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紹興酒の選び方。

干杯!中国酒探究家のdonです。

今回は、紹興酒の選び方について自分なりにまとめてみたいと思います。

紹興酒について「中華料理店に行ったら飲みます!」という方は結構出会うのですが、「家でも飲みます!」という方はまだまだ少ないのが現状です。

同じ醸造酒である日本酒やワインは家でも楽しまれていますが、紹興酒はまだまだその段階ではないという現実(これからきっとやってくる!)

なぜこうなってしまっているのか、理由はいろいろ考えられますが、「何を買ったらいいかわからない」というのがひとつあるかなと思います。

家で中華料理を楽しむ方は多くいらっしゃると思うんですよね!そんなときに、ぜひ紹興酒と共に楽しんでみてほしいなと。

紹興酒を購入する際の参考になれば幸いです。

ちなみに「やっぱりお店で中国酒を楽しみたい!」という方は僕のWEBで中国酒のラインナップが豊富な中華レストランをまとめたことがあるのでよかったらご参考ください。

銘柄で選ぶ

紹興酒は、浙江省紹興市を産地として、糯米、麦曲(麹)鉴湖という湖の水を使用している醸造酒です。正統な紹興酒の酒蔵として認定されているのは14社のみ。

その中で日本に流通する紹興酒は数社に限られます。特に代表的な銘柄は以下の3つです。

  • 古越龍山(こえつりゅうざん)

  • 会稽山(かいけいさん)

  • 塔牌(とうはい)

どれも中国でも大手の酒蔵で、スーパーや酒屋さんでも置かれている銘柄なので見たことある方もいらっしゃるかなと思います。

中国最大手の紹興酒メーカー、古越龍山。
会稽山は、紹興に聳える山の名でもあります。
コンビニにもある塔牌は、日本で最もお馴染みの紹興酒かもしれません。

現時点で「紹興酒大好き!」という方はこの辺りのメーカーであれば、ハズレはないのかなと思います。これらは伝統的な製法で作られており、紹興酒特有の酸味もバッチリ感じられます。

とはいえ、古越龍山や会稽山は製法の近代化が進み、日本酒のように機械での管理が進み始めています。ノンカラメルやスパークリングなど新しいタイプも増えてきました。

その点、塔牌は、全量・全甕仕込みを謳っており、乳酸やフマル酸由来の酸味が最も感じられるかなと思います。なので、特に「王道の紹興酒らしさ」を求める方は塔牌がよいかもしれません。コンビニでもよく置かれている銘柄なので、購入しやすいです。

ボトルデザインで選ぶ

紹興酒といえば、「赤いラベルで茶色い瓶」をご想像されるのではないでしょうか?

ただ、紹興酒は陶器のボトルがあったり、さまざまな形のものがあります。

もちろん、味とボトルデザインは比例するものではありませんが・・・深く考えずにジャケ買い感覚で選んでみるのも面白いかなと思います。

陶器のボトルデザインはホームパーティなどに持っていくと「え!?こんな紹興酒あるの?」と驚かれます。佇まいも雰囲気あっていいですよね!

種類や製法・原料の違いで選ぶ

紹興酒といっても実はさまざまな種類があることもあまり知られていません。大きく4つに分類ができます。

真ん中の「元紅酒」「加飯酒」「善醸酒」「香雪酒」が4種の紹興酒です

日本に流通するほとんどの紹興酒が「加飯酒(かはんしゅ)」といってセミドライタイプに属します。ただ、最近はセミスイートにあたる「善醸酒(ぜんじょうしゅ)」もチラホラ見かけるようになりました。

越王台18年の善醸酒。なんと1升瓶!

加飯酒と善醸酒では味わいも色も全く異なります。これらタイプの違いで選んでみるのもよいでしょう。

▼紹興酒の種類についてはこちらでまとめておりますのでご興味ある方はご参考ください!

また、ノンカラメルや無濾過、上澄みだけをブレンドしたものなど、製法や原料によって異なるタイプもあります。これらの違いを楽しんでみるのもおすすめです!

熟成年数で選ぶ

今まで紹興酒の違いといえば、年数によって表現されてきました。

若い年数は、熟成したものと比較してやや尖った酸味や渋みがあったりしますが、紹興酒ツウな方は敢えて若い年数を好む傾向も感じられます。各年数の味わいをひとつの個性として捉えると、紹興酒の楽しみ方も幅が広がっていくでしょう。

日常的に親しみたいなら5〜8年、ホームパーティに持って行くなら10〜15年、お祝いの場所で楽しみたいなら20年以上、などシチュエーションに合わせて選択するのもアリです。

紹興酒は熟成年数が長いほどまろやかになる、と思われていますが、成分的には軽くなっていきます。味としては優しくなる傾向もあるのでそれを「まろやか」と感じるということなのかな?と個人的には捉えています。この辺りはブレンダー次第でもありますが(紹興酒は基本的にブレンドして商品化します)

同じ8年でも銘柄によって印象も変わるはず。銘柄違いの8年飲み比べ、などもきっと楽しんでいただけるはずです!

自分好みの紹興酒を探してみよう!

紹興酒、といっても銘柄によって味は異なりますし、合わせる料理によっても印象がガラリと変わります。

お好みの紹興酒がひとつ見つかると、「今度はこっちを買ってみようかな!」と選択肢も広がり、酒ライフがもっと楽しく!なるはずです。

僕もまだまだ探究中です。もし美味しい紹興酒を見つけたときは、ぜひぜひ僕にも教えてください!

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