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マメルリハインコと新幹線

引越し業者さんが梱包作業に来た翌日が搬出と私たちの移動日であった。我が家のマメルリハ・シャルも一緒である。

移動用鳥籠への抵抗

梱包時と異なり、男性3名が家具や荷物の運び出しにやって来た。シャルのいる鳥籠も引越しのトラックに載せてもらうため、搬出終盤に外出用鳥籠にシャルを移す打ち合わせもしており、初めのうちシャルは引越し業者さんの搬出作業を眺めていた。

シャルはここ連日の「いつもと違う感じ」に慣れたのか、特に搬出の様子に興味を示さずにいたが、シャルがいつもいた場所から見える大きな飾り棚つきテレビ台が分解されて撤去されていく時は、さすがに目を丸くして見ていた。

作業終盤になり、母がシャルを外出用鳥籠に移すためいつもの鳥籠を開けた。母がシャルを掴もうとするので、シャルは噛みついて逃れようと嫌がった。搬出中に小さなインコが飛び回ってちょろちょろ邪魔するといけないからである。母が自分の手を犠牲にしてシャルを捕獲し、外出用鳥籠に入れるとシャルは憤懣やるかたないといった表情だった。

外出用鳥籠には100円ショップで売っている冷蔵庫のドアポケットに装着できるミニポケット(余った薬味などを入れられる)を母が2つ装着した。一つは水、もう一つにはペレットを入れた。シャルには悪いが、殻が出ない方が都合がいいからだ。

駅までの移動

新幹線の駅までは知人に車で送ってもらうことになっていた。シャルが塩対応するが、実は気を許している希少人類Y氏だ。あんなにシャルが塩対応していたにも関わらず、迎えに来たY氏はシャルにかまってくれていた。そのおかげか、狭い外出用鳥籠で機嫌の悪いシャルもいくらか気が紛れたのか退去立ち会い中静かだった。

いよいよ出発。
シャルは外出用鳥籠専用バッグに入れられた。車内では私たちの話し声がしていたせいか騒がなかったが、外出用鳥籠の上部に張り付くようにしがみついていた。

手回り品290円

小型インコたちは飛行機での移動は向かない。ストレスが強すぎる。そこで本来飛行機で移動すべき距離を乗り換えありで、新幹線で移動することになっていた。シャルは手回り品切符を買って乗車する。この切符で新幹線の終着駅まで行ける。人間の座席は予約が必要だが、「手回り品」のシャルは乗車直前に切符を買って、それを写真のようにつけた。

手回り品切符とシャル

送ってくれたY氏との別れ際、外出用鳥籠専用バッグを開けて母が最後にシャルに鳥籠越しあいさつさせようとしたところ、指を出したY氏にシャルは顔をなでてもらった。鳥嫌いの私と違い、シャルを可愛がっているY氏はこれまでのシャルの塩対応に残念がっていたが、最後のそれで満足だったらしい!もっと早く懐いていればより平和だったのに、と私は思わずにはいられないが。

新幹線とトンネル

シャルが約6年前に新幹線でうちに来た時は、母だけ一緒で大変だったらしい。シャルが初めてのことで不安だった上幼かったので、すぐ新幹線内で鳴き出すため母がずっと指で外出用鳥籠越しに撫で続けないといけなかったからだ。

今回は私が一緒で、母と私の話し声がしている間のシャルはおとなしかったが、人間たちが眠って声がしなくなってしまったり、新幹線が走っている時に時折する大きな音がしたりすると「ピピッ!ピピッ!」と鳴き出してしまった。特にトンネル内の音が怖かったらしい。

鳴き出すとすぐに私か母が指で撫でると静かになった。母が言うには、撫でるのをやめた途端に鳴き出すわけではないので、今回の方が楽だったと言う。私も想定していたよりもシャルが騒がなかったので助かった。近くの座席の方が眠っていてうるさそうにされたりもなく、無事新幹線を降りることができた。

シャルは時々外出用鳥籠内で少しだけ餌を食べて水も飲んでいたが、後で外出用鳥籠の中を見ると、長時間乗っていた割に「落とし物」が少なくあまり食べられなかったようだ。前日から良い子キャンペーン中とはいえ、やっぱりストレスだったのだ。

だが、そんなストレスにさらされたにも関わらず、シャルは良い子キャンペーンを継続していろんなことをもう数日我慢できた。その話は次回に。

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