ドラマ『琅琊榜』で学びたかった中国語~第三十八集①
今回のサブタイトルは「対峙」。
前回懸鏡司に捕らえられた梅長蘇が、夏江とまさに対峙する場面である。
你问什么 我就会答什么
二日間懸鏡司の牢に入れられた梅長蘇に夏江が尋問を開始した。懸鏡司内で、もし梅長蘇が死ぬような事があれば、夏江は皇帝に疑われたり、梅長蘇率いる侠客組織・江左盟を始め侠客たちに命を狙われたりすることになり良いことはない。また梅長蘇は身体が弱く、懸鏡司の拷問に耐えられない。梅長蘇はそのような前置きをしてこう言った。
▼你问什么 我就会答什么
(nǐ wèn shénme wǒ jiù huì dá shénme)
前半の「你问什么」は「あなたが何か尋ねる」という意味で、ここで使われる「什么」は「何か」という不確定の事物や人を指す疑問詞である。
後半の「我就会答什么」は「私は(その)何かを答えるでしょう」で、「会」は「~するであろう」と言う可能性を示す助動詞で、「就」が前文を受けて結論を示す「~ならば~だ」を表す。
そして前半と後半両方にある「什么」が前の条件と後ろの結論を結びつける役割があるので、全体で「あなたが何かを尋ねるならば、私は何でも答えるでしょう」となる。疑問詞をこのように使う表現は「什么」に限らず中国語では頻出である。
你想毒死我
夏江と梅長蘇の応酬が続く中、夏江は梅長蘇の前に毒薬を出した。
▼你想毒死我(nǐ xiǎng dúsǐ wǒ)
「你」は梅長蘇から夏江への二人称、「想」は動詞の前に用いて「~したい」という願望を表す。何がしたいかというと直後の動詞「毒死(毒殺する)」で、毒殺対象である目的語は「我(梅長蘇)」である。
直訳調にすると「あなたは私を毒殺したい」となり、ここでは毒薬を出した夏江の意図を確認する言葉なので、字幕では疑問文にして確認の語気を表している。
夏江が出した毒薬は烏金丸(うきんがん)と言い、解毒薬を飲まなければ飲んでから7日後に発作を起こして死ぬものだった。それを飲ませて皇帝の御前で夏江が満足する受け答えを梅長蘇がすれば解毒薬を渡すと言う。でも従ったところで本当に解毒薬を渡されるとも限らない、死すら厭わず夏江が困る発言をするかもと言う梅長蘇。二人の駆け引きが続く。
一方で言豫津が紀王府に行き、紀王に会っていた。衛崢奪還作戦当日の「仕込み」を生かす時が来た。続きは次回に。