符亀の「喰べたもの」 20210314~20210320
今週インプットしたものをまとめるnote、第二十六回です。
今週「版元ドットコム」様に掲載されている書影が(ルールの範囲内で)自由に使えると知りましたので、今回から使用していこうと思います。
漫画
「怪物事変」(5~13巻) 藍本松
先週に引き続き、最新刊までを読了。やっぱ面白いですね。
結構キャラ数が多いのに、能力を使うための舞台装置としてだけでなく十分キャラ立ちしているのが、特に素晴らしいと思います。それを可能にさせているのが、ほぼ全てのキャラが、怪物としての能力を使う前にキャラとしての属性を見せていることかと思います。「こいつは精神と時の部屋を作って修行させるために登場させたキャラなのね」よりも「豪快な野生児でうどんバカだけど妻と一族への思いは強いのね」の方が先に提示されるため、一人の生きたキャラとしての人格が無視されにくいのが強いのかなと思います。
あとこれだけ一気に読むと修行パートが多くなるのですが、それに嫌な感じを覚えなかった理由も考察したいですね。キャラ同士の関係が進展しているパートが多く話が停滞している印象が少ないのが理由な気はしていますが、それはまあ他の漫画でもよくあることですし。結局は月刊連載でページ数が多いためにそれだけで浪費される回がないからだけかもしれませんが、ここはもう少しちゃんとした回答が欲しいところですね。
「葬送のフリーレン」(4巻) 山田鐘人(原作)、アベツカサ(作画)
第十五回以来の紹介。マンガ大賞2021受賞おめでとうございます。
前巻ではアクション面へ苦言を呈しましたが、今回はキャラ間や遺された者に焦点を当てた「静」の面白さが中心になっており、強みが活かされた巻に感じました。その中にギャグを入れるのも上手くなっており、しっとりとした話が続いても雰囲気が沈みにくくなったのも、長所を活かすのに一役買っていると思います。
まあそういう静かな面白さは人を選ぶのは確かで、twitterでも3巻と打って変わって酷評されている方もいらっしゃいました。賞を取ってやりたいことができるようになってきたところだとは思うので、よりとがった動きをしてほしいところですが、はたして。
「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」(5巻) 中村力斗(原作)、野澤ゆき子(作画)
同じく第十五回以来の紹介。刊行ペースが同じやから被り続けるねんな。
「強い」見開きが多い巻で、途中で休憩を挟まなくてはならなかったほどにカロリーの高い面白さはもうお家芸の域ですね。凄まじい。
ただまあ、各ヒロインに平等にキュンポイントを作るのはいいのですが、多すぎて天丼が渋滞しているのは、さすがに構造上の問題が露呈してきた感が否めませんでした。せっかく全ヒロインに見せ場を作っても、構図が一緒だからと読み飛ばされるようでは本末転倒です。そんなことは作者さんや編集さんが一番承知だと思いますので、次巻ではなんらかの産業革命が起きてほしいところです。
「ミーシア」 吉野マト
罪人を処刑する神の子供と、そのターゲットの遺し子との物語。
情報の出し方やミスディレクションが上手い作品で、それがつながっていくラストが実に見事です。ジャンプ+の読み切りという形式的にラストで心をわしづかみにして拡散させるのが最も有効な動きかと思いますし、そういう点でもよくできています。
ですが、初の殺人シーンでその殺し方がよくわからないのは致命的だと思います。絵的に難しいのでこの能力(血を体内に入れれば相手は死ぬ)から変える、というのはストーリー的にNGだとは思いますが、だといっても血をコップの水に垂らしてからぶっかけるとかはできたはずです。能力の説明が後になるのは問題ないとは思いますが、そのせいで読者の頭上に不要なハテナが浮かんだままになるのは不親切でしょう。そこ以外は配慮も計算も行き届いた作品だと思うので、よりもったいなく感じます。
多忙と疲れから積読が溜まっておりますが、その中で「怪物事変」が最新刊まで手に入って一気読みできたのは大きかったと思います。まあそのせいで時間と体力が食われたんですがね。
一般書籍
無理でした。1ページも読めてません。1ページは読んだのかもしれませんが、それすら不確かなレベルです。
Web記事
さとー氏が、春ゲムマ向けの新作の制作過程について書かれたnoteです。
1つのルールを足したり引いたりしただけでゲームの体験ががらりと変わるのはよくあることですが、その顛末は何度読んでも面白いですね。
ウマ娘の勢いがすごい。
SNSでの反応を見ていると、作り込まれた情報量が一つのカギになっている気がしているんですよね。このブログのような深い考察にも耐えられる調査量が、その強みなのではないかと。
そうした裏の調査量については私も得意とするところなので、まずはそれを強みだと認識し、次にそれをどうやってプレイヤーにそれとなく伝えるかを考えるべきかなと思いました。
前々回同様、カイシトモヤ氏から学生に向けたアドバイスのnoteです。
氏の文章はターゲットがはっきりとしており、読み手への配慮が感じられて読みやすいのが特長だと思います。このnoteも、序盤はすぐに実践ができる内容にして読者のやる気を出させやすくしたり、飽きがくる頃に「ん?」となるタイトルの章を入れてリフレッシュさせたりといった優しさを感じます。
「芸術における、『天才、プロ、アマチュアじゃんけん』の法則。」
以前取り上げたつんく♂氏のnoteの続編です。
まずタイトルが上手いですね。「じゃんけん」という何を意味するのか意味しやすいワードから、「じゃあ天才が負けるの?何に?」と思わせて記事を読ませる。こういうセンスがまさに「プロ」だと思います。
内容も面白く、その通りだと思います。以前からボードゲーム制作初心者へのアドバイス系記事がほぼ全て「プロ」を目指せ系になっているのに危機感を覚えており、それがなぜマズいのかを考える上で参考になりました。ありがとうございます。
「【ここでしか見られない!?】ゲムマ2021春/ゲムマ2021大阪で必ず押さえるボドゲ50選!」
宣伝です。ゲムマ春向けの新作「アマロン」を取り上げていただいています。50選とタイトルにありますが、59番目と枠を突き抜けるほど後ろの方で紹介いただいているので、たどり着く方はごくわずかかもしれませんががんばってください。
「アマロン -From Totenbrett-」
「春ゲムマ新作『アマロン』の予約について」
宣伝です。
新作「アマロン」のゲームページ、および予約の広報記事です。
予約ではセット割引もございますので、この機会にぜひよろしくお願いいたします。
なお、「アマロン」は下の画像のような将棋風ゲームです。最短1分で終わるワンミスも許されないシビアさと、手作りのコマなどのこだわったコンポーネントが魅力です。
正直ゲムマまでにすべきことの大半が終わっておらず、ヤバい状況です。
が、漫画を喰らいながら着実に歩を進めていこうと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、コマに焼き印を入れる仕事がありますので、失礼いたします。
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