符亀の「喰べたもの」 20230924～20230930

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 158です。

漫画

「その着せ替え人形は恋をする」(12巻)　福田晋一

その着せ替え人形は恋をする ヤングガンガン -SQUARE ENIX-

高校生かつ雛人形職人の主人公と、彼とは真逆の世界で生きているギャルのヒロインが、コスプレ衣装と「好きを否定しない」ことで繋がるラブコメです。No. 131以来の登場です。

この巻は全話よかったですが、特に93話が好みでした。

まず前半の、前話から続いた鬱パートがついに爆発しようとする見開き (124–125ページ)、から留まる次ページ。この作品は、制作の苦しみを描きつつも基本的に明るいギャルとのラブコメなので、鬱方向に行きすぎるのは読者の期待に合わないかと思います。特に、主人公が何かに当たり散らしたりするのは、キャラ的にも適切でない描写でしょう。そんな間違った方向に進みそうな不穏さを、上下共に断ち切って大胆に余白を使ったコマで無理矢理にも軌道修正する。そうすべきではあるのですが、本当にそうやってしかも唐突な印象を与えずに納得させる手腕、漫画が上手いなあと感じざるを得ません。

そして、後半の答えを見つけてからの熱さを感じさせるパート。前半で消化不良に終わった暴力性を作品に合ったポジティブな形で発散してくれ、かつ前半の前フリのおかげで荒々しさが浮いてしまわない、いい演出になっていると思います。漫画が上手いなあ (２回目)。

強いて言えば、視野狭窄になっているあたりのコマは断ち切らずに閉塞感出した方がいいんじゃないかと思いました。が、そう思いながら読み返したら、むしろ本作は断ち切りが基本なレベルで断ちまくってるんですね。じゃあ、まあ、ええか。

「ベイビーブルーパー」(２〜３巻(完))　はるにはかえる

[1話]ベイビーブルーパー - はるにわかえる | 少年ジャンプ＋

１人ぼっちの映画部にホラー映画大好き少女が入部してくるギャグ漫画です。No. 128以来の登場です。

本作は、やっぱりB級映画っぽい馬鹿馬鹿しい派手な絵面だったり安っぽいぐらい安直な映画パロディキャラがあってこそ面白いんだなと思いました。２巻前半で普通に学校ネタやってる時は３巻まで一気に買ったの後悔するレベルで刺さらなかったのですが、頑張って後半まで読んだら、そういうのが増えて面白く読めました。

でも、そんな中で一番笑ったのは、キャラ刺して「〇〇演技うっま」って言うネタなんですよね。絵面としては地味なんですけど、作者さんも気に入ったのか２回天丼されてますし。たぶん、「スプラッタ映画が好きすぎる少女が起こす行動がトラブルを引き起こすギャグ漫画」という本作の前提が、刺される側の演技が上手いことでトラブルどころかちゃんとした掛け合いになってしまう点に、前提の崩壊というオモシロが生じるからだと思います。

いや、そういえば、100カノでも「バイオレンすわー」「キッツ♡」のやり取りで一番笑ってたな私。やっぱ単純にそういうのが好きなんだな私。

漫画のコマ割も含めて演出面を喰べられるようになったり、以前分析しきれなかったやつに似たネタの機構が理解できたりと、まあまあ質の良いインプットができた気がします。あとは量だ。

一般書籍

なぜいつもあとちょっとのとこで止まるんですか？

Web記事

「現在制作中のゲームが面白くない理由を言語化する。」

「Overcooked!」のような「協力型タスク管理ゲーム」の面白さの要因を分析し、筆者さんが製作中のゲームの改善点を考察されたnoteです。

以下に引用する「協力型タスク管理ゲームの面白さを生み出す7大要素」とその考察が、網羅的かつわかりやすくありがたいnoteです。私的には、「複数のタスクに利用可能な小タスクがある」(ことで順番抜かしや急な進行不可が生じやすくなりわちゃわちゃする) が、忙しさの要因として気付きにくいのにクリティカルな印象でいい言語化だなと感じました。

小タスクが並列接続になっている
小タスクが直列接続になっている
複数のタスクに利用可能な小タスクがある
短めの時限イベントがある
手放し運転可能な小タスクがある
複数人で役割分担する際、どのプレイヤーも思考コストが高い
複数のプレイヤーに非対称のタスクを課している

「『マイトロッコタウン』制作ノート　ディベロップ編」

「マイトロッコタウン」のクリエイターズノートです。前編にあたるデザイン編はNo. 155で取り上げました。

資源の特色付けについて、入手方法やタイミングで差別化するのは上手いなと思いました。価値自体はいじっていないので資源間の強さがばらつきにくいですし、なのにプレイ時は資源ごとの性質が全然別物に感じますし。

「『RATORO ラトーロ』の開発記録」

宣伝枠です。

ちなみに裏話として、マイルストーンは当初「〇〇をクリアしたらX点」方式だったのですが、私が断固として導入を拒否し (試したら微妙だったのでSui Worksさんと喧嘩したわけではない)、製品版と同じ能力追加方式になってようやく首を縦に振ったとかいう流れがありました。地味に会議の議事録ほとんど取ってるので、この辺の裏話は需要があればいくらでもできます。

「【アブな世界 #109】アマロン-From Totenbrett-【ジャパニーズインディーズ研究室】」
「【ボードゲーム】まとめ動画 ～ #109～#116までを振り返り【アブな世界 #Ex14】」

宣伝枠です。

「アマロン」を４月にご紹介いただいていたのですが、見事に気づかずにまとめ回でようやく気付きました。それも投稿後１週間気づかないっていうね。ルールと油断即死っぷりがわかりやすいように悪手の例まで解説してくれてるすごいいい動画なのにね。最悪だねこいつ。

肩こりが爆発しました。最近体調が悪かったのはエアコンが壊れたせいかと思っていたのですが、朝５時に頭痛と吐き気で目が覚め、以前に救急車呼んでCT撮って筋弛緩剤打たれて帰った時と同じ感覚を覚えた時、ようやく原因に気づけました。そして、その経験からサロンパス貼って無理矢理寝た結果、一日で回復しました。やっぱ知識と経験は大事。そして貼るはサロンパス。