見出し画像

ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第八集①

サブタイトルは「深夜の訪問者」。誰が訪ねて来るのやら。今回は「なんか聞いたことあるような?」という単語がいくつかあったが、文章レベルでは聞き取れず。

梅長蘇と蕭景睿、言豫津が行った荒れた邸宅「蘭園」の枯れ井戸から、死後相当経過した複数の女性の白骨が発見された。その帰り道、梅長蘇はあえて一人になってみせて暗殺者をおびき出した。飛流が迎え撃ち、ちょうど蒙大統領も来たので暗殺者たちは逃げた。

身边只有一个护卫 这个梅长苏居然如此大意

梅長蘇を襲ったのは、謝玉と縁戚関係にある天泉山荘の卓親子だった。父親の卓鼎風が謝玉に報告した時の返答から見ていこう。

身边只有一个护卫这个梅长苏居然如此大意
ー護衛がたった一人とは
 梅長蘇も随分油断したものだ

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第8話
謝玉

「身边」は、そのまま「身辺」や「身の回り」、「只有」は「ただ~だけ」、「一个护卫」は「一人の護衛」なので、 この部分を直訳すると「身辺にただ護衛が一人だけ」になる。「身辺」とはもちろん梅長蘇の身辺である。

「这个」は通常「この」という」指示代名詞だが、ここではおそらく直前の「身边只有一个护卫」という情報を「这个」の後の「梅长苏」に結び付けて、「護衛がった一人という梅長蘇」と指定している。

「居然」は「意外にも」という副詞、「如此」は「このように」という意味、「大意」は「うかつである」「不注意である」なので、「居然如此大意」は「意外にもこんなに不注意だとは」ということになる。同じ意味だが、字幕の日本語の方が自然である。

卓鼎風も言っていたが、飛流が一人でも十分強いので梅長蘇の護衛として問題ないのだ。謝玉は飛流を梅長蘇から引き離せばいい、と再度暗殺を試みるよう指示した。

蘭園事案について

皇太子と謝玉、誉王と女性謀士・秦般弱の場面が代わる代わる出てきて、状況が説明されるシーンについて今後のためにまとめておこう。

梅長蘇たちが見つけたのは、闇妓楼の妓女たちの死体であった。その闇妓楼を持っていたのが4年前に死亡した「張晋」という人物である。朝廷に仕える官吏は本来女性を買ってはいけないので、かつて蘭園の闇妓楼に行っていた官吏がおり、皇太子側についている戸部尚書の楼之敬もその一人であった。妓女たちが死んでいるのは、彼女たち特有の「サービス」の結果、客が妓女を死なせてしまう場合があったという。

楼之敬も数人それで殺してしまっており、枯れ井戸から死体が見つかったため、張晋の存命している腹心の史鈞を殺そうとしたが失敗、当時の記録を持って史鈞が誉王のもとへ行った。

皇太子側の高官が追い詰められる状況だが、一方で誉王側の慶国公の事案は靖王が裁くことになっている。こちらもまだ決着していない。皇太子と誉王の勢力争いが泥沼化している。

有我在你不踏实吗?

梅長蘇は蒙大統領が勧めた邸宅に移り住むことに決めた。その邸宅を見て回りながら、靖王が対応している慶国公の案件の話になった。梅長蘇の指示で靖王が裁くよう皇帝に仕向けたが、それが不安だと言う。それに対する梅長蘇の言葉。

有我在你还不踏实吗?
ー私がいるのに?

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第8話
梅長蘇

「有我在」で「私がいる」、「还」が「まだ」、「不」で打ち消している「踏实」は、ここでは「(気持ちが)落ち着く」である。祭儀に「吗」で疑問の文末助詞がつくので直訳すると「私がいるのに、あなたはまだ落ち着かないのですか?」になる。

蒙大統領が口にする不安に対し、梅長蘇(自分)がついているのになぜそう不安なのか尋ねている。字幕では会話として自然な感じで文が省略されている。

靖王がどう対処しても、皇太子からも誉王からも睨まれずに終わらないからである。梅長蘇はいつかは靖王が直面しないといけないことだと言う。また、皇帝は靖王のことが心配でなくどうでもいいから慶国公の案件を任せたとも説明する。ここまで出てきた皇帝の言動や梅長蘇の説明から、皇帝はあまり良い君主でも父親でもなさそう。

「深夜の訪問者」とは、まずは梅長蘇を暗殺に来た卓親子だった。その他の訪問者は次回。

この記事が参加している募集

最後までお読みいただきありがとうございました!もしある程度サポートをいただけるとnoteのための時間を作れるため、マメルリハの記事に画像が増えて、琅琊榜の記事の更新頻度が上がります。よろしくお願いします。