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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第二十二集①

サブタイトルは「ひとつの決着」。この回はサブタイトル通り謝玉と決着がついた転換点になるので、物語が進む上で地味に重要な場面が多い。

卓家の人々の前に出て、自分の行いを詫びつつ卓青遥に嫁いだ娘・謝綺を受け入れてほしいと長公主は懇願する。卓夫人はその願いを聞き入れてくれた。自分の出自の真実を何も知らなかったが、卓家に対し言葉にならないほど申し訳ない気持ちでひざまずく蕭景睿。本当にこれでもか!とひどい誕生日・・・そんな彼に卓鼎風は優しい言葉をかけ、夫人は抱き締めるのだった。

そのような卓家と蕭景睿を見てほっとした様子の梅長蘇。この日の計画を周到に用意したが、どうしても蕭景睿の心を救う術はなく、心を痛めていた彼には少々救いになったのだろう。


这么多年了 我谢玉 是真的喜欢你

謝玉は謝家の祖廟にいた。自分の築き上げた謝家の名誉(他者の犠牲の上だが)が失われたからだ。そこに莅陽長公主がやって来て、謝家の名誉を守るため謝玉に自死を勧める。後で自分も追うとまで言ってくれた(元は無理やり手籠めにして妻にされたのに!)彼女に謝玉が返した言葉から見ていこう。

这么多年了 我谢玉 是真的喜欢你
何年経とうと 想いは同じ そなたを好いておる

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第22話
謝玉

▼这么多年了(zhème duō nián le)
「这么」は「このように」と直後の時間量を強調する。「多」は「多くの」「多い」、「年」はそのまま「年」、最後に文末助詞「了」が状況の変化のニュアンスを表すので、直訳調にすると「このように多くの年月が経った」となる。

▼我谢玉 是真的喜欢你
 (wǒ xiè yù shì zhēn de xǐ huān nǐ)
「我谢玉」、つまり「私謝玉は」で、「是」はその後ろの形容詞を強調する。「真」は「本当に」と言う意味だが、その後ろの動詞を修飾するので「的」がついて「喜欢(好む、好きである)」を強調する。好きな対象になる目的語は「你」であり、全体で「私謝玉は本当にあなたのことが好きなのだ」になる。

何年経っていても莅陽長公主の事が好きだ、というのが肝心の意味なので、字幕の方が日本人の感覚として自然に好きだということが強調されている文章になっている。

莅陽長公主に愛を伝えたが、それでも謝玉は死ぬわけにはいかないと言う。ここまで来ても謝玉はどこまでも謝玉だった。「憎まれっ子世に憚る」ということわざがあるが、生と権力へ執着の方が愛より強い。呆れ疲れたように長公主はその場を去るしかなかった。

梅長蘇の事後フォロー

謝玉の屋敷出る際に門前で梅長蘇と蒙大統領は、小芝居をした後梅長蘇の屋敷へ向かった。誉王やその周囲の人間に二人が仲間であることを悟られないためである。

それでもさほど愚かではない誉王は、そんな二人の様子を「特別な間柄ではないか?」怪しむ。ある意味さすがである。しかし彼の謀士・秦般弱は全く気付いていないようだ。

梅長蘇が屋敷に戻ると靖王が来ていた。一連の謝玉を倒す計画の種明かしを 靖王と蒙大統領にする梅長蘇だが、ほぼ靖王向けの内容で誉王側から仕入れた風に話し、江左盟内の細かい話はしない。林殊だとバレないようにだろう。

また、謝玉を倒す場に居合わせた南楚の使者たちに梁の内情をさらしたので、梅長蘇は、靖王と蒙大統領に狩猟の場で南楚の使者を威圧するよう依頼した。梁に対して野心を抱かぬようにするためだ。梁のためにも国境を預かる霓凰郡主のためにも必要なフォローだ。

これでまず謝玉は打倒済みの敵となった。梅長蘇の計画の大きな一つ終わった状態だ。でも次の標的はすぐ出てくる。続きは次回に。


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