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自粛やめたらお尻の穴が二個になった話③

前回までのあらすじ(今回も本文は無料で読めます)

・食中毒が原因で肛門に膿の塊(肛門周囲膿瘍)ができて死ぬほど痛かったよ。
・膿を出すため肛門にメスを入れたよ、その前の麻酔が今世紀最大級の激痛だったよ。
・結果肛門が二個になったよ。
・しかもまだ手術があるらしいよ。

詳しくは前回までの記事を見てください。

手術は続くよどこまでも

え?手術は今回終わりましたよね?まだ手術があるってどういうこと??

話を聞くと、なんでも今回の手術でできた第二の肛門や膿の通り道は自然には塞がらない可能性が実は非常に高いらしい(50%ぐらいで塞がらない)。

そしてその膿の通り道によって第二の肛門ができる病名を痔瘻と呼ぶらしいです。おぉ、聞いたことある病気だ。

だからそれを取り除く手術が必要なんだとか。つまりは

「二個になったお尻の穴を一個に戻す手術」

が必要らしい。どういうことだってばよ...

しかも今回の手術と違い、大掛かりなものになるので大体一週間の入院、それに伴って色々な検査や準備が必要とのことらしい。

たった一つのレバーでこんなことになるなんて、こんな最悪のバタフライエフェクトあるんだ。

かくして一週間後、お尻の穴が塞がることはなく、無事再手術が確定するのだった。呪われてんのか?

人生初の大腸カメラ

さて、手術に伴い色々な検査をすることになったわけですが、そのなかでちょっとワクワクしたのは大腸カメラでした。人生初の大腸カメラだったのでどんな感じなんだろうって具合です。

検査当日ですが、朝から2ℓの下剤を飲むことに。多すぎるだろ。

しかも当日は検査ギリギリまで用事があったので水筒に下剤を入れて持ち歩き、外で飲みながら移動することに。凌辱系のエロゲーみたいですね。

そんなこんなで胃と腸を空にして、いよいよ大腸カメラを受けるわけですが、検査中に痛みや違和感を感じないように「意識を混濁させる薬」を使うとのことでした。こんなエロ同人にしか出てこないような薬ほんとにあるんだ...

その薬を使うと、おぉ...確かに意識がボーっとしてきた...

だが私は国王陛下の剣...こんなことでは屈しないぞ...!!

さて、そんな大腸カメラですが、カメラの映像を患者に見せながら進めていくらしいです。サイコパス感強いな。

ただ、自分の大腸の様子をリアルタイムで見るなんてことないのでお医者さんに混濁した意識のままめちゃくちゃ質問を投げかけたり

「いまここで大脱糞をしたらカメラの映像にうんちが映るんだろうな」

とか考えたりしてました、馬鹿ですね。

幸い大腸の調子は良かったようで、無事手術ができることに、よかった...ここしばらくの不幸具合を考えるとなんか変な病気が見つかってもおかしくないですからね。

なお、後日受ける血液検査で肝臓に問題があることが発覚するのですが、それはまた別のお話。

手術の前に

無事(?)検査がすべて終わり、いよいよ手術当日に。正直前回の激痛を考えると不安で仕方ない...

そんな不安を抱えながら病院へ、そこで手術前最後の準備をします。

まず初めに、肛門周りの毛を看護師さんに剃られます。

「M向け風俗のそういうプレイ?」と思った方、私も最初そう思いました。でも手術の場所が場所なのでどうしても必要なことらしいです。

次に足が冷えないようにパチパチのニーハイを履かせられます、手術後に血液のめぐりが悪くならないようにだとか。

そして最後に下剤を使って大腸にある分の便を出し切ります。

ここまで書くと「看護師さんにパチパチのニーハイを履かされながらケツの毛を剃られ、最後に浣腸を入れられる」と言う完全なるM風俗の変態プレイのようですが必要なことなので仕方ありません。

いよいよ手術でお尻の穴が一つに

いよいよ手術のときがやってきました、怖い...

手術前に控室(?)のような場所に通されます。小さなテレビがありそこで手術の最終準備が終わるの待つことになりました。

完全に余談ですが、テレビで「どうぶつ奇想天外」が延々流されていたので、めちゃくちゃ檻の中に入れられた動物の気持ちに共感していました。

そして準備が終わったのか、いよいよ手術室に向かいます。この瞬間めっちゃ怖いんですよ。

手術室では若干傾斜のついた手術台の周りに先生や看護師さんがスタンバイしており、そしてBGMとして「いきものがかり」の「気まぐれロマンティック」オルゴールアレンジが流れていました。なんで???

さっきのどうぶつ奇想天外といいいきものがかりといいこの病院は患者を動物と思ってる節があるのか???

