符亀の「喰べたもの」 20201018~20201024
今週インプットしたものをまとめるnote、第五回です。
漫画
「シン・部長が堕ちるマンガ」 中村朝
完全に狂気の世界の話になっており、全員ボケ一部ツッコミ兼務ぐらいの実質ブレーキ0状態になっています。そんな中でも、久々に登場するキャラには自分がどんなキャラか思い出しやすくなるような一言をしゃべらせたり、セリフが入り乱れるコマではコマにそのキャラの顔を入れるなど、読者の手が止まって冷静にならないようわかりやすくなる工夫がしっかりなされているのが地力の高さをうかがわせます。あと小山田部長のtwitterアカウントがあるの今知って笑いました。
「天帝少年 中村朝短編集」 中村朝
「部長が堕ちるマンガ」の作者の短編集です。先週のやつらと一緒に注文し、出版社品切れを経てようやく入荷したので拝読しました。
試し読みとしてtwitterで公開された「きみが小説家をみつけたら」、その前に公開されてバズった「白件」、その他3編に書きおろしの表題作を加えた短編集です。「部長が堕ちるマンガ」と違い、設定こそユニークですが展開は王道のファンタジーや和ホラーであり、それでも一杯食わせてくれる描写力に脱帽いたします。
読みやすく筋書きも狂っていないため、氏の作品に興味のある方はこちらから読まれることをオススメします。
「異世界失格」(3巻) 野田宏(原作)、若松卓宏(作画)
届きました。読みました。面白かったです。まる
やはり、この作品は異世界転生ものの王道展開と主人公の異質さからくる予想外さとのバランスが上手いですね。話の流れは王道なので納得しやすく、しかしそうなる経緯は一癖も二癖もあるので次が読みたくなる。「マンガだとここで」から始まる15話のセリフも、マンガっぽい展開もそうじゃないのもあり得るこの漫画だからこその味わいがあります。
「今日のさんぽんた」(1巻) 田岡りき
「飼い主ボケて犬ツッコむ。」という帯文が全ての、散歩中の1人+1匹の会話劇コメディー。
この漫画の面白いところとして、犬(ポン太)は飼い主の言葉を理解して人語でツッコミますが、飼い主にはそれが聞こえないという点が挙げられます。これにより、読者視点ではボケとツッコミのいる漫才的な会話劇として物語が進みますが、劇中ではツッコミ不在のまま話が進んでいきます。ツッコミ不在が故の自由な展開と、モノローグでのツッコミによる笑いどころのわかりやすさ。これらが上手く両立できている、面白いシステムだと思います。
「有害無罪玩具」 詩野うら
倫理的にダメな気がするおもちゃが集められた博物館に関する表題作など、思考実験のような作品4作が収められた短編集です。なお全256ページとなかなかの分量です。
かなりプログレッシブな作品で、正直人は選ぶと思います。キャラクターの感情があまり描写されない、というか喜怒哀楽ではない複雑な感情が描かれているうえにそれが主題ではないため、結局何の話だったのかわからないまま終わるかもしれません。
ですが漫画という媒体を使った表現の模索として非常に面白い作品であり、また描かれている設定もよくここまで具体的な形に落とし込んだなと感心するほどに前衛的です。娯楽作品としてよりも文学やアート(この区別は好きではないですが、伝わりやすいのでこの書き方で)としての漫画が好きな人には刺さると思います。
このnoteは半分積読解消の目的で始めたのですが、今週はその役割をきっちり果たしてくれたなと思います。なんせ今回挙げたの(ボツにしたやつ含めるともっと)、ほとんどnoteの〆切合わせで昨日今日に読んだやつですからね。
一般書籍
読むヒマがない。これも先週土曜日に「妄想代理人」のオールナイト放送を見てそのまま日曜がつぶれたせいです。あと普通に錬金術師の本業が忙しいうえに「インヴァージョン」の説明書がまだ入稿出来てないせいです。
Web記事
「『ゲーム愛が尋常じゃない集団。リスペクトしかない』 スクウェア・エニックス吉田直樹さんが背中を追いかける業界の巨人」
業界のトップランナーに競合他社へのリスペクトを語ってもらうという朝日新聞の連載「競合多謝」の第一回。この記事では、FFXIVのプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹さんが、同じくオンラインゲームである「World of Warcraft」のブリザード社について語っています。
まず、企画がいいです。何について記事を書く場合はそれを愛している人間が書くのが一番面白く、それにビジネス的な価値を与えてわかりやすい連載タイトルまでつけているのが素晴らしいです。なので早く第二回を読ませてください。
吉田直樹さんも、ゲームのプレイヤー、製作チームのトップ、そして販売者という様々な視点からそのすごさを解説されており、第一回の語り手としてこれ以上ないお仕事をされていると思います。
「『カイジ』を担当したベテラン編集者が語る、編集の極意。ゲームの話を聞きに行ったら、講談社111年の歴史に触れることになった」
「講談社ゲームクリエイターズラボ」を企画された講談社の編集者へのインタビュー。ちなみに「カイジ」にはほぼ触れられません。
ゲームの話というよりも、基本的には編集者としてのスキルや講談社の目指す場所の話が主です。しかし「講談社ゲームクリエイターズラボ」の企画意図などはしっかりと語っていただいているため、それに応募される方は目を通しておいた方がいいのではないでしょうか。ちなみに私的には前者の話の方が興味深かったです。
音楽プロデューサーのつんく♂さんが今までとってきた戦略について振り返ったnote。
要するにこのnoteの上位互換です。実績も文字数もウチと比べ物にならないです。皆さんこんなの読まずにつんく♂さんの方を読みましょう。
「【届け!この想いpart3!】あなたの「ゲームマーケット2020秋頒布作品」紹介します!」
宣伝です。
こちらにて、新作ゲームの「インヴァージョン」をとりあげていただきました。その際宣伝用の画像も作りましたので、ついでに貼っときます。
他にも、「インヴァージョン」をプレイしていただいた動画(作者もコメントにて参加)や、前作「リーサルチェックメイト」を紹介いただいた動画(3:20頃より)など、今週はいろいろとご紹介をいただきました。
皆様ありがとうございます。
いよいよゲムマが迫ってきました。忙しくなる中でどこまでこのnoteを書き続けられるかわかりませんが、とりあえずまだ高くそびえる積読があるのでネタには困らないかと思います。
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