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紹興酒は、なぜ"紹興酒"のままなのか?

干杯!中国酒探究家のdonです。noteを更新しよう!と決めていたけどあっさり間が空いてしまい、5月の最終週をあっさり迎えているトホホな人です。加油

さて前々回、紹興酒の選び方で「銘柄で選ぶともっと楽しくなりますよ!」とお伝えしました。紹興酒にもさまざまな銘柄があって、それぞれ個性があるんですよ、と。

僕自身、中国酒に携わり始めて10年以上が経過しましたが、紹興酒はメニューに「紹興酒」とだけ書かれていたり、年数で分類されているのが一般的です。

「古越龍山」などメーカーがメニューに表記されている店舗さんももちろんありますが、それを銘柄として認識している人はほとんどいなかったんじゃないかなと思います。

なぜ紹興酒が銘柄で選ばれることなく、「紹興酒」のままであり続けたのでしょうか?

理由を考えてみると・・・「それで十分だから」なのかな。十分、満足できるといいますか。「紹興酒」で十分通用しますよね。お客さん側にとっても、お店さんにとっても。

日本酒を見てみると、今ではさまざまな銘柄が人気となって、お店側も仕入れる銘柄にこだわったりしますよね。作り手も原料や製法にさまざまな工夫をしています。

そんな日本酒も、昔はメニューに「日本酒」と表記されているのが当たり前な時代がありました。「日本酒 1合」みたいな。今でも昔ながらの居酒屋さんだととかありますよね。ワインも然り。

紹興酒はずっとそういう時代が続いているんだなと、そう僕は解釈しています。

それでもニーズには応えていけるから、特に変えなくてもいいかもしれません。今のままでも。

でも、中国酒に携わってきた立場から見てみると、非常に危機感を感じます。ずっと「このままではいかん!」と思ってきました。

なぜなら、文化が止まってしまうから。

紹興酒引いては黄酒にはさまざまな銘柄があって、メーカーによって歴史も違うし、特色も変わる。でも、「紹興酒」で括られているままだとそれぞれに違いがあるという見方すらされません。

そして、販売するときは価格勝負になる。若い年数は安い、長い年数は高い。年数が基準となる。

非常にもったいない・・・紹興酒は手間も時間もかけて造られていて、アジアを代表する醸造酒のひとつだと思います。もっと多方面からその魅力を味わうべし!なのです。

でも、これからきっと変わっていくでしょう。

いや、もう既に変わってきています。

僕もお店やイベントで黄酒の銘柄をお伝えすると「それ飲んだことある!」という声がチラホラ上がります。ああ、しっかり銘柄で認識していただくようになってきたんだなと実感する瞬間です。

かねてから僕は銘柄の大切さを訴えてきたのですが、これから本当に銘柄で選ぶ時代がやってくるんだろうなと。

紹興酒もだんだんと情報が増えてきて、これからもっと増えていきます。確実に。なので、それに伴って深堀したい人も増えていく、はずです(笑)

ただ、そういう人たちが増えるだけでは、また止まってしまうとも思います。なぜなら、日本で飲める銘柄は限られているから。日本酒やワインに比べればまだまだ銘柄が少ない現状があります。

そういうベースというか、下地も広げていかなければいけないなと思います。

・・・とちょっと話が大きくなってきましたが、今回僕が運営する黄酒WEB「八-Hachi-」で紹興酒蔵についてまとめてみました。ご興味のある方はご参考ください。

実は正統な紹興酒蔵って14社しかないんですよ!全部日本で飲めるわけではないのですが、紹興酒の世界を広げていくならまずはそこから攻めていくのがよいのではないでしょうか。

今度酒蔵ごとのレポートでも行おうかなと思っています。乞うご期待!

更新は、毎日・・・いや3日に1回・・・いや、1週間に1回目標!加油!

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