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自己紹介 −2021年版

この記事では自己紹介として自身の外観的事実を中心としつつも内面にも少し迫れるよう記述します。

人工知能 × 戦略

僕の一つの側面は人工知能の専門家です。ビジネスで本質的に意味がある人工知能技術の活用方法に関する知見を最大限高めながら世界に還元しています。

2021年4月に ダブルハーベストという本を尾原さんと共著で書きました。データ蓄積と持続的競争優位性の2つの概念をつなぐ戦略デザイン方法について書いた本です。

Cinnamon AIというAIを戦略活用する伴走者たるAIスタートアップを創業し、Nexus FrontierTechというイギリス拠点のマイクロサービス型AI開発プラットフォームのベンチャーの創業にも関わりました。人工知能研究は大学生の頃から一貫した研究テーマです。2004年(学部4年)からニューラルネットワークの研究に携わり、国際会議と論文誌で合計15本くらいは書きました。博士号を2008年に取得しています。

認知科学

博士課程で研究対象であったニューラルネットワークは古くは認知科学に端を発するものでした。それらは2020年まで、基本的に情報工学的の中で閉じている概念だと考えていましたが、Mindset 李英俊さんから授かった「認知科学に基づくコーチング」をきっかけに、認知科学が実際のコミュニケーションの多くに使えることに気づくことが出来ました。

現在はこれらをコーチングだけではなく組織課題や経営課題にまで発展させて体系化するような試みを行い随時、情報発信を行っています。

東南アジア

もう一つの側面が東南アジアです。シンガポール・マレーシアだけでなく、ベトナム・台湾をはじめとした東南アジア諸国にネットワークを広げています。台湾では国立台湾大学と提携してAI教育の企画を立ち上げ、ベトナムで参加者1500人規模のスタートアップイベントを開催するなど様々な活動を通します。またマレーシアではFounder Instituteという起業家教育プログラムのボランティアも行なっています。

スタートアップ投資家

2015年くらいから、主に東南アジアを中心に徐々にスタートアップへの投資もスタートしました。エンジェル投資を中心に合計30社以上の投資に主体的に関わっています。年間3−5件程度で、AI関連銘柄に多く出資しています。

イノベーターの味方でいたい

これら全ての活動に共通する思いがイノベーターの味方でいたいというものです。

イノベーションは変化を引き起こしますが、人間は変化を基本的に嫌います。だからこそイノベーターはなかなか理解されません。そのことによる孤独感・絶望感・焦燥感と戦い続ける必要があります。知識・精神面ともに彼らの真の味方であって、貴重な意志と才能を持つ彼らを守り抜く存在あろうと僕自身も全力で生きています。

コーチングや投資家としてのポジションだけではなく、自身の会社経営の際も、実のところ人(メンバー)に最大の興味があり、彼らの才能を見出し、勇気付けて、勘所をおさえ、視座を引き上げる一連のコミュニケーションを通して、イノベーター達の背中を押すことにほとんどの時間を割いています。

彼らを再現性を持って支え続けられるだけの知識と経験を持って、世界でより多くのイノベーションが起きる土台を作るのが僕のライフワークです。

能力の輪

ではなぜ、これほどにイノベーションに固執するのか。それは、それ以外の事を、あまり上手にできないからです。恐らく、多くのトップ人材は同じ心象風景を持っているはずです。それが能力の輪と呼ばれるものです。僕らはそれぞれ別々の能力の輪(他者を圧倒する強み)を持っており、その内側に留まることが成功に向けてとても大事だ、ということです。

僕の能力の輪は方程式の理解と発見です。

例えばF=maというのは運動方程式と呼ばれるものですが、物理の世界では、この式1つだけで物体の落下や衝突など色々なことを説明することができます。それだけでなく世界で起きることの予測が可能になります。

方程式の理解とは、F=maという式から具体的な世界の現象を理解・予測すること(演繹)を言い、方程式の発見とは様々な別々の現象から裏にある原理原則を見つけ出すこと(帰納)を言います。

この方程式の理解と発見の能力が恐らく殆どの人より圧倒的に高いと思います。方程式に基づくことで、経験がなくても確信を持った意見を言うことができ、ほとんど間違えません。例えば技術の作り方、アーキテクチャ論、誤差、事業の始め方、組織の在り方、ベンチャー投資の勝ちパターンなど、多くの現象の裏には方程式のような法則性が存在しており、人の行動の裏にある心理や行動原理も自動的に見えてくるのが僕の特殊能力です。

能力の輪の外側と絶望感

これは一瞬、無敵の能力にも見えるかもしれませんが、実は問題が数多くあります。

一つは、方程式が見えてくるまではポンコツです。なんとなく見様見真似で何かが成立するなんてことはほぼ無く、方程式が見えるまで圧倒的な劣等生になります。小学生の時に「1」を取ったり、中学でも保健体育13点とか歴史28点といった低すぎる点数を連発し、センター試験の国語も100点(200点中)くらいを彷徨いました。

方程式発見の抽象度が上がるにつれ「学習を成功させる方程式」やら「心理の方程式」など割とファンダメンタルな方程式が脳内で確立されつつあり、最近ではポンコツ感が減ってきました。

もう一つの問題点は、発見できたことへの興味がゼロになることです。やれば出来ること全体が「能力の輪」の外であり一切興味がわかないので、必要な実行がまともにできません。僕は起業家なのに実行が嫌いという割と絶望的な性格でして、「仮説検証」が楽しいので序盤は良いのですが、予測可能なグロースフェーズでは事業に対して興味がなくなります。大好きなプログラミングに関しても、実現できるのが分かっているコードを書くのは全部続きません。

つまり、見えないことが人より圧倒的に出来ず、見えたら見えたで興味を失って怠惰になってしまうという性質から、おそらく殆どの仕事において継続的に価値が出せないのが僕です。

そう考えると一般的な定義による「エンジニア」「コンサルタント」「起業家」など僕が過去憧れてきた職種に、ほぼ絶望的に向いていない。そういう枠に入った瞬間に無価値になるのが僕の能力の輪の呪いです。

全てはイノベーションの再現性ために

そんな僕が唯一価値を出し続けられる場所が、無限に方程式が生まれ続けるエリアである「イノベーション」と、複雑すぎていくらでも方程式の生まれる余地のある「人間の心」の二軸の交差点に存在していました。この2つだけは、その領域内で再現性を持って興味を持ち続けることができます。

組織づくり・技術ビジョンづくり・スタートアップ投資・コーチング・メンタリングなどを通して新しい真実を見つけることに全精力を集中することで、全てが「イノベーション」に繋がっていくというような生き様にたどり着きました。

イノベーションという概念に含まれる革新性は、今までなかった考え方を意味します。それと根本から矛盾する概念が再現性です。再現できる事柄になった瞬間に革新性を失うからです。再現性がないからこそイノベーションは貴重であり、世界中の企業が求め、結果的に大きな経済価値にもつながります。その中で飽くなき方程式への無限の好奇心を以って、世界に価値を還元していくというのが僕の使命です。

一旦2030年までは人工知能領域に振り切り、ここで起きるであろうイノベーションを同時多発的に再現するには技術的なプロトコルだけでなく組織・エコシステム(コミュニティ)・個人の意思の在り方と様々な仕掛けが必要と考えて以下のビジョンに至りました。

イノベーションの再現性の追求は、僕が楽しめる究極の知的冒険の一つだと考えており、その旅路で発見できるであろう様々な普遍原理を社会に還元することで、人類を進化させられると信じています。


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