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大げさに言ってるように聞こえるかもしれないけど、世界いち美味しい。 とかち十割お蕎麦屋:一秀

やったこともないもので例えるのは恐縮ですが、合気道という武道は、基本の形を繰り返し々々稽古しながら上達していくそうです。「形」「型」「技」とか呼ばれるものです。多分稽古すればするほどその所作は体の隅々細胞が覚える究極まで到達して、みるものには初心者(力が入ってる、硬い、堅い、エレガントでない)と上級者(力が抜けている、合理的、エレガント)の違いが一目でわかるレベルに達するのだと思われます。

そのような「所作」の様子から、ここのお蕎麦は美味しいなとまず誰もが一目でわかる蕎麦打ちの名人、一秀さんです。ご許可を得て、私たちがそばを食べている傍でガラスの向こうでそばをトントンと打っていた一秀さんの様子をご紹介しましょう。

まず頭に巻いてある手拭い・腰巻エプロンからして見た目がかっこいい
十割そばなのにこの薄さ、この均一さ、この滑らかさ
所作が美しい

まずはお品書き。

数は多くありませんが、全部食べたい素敵なメニュー。
でもチョイスしたのはいつも同じ、おまかせ冷かけ。やっぱりお蕎麦は冷たいのが好きなのです。
待っている間に待っている間にどうぞとサービスお蕎麦煎餅
この地味な色合いや、お塩だけのシンプルなお味が◎
おまかせ冷かけ(上から)、いわゆるぶっかけです。
斜めから

いつか親しい友人が「母の手作り」と言ってくれた10割そばをいただいたことがありましたが、美味しいけれど、茹でると切れてしまうのと、お母さんの手作りらしく、ちょっと太いのが微笑ましい感じでした(味は美味しい)。

それに比較すると、一秀さんのお蕎麦は、コシがあり、ツルツルとしていながら微妙につゆと絡み合うマイクロザラザラ(なんという比喩)、口の中では噛みごたえがありながらも、喉越しが良い。濃くて、香りが良くて、上品で、締まってる。

私の表現では通じないかもしれないので、ネットで発見したこの方の表現をそのまま引用させていただきます。

麺は、濃いねずみ色をしており、コシ、艶ともしっかりあって、密の濃い蕎麦であることが見てわかります。十割ですが、細く長く、そして角のはっきり出たそばです。

水がしっかりと切られており、そばの艶がわかります。量もたっぷりです。運ばれてきただけで、ふんわりとそばの香りがします。

一口すするだけで、そば粉の風味が感じられ、硬さに密の濃さを実感します。噛むとそば粉の甘みがあります。そば粉特有のザラザラ感があります。

十割蕎麦を出しているお店は他にもありますが、ここまで密の濃い、硬さも含めて十割を味わえる蕎麦はなかなか出会えません。水切りも完璧で、食べ始めから