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Open day 旧カトリック教会の壁画を見に行ってきた

病院でも患者さんのデーターベースには信仰している宗教を記入する欄があり、スコットランド国民の50%以上はChurch of Scotland (プロテスタント)というものの、ちゃんと食事前にお祈りをアーメンと囁き、日曜日に教会に行く人というのはほぼ絶滅状態と言われています。もともと、どんな小さなコミュニティにも教会=Kirkがあったのに、今や投げ売りされており

教会は普通に不動産として売られている


同僚Aさん(ポーランド人、カトリック)
故郷ポーランドから両親がエディンバラに遊びにきたけど、
なんで教会にOn Saleの立て札が立っているのか、信じられないと唖然としていたわ (*イギリスと違い、カトリック(91.9%)の信仰深い人が多い)

同僚Aくん(エジプト人、イスラム教)
Glasgowで仕事後ご飯を食べに行こうと思って街に出たら、ホテルの人に勧められたレストラン・バーが教会の改造されたものだったのには驚いた。
みんな酔ってた。まじか、元々は神聖な教会だったんだぜ . . .。
(*イスラム教もみなさんご存知の通り、宗教は生活のほぼ全て、そしてお酒は飲まない)


と、イギリスありえ〜ん会話にどんどん発展することがあります。

1年に1回、Open dayというものがあるということをいつか書いたか書かなかったか忘れましたが、いつもは入場料がいる美術館や、普段は部外者が入れない場所・施設・学校などの「一般公開日」があります。近くにあってもなかなか行かなかったマンスフィールド トラクエア センター(元カトリック教会)がOpen Dayだったので行ってきました。(マンスフィールド=場所の名前、トラクエア=壁画を書いたアーティストの名前)。

マンスフィールド トラクエア センター(元カトリック教会)
建物は、ロバート ロワンド アンダーソン卿によって設計され、1885 年に完成

ここの壁画(=The murals)は8年かけて完成された(1893 ~ 1901、ヴィクトリア朝)結構界隈では有名なものらしい。

ヴィクトリア朝絵画の特徴
①神話・宗教・物語画等のモチーフが好まれる
②写実的で感傷的な画風
③レイトンやアルマ=タデマは当時絶大な人気だったが、20世紀に入ると急速に評価が落ちた*

ヴィクトリア朝絵画の特徴
*Posh気取りのアート評論家はヴィクトリア朝時代の絵画をけなす傾向にあるそうですが、
良いものは良いと言える心眼を持ちたいものです

ここの壁画を描いた女性アーティスト、Phoebe Traquair は、昼間の光が明るいときだけ、パートタイムで装飾作業をしたのだそうです。さて、建物に入りましょう。


入場時に正面を向いている大内陣のアーチには黙示録的なイメージ (右の写真は奥の天井)
虹色部分を拡大してみる。なんか虹ってワクワクするよね。
背後の西側の壁にはキリストの再臨が描かれています

イタリア・フランス旅行中に古いフレスコFlesco画を教会の壁に見たことはありました(いつもほぼ色褪せて禿げかかっている)が、ヴィクトリア朝時代の教会の壁画というのは初めてでした。圧巻です。



人間や天使、動物や鳥、模様など、あらゆる種類あらゆる面が覆われています。彼女は旧約聖書、新約聖書、霊の旅(十処女の寓話)の場面などを描いたそうです。写真の乙女たちはこの10人の処女でしょうか(と言ってもこの寓話は知りませんでしたが!)。遠くから見るとぼんやりと虹色に、近くで見るととても繊細な色調です。

全部、この女性アーティストPhoebe Traquair、一人だけによるもの、というのだから驚きます。彼女は教会の広い空間を大まかに計画はしたものの、細部はフリーハンドで作業したのだそうです。 彼女はルネサンスイタリアの芸術に影響された画風ということで、確かにボッティチェリのヴィーナスのカラーパレットを思い出さないこともない。 また彼女のこの壁画の特徴の 1 つは、後光、ハープ、トランペット、装飾的な境界線に金メッキの漆喰を使用していることだそうです。


アーティスト紹介

フィービー・トラクエア Phoebe Traquair
1852 ~ 1936 年

フィービーはダブリンの医家に生まれ、ロイヤル・ダブリン協会で芸術を学びました。 彼女は1874 年に夫のラムゼイとともにエディンバラに移住し、3 人の子供がいました。 当初、彼女のアートは水彩画と刺繍、その後、彼女は写本に照明を当てたり、本の表紙を製作したり、1900 年以降はエナメル加工を始めました。

パブリック アートデビューは小児病院の小さな礼拝堂の装飾でした。 そしてセント・メアリーズ大聖堂歌学校が2回目の仕事で、彼女の名は知られるようになりました。批評家たちは彼女のモダンな色彩と並外れた想像力について評価しています。 1904 年、フィービー トラクエアの最高級の刺繍作品「魂の進歩」(現在はスコットランド国立美術館に所蔵)がセントルイスの万国博覧会で展示されました。彼女はエディンバラで 84 歳で亡くなりました。

フィービー・トラクエアは、事前にすべての詳細を検討するのではなく、場所とその瞬間に直感的に筆をすすめたようです。 彼女の作品のスケッチデザインはほとんど存在せず、 1897 年頃の写真には、彼女が北壁に直接チョークで構図の輪郭を描いている様子が写っています。

「彼女は壁に直接取り組んだ。アイデアが心で形作られると、それからすぐに壁に転写した」そうです、作業はとても迅速だったそうです。

フィービー・トラクエアの色と質感の使用は、鮮やかな「音楽的」印象を人々に与えます。 彼女の油絵の具はテレビン油で希釈されており、乾いた白く塗られた石膏の表面に塗布すると、紙に描かれた水彩と同じような半透明の色が得られました。 最終的なコーティングは手作業で磨き上げられ、絹のように柔らかい光沢を与え、塗料を気候から保護する役目を果たしています。 石膏も塗布される場合は、追加の質感と活力を与えるために粗い糸が含まれる場合もありました。

内容はこちらのWebより訳しました、主にgoogle先生がね。

いつもありがとうございます。このnoteまだまだ続けていきますので、どうぞよろしくお願いします。