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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第四集①

サブタイトルは「主を選ぶ」。

第三集終わりからのあらすじ

霓凰郡主の婿を決める武術大会の上位10名を集めた宴席で、蕭景睿と百里奇の手合わせが行われるが、蕭景睿は敵わず皇帝が止めに入った。

上位10名の文試に関わる梅長蘇(この場ではあくまでも蘇哲として出席)は、百里奇は多少の訓練をした子どもでも倒せると言う。掖幽庭から靖王が気にかけていた庭生を含めて3名が、5日間の訓練後百里奇と対戦させることになった。

第三集で皇宮内で梅長蘇、霓凰、靖王が初めて3人で会話したシーンでの庭生を一旦皇宮から出すことにこうして成功したのだった。

我陪你一起去吧

一方後宮では、妃の一人・恵妃が皇后から、亡くなった皇太后の仏堂に蠟燭を灯しにいくよう言われていた。一人で行くには寂れた場所なので、優しい靖王の生母・静嬪が恵妃にかけた言葉から見ていこう。

我陪你一起去吧
ーお供します

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第4話
静嬪

「陪」は、「お供する」「付き添う」などの動詞、「我陪你」で「私はあなたにお供する」、「一起」は「いっしょに」、「去」は「行く」。「吧」は提案のニュアンスの文末助詞なので、「~しましょう」の感じである。直訳すると「私があなたにお供して一緒に行きましょう」になる。

現代の日常でも使われる言葉である。状況によっては、「私がついて行ってあげましょう」と訳される。恵妃と静嬪は仲が良いが、恵妃の方が位が高いので、静嬪が言う場合はへりくだった「お供します」がふさわしい。

妹妹,你说现在应该怎么办呢

一緒に皇太后の仏堂に行ったところ、恵妃と静嬪は思いがけず何者かが媚薬効果がある強力な酒を手に入れるところを聞いてしまった。誰に使われてもろくな事にならない品だ。事のヤバさに恵妃が言った。

妹妹,你说现在应该怎么办呢
ーどうすればいいと思う?

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第4話
恵妃

「妹妹」は通常「妹」だが、ここでは後宮の妃同士で年下や後輩にあたる妃に対しての呼びかけ、「你说」は「あなたが言う」だが、ここでは「言って」という依頼・命令になる。

「现在」は「今」、「应该」は「~すべきである」、「怎么办」は「どうしよう」、「呢」は答えを催促するニュアンスの文末助詞である。「你说现在应该怎么办呢」は直訳すると「今どうすべきか言ってよ」というところか。恵妃が「大変だ!」と思っている気持ちが、言葉にも表れている。

静嬪は、「皇宮では保身が第一」と言って急いで恵妃の手を引いてその場を立ち去った。後宮も何やら怪しい動きがあるようだ。

この後静嬪は、謝玉の妻で皇帝の妹である莅陽長公主に接触し、問題の酒が霓凰郡主に使われるであろう事を伝え、それを阻止すべく霓凰郡主への伝言を依頼するのだった。莅陽長公主に依頼したのは、彼女もその酒の被害者だったから。皇太后が孫娘の長公主に飲ませるとか最低。そして謝玉も最低。

飞流教得也好

梅長蘇は、護衛の飛流に掖幽庭から連れて来た庭生を含む3人の子どもたちに技を教えさせていた。蒙大統領に予め依頼して(おそらく第三集で夜に謝家を蒙摯が訪ねた時)、庭生以外にも技を身に付けることができそうな子を選んだのもあるが、たった2日の鍛錬で上達した子たちを梅長蘇は褒めた。

すると飛流が一歩前に出て、梅長蘇を見ながら何かを言ってほしそうな顔をした。

飞流教得也好
ー飛流も上出来だ

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第4話
梅長蘇

「教」は「教える」、「得」は様態補語と言い、述語になっている直前の動詞や形容詞が表す動作や状態を詳しく説明するものである。つまり「教得~」で、教えるという動作がや行為がどうだったかを説明する。その説明された内容は、「也好」。「也」は「~も」、「好」は「よい」。飛流が教えた行為もよい、ということだ。

梅長蘇はこのセリフの前に、3人の子どもたちを「很好(とても良い)」とほめている。だから褒めてほしいという圧をかけてきた飛流に「也好(お前も良い)」と言ってあげたのだ。でも飛流の場合は、3人に技を教える行為の方を褒めるため「教得也好」なのだ。

飛流は梅長蘇の護衛を務めることができる武術の達人だが、まだ少年なので「蘇哥哥(蘇兄さん)」にほめてほしいとせがむようなかわいらしさがある。

来週はこの回のサブタイトルにあたる場面のセリフを見ていこう。

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