符亀の「喰べたもの」 20220327~20220402

今週インプットしたものをまとめるnote、第八十回です。

各書影は、「版元ドットコム」様より引用しております。


漫画

メダリスト」(5巻) つるまいかだ

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青年と少女、2つの人生を賭けて1つの夢に挑む物語。第五十七回以来の登場です。

個人競技のフィギュアスケートが題材のため、これまでは1人ずつの演技を丁寧に描いていましたし、それも本作の魅力でした。しかし、この巻の18話では一気に4キャラが演技を行い、各選手の明暗が分かれていく様子が強調された形になっていました。より競技感、「負け」を意識せざるを得ないシビアな雰囲気が伝わってくる、見事な演出だったと思います。

この巻では主人公が演技をしなかったのですが、それによって読者の求めているものが読めないというストレスを感じにくくしていたと思います。他のキャラも、「失敗の恐怖との戦い」「コーチへの恩義とそれを無下にしたくないという思い」といった主人公と似た感情を示し、さらには主人公と同じキャラを因縁の相手とするキャラすらいます。「読みたいもの」を見せながら、キャラが変わることで別の面白さを見せてくれる点で、いいバランスの描写に感じました。


今週はわりと休み期間になるはずが、急に諸々仕事がやってきててんやわんやになってしまいました。その中で「メダリスト」と「チ。―地球の運動について―」(7巻)という素晴らしい2作品を読めたのはとても良かったですが、後者は分析して十分インプットするまではできなかったのが残念です。


一般書籍

てんやわんや=文字の本は読めない、ということです。


Web記事

プレイヤーの意見を参考にする際に意識すべきこと

テストプレイ時、そのテスターの意見を丸のみせずに「1:事実、2:感想、3:推論、4:提案」に分けることの重要性を説いたnoteです。

事実と意見を分けるのはこれまでもやっていましたが、「推論」も分けて考えるのは盲点でした。


ゲームの奥深さと難しさ - 面白さをハードルにしないためのUXデザイン

上記のnoteと同じJey.P.さんが書かれた、ゲームの難しさに関するnoteです。

ゲームのハードルの高さの指標として、「筋トレ」という単語と概念がわかりやすくていいなと思いました。引用されていたこの記事も、「筋トレ」という概念を踏まえて読むとよりわかりやすいですね。


[CEDEC 2017]『ゼルダの伝説BotW』の完璧なゲーム世界は,任天堂の開発スタイルが変わったからこそ生まれた

上記のnoteで引用されていた、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のワールドデザインに関するプレゼンのレポートです。

地形を三角形、四角形、台形に分類し、その機能に応じて適切なものを配置するというのが目から鱗でした。そのほかも自動生成でないデザインされたワールドの作り方として、勉強になりました。


ボードゲームシステムにおけるジャンルと参考とトレースについて

某ゲームが「ハゲタカのえじき」のパクリではないかと論争が起きた騒動を踏まえ、先日のトレパクについての記事(無料公開は4月30日まで)を元に書かれたnoteです。

線引きには恣意性というか個人の意見にすぎない部分があると思いますが、選択肢が膨大なはずなのに「線が全く一致する」のが問題というのは、わかりやすい基準でいいなと思いました。ただ前述の記事で「『頑張ってる人は認められるべき』という価値観」の話をしているにも関わらず、そこを強調した記述になってしまっているのは、意識しているのでなければよくないのではないかとも思いました。

余談ですが、「対戦ゲームなのに『被った方がプラス』を上手く取り込んでる作品はユニーク性が出せるかと思います。」という記述にちょっとニヤニヤしてしまいました。えへ。


アブストラクトゲームはなぜそう呼ばれているのか

「アブストラクトゲーム」と呼ばれるゲームジャンルが、なぜそう呼ばれるようになったかの歴史をまとめたnoteです。

いくつも出典を示しながらわかりやすく歴史をまとめられているnoteであり、読みかえすように残しておきたい記事でした。


ロシアはなぜ負けるのか?

2月28日に「ロシアが負ける」という論陣を張ったKamil Galeev氏のツイートを邦訳された、ツイート群です。

68以降の「神話」の話はより広範的な話として考えていた話で、より解像度が上がって勉強になりました。それ以前の戦力分析の部分も興味深く、重厚なツイート群でした。


虚構の歴史が現代に根付くメカニズム 偽文書研究『椿井文書』著者に聞く

虚構新聞が、エイプリルフールにだけ書く真面目な記事です。

私は(専門家でないので)活字の史料しか基本読まないし読めないのですが、それで抜け落ちる情報の具体例を見て無学さを思い知らされました。単純に偽史の話としても、面白い記事でした。


だまされないための簡単NFT知識

NFTについて、利用するうえでだまされないために必要な知識だけにしぼって解説したnoteです。

わかりやすいように情報をしぼりつつ、それだけでもわかる問題点を具体例として示すことで必要十分な印象を与えていて、上手いなと思いました。


『皇継の書状』カード画像まとめ 21~27

いつもの宣伝枠、最終回です。残りのカードは、製品版で見てくださいね。


来週からは試遊会も始まりますので、より忙しく、よりカスみたいなnoteになるかと思います。次のnoteが500文字とかのスッカスカだったとしても、お許しいただけますと幸いです。



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