望むところだ」という字幕が最高だ。言闕さまの意気込みがこの太文字部分に表れている。

少ない言葉で清廉潔白な志を持つ二人の心地よいやり取りに、私は初見で鳥肌がたつほど感動し、2回目以降からは涙ぐんでしまう場面だ。そして息子の言豫津も父親の決断に心から従うことになる。コミュニケーションを取るようになったこの親子のやり取りも良い。

言闕さまはさっそく官吏の動きについて探りを入れる役割になった。また言闕さまは梅長蘇に「(梅長蘇が)祁王の縁者ではないか」と指摘する。さすがに動揺してしまった梅長蘇。言闕さまの眼力(本質を見抜く力)と大胆さ(禁忌の話題をあえて出す)がここでも垣間見られる。狼狽してごまかす梅長蘇を問い詰めすぎないところもさすがだ。

ちなみに言侯府でこの清廉潔白なお話をしている合間に、誉王と夏江の毒蛇対談が挟みこまれる。第六集でも靖王・梅長蘇の会話シーンと誉王・皇后の会話シーンが交互に映り、話している内容やキャラクターの性格が対照的だったが、ここでも同様の印象を受ける。

言親子が靖王の味方についたことで良い方向に進みそうだが、一方でこの回は不穏な動きがいくつも出てくる回である。それらについては次回に。

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