そんなことを考えながら手術台に乗ります、正直これのおかげで恐怖心がだいぶなくなりました。

さて、まず初めに麻酔をするわけですが、今回の麻酔は今までのモノとはだいぶ毛色が違いました。今回の麻酔は「腰椎麻酔」という、腰骨付近に注射し下半身の感覚を一切なくすものでした。

注射自体も前回の肛門に直刺しと違い、そこまで痛くはありません。ただ、痛みと言うより変な圧迫感とお腹あたりへの違和感がありました、不思議な感覚です。

注射後2、3分もすると麻酔が効いて来たのかほとんど下半身の感覚がなくなりました、ただ周囲の感覚や微妙な感覚は残っていたので振動などは伝わってきて感じることができます。これが手術中とにかく怖い!

肛門に電気メスを入れ、バチバチと言う音と共に肉を焼く臭いがするのですが、その時微妙な揺れや引っ張られている感覚を感じます。また、何本か注射のようなものも手術中に打ったのでその感覚も微妙に伝わってきます。しかもこれで痛みが全くないので余計違和感を感じます。

そんな違和感に耐えながら、気まぐれロマンティックを聞きつつ大体2、30分後、執刀医の「お疲れさまでした」の声と共に手術が終わります。意外と早かったっていうのが素直な観想ですね。

この後、下半身が動かないので移動式の手術台に乗せられ病室のベッドまで運ばれます。綾波レイの初登場シーンみたいな感じです。

そして今日一日は全く起き上がれないそうです、なんでも腰椎麻酔の副作用で起き上がると翌日に吐き気や頭痛と言った症状が出るらしいです。

なるほど、だからベッドの横に尿瓶が置いてあるんですね...人生初の尿瓶をまさか痔が原因で使う羽目になるとは...

食中毒になってから割と人生初の実績をドンドン解除している気がします。全部嫌な実績ばかりですが。

入院生活の始まり

さて手術後ですが、全く痛みはありませんでした。それもそのはず、まだ麻酔が効いてるので2、3時間は痛みが出ないとか。

確かに麻酔が効いて下半身の感覚が無い間は全く痛みがありませんでした、ただ段々と下半身の感覚が取り戻される度に痛みがジワジワ出てきます。 漫画の感情がないキャラがそれを取り戻すごとに今まで受けた心の痛みに涙するシーンみたいだ。

その日の夜は痛みとお腹の張り、そして尿瓶でのおしっこのしにくさに苦戦しなかなか眠れませんでした。ベットの上で寝ながらおしっこをしようとすると使うと脳が「ここはおしっこをする場所じゃないよ!」と警告してきて中々出せないんですよね、理性がある大人ゆえの苦悩だ。

翌朝、お腹の張りが限界でトイレに行きます。そこで傷口に張っていた包帯のようなものを見たのですが、血だらけでちっちゃい殺人現場みたいになってました。あとうんちは全く出ず、お腹の張りも解消されませんでした、これがかなりつらかった。

その後朝食の時間がやってきます。手術前日から食事制限があり、ほとんど何も食べていなかったのほぼ丸二日ぶりのご飯だ!傷は痛いけど楽しみ...!

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え?

名前を付けるなら「スカ」と言う表現がぴったりの朝食が出てきました。
まあしばらく何も食べてないし肛門に傷があるんだから固形物は食べられないですよね。それに久々のご飯すぎてこんなスカでも美味しく食べます。いや本当に美味しかったんですよこれ。

その後、朝食後に整腸剤を飲みます。これを飲んだからか、胃に物を入れたからかわかりませんが一気に便意が、シャバシャバの水便と大量のおならが出ます。

そしてこの排便から、お腹の張りや痛みが一気に激減します。うんちを我慢した状態って思ってるよりずっと肛門に力が入ってるものなんですね、肛門付近の手術をする方は痛くても我慢するよりトイレ行ってうんちした方がだいぶ楽になります。

あとトイレの後に傷跡に触ってみたんですが、傷感ヤバイ感触でした。たとえるならワンピースのゾロのお腹みたいな感じです。

その後、食べた粒マスタードが肛門から血だらけで出てきて直前に食べたイチゴジャムを思い出し最悪になった話や隣の病室から何故かBad Appleが流れてきた話など入院中のエピソードには事欠かないのですが、あまりにも膨大な量になりそうなので後日また別途にまとめたいと思います。

退院とその後

そんなわけで色々あった約一週間の入院生活を終えて無事退院に至りました。

この記事は退院後約3週間の時期に書いています。手術日から数えると大体4週間でほぼ一か月ですね。

そんな4週間もたった今ですら、私の肛門には傷がパックリ空いてますし、それをカバーするための包帯が手放せません。

手術前や手術後間もなくはメチャクチャ辛かったですし、今もかなり制限のある生活を送っています。

あと手術費、入院費もろもろ含めて通算2、30万近くかかってるので経済的にも辛いです。

そんなわけでみなさん


生焼けの肉は食べないようにしましょう!!(当たり前)

あと自粛もできるならしておこうね!!!

今病気になるとマジで面倒だし大変だよ!!!!!!


おわり



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退院出来てよかったね~~~

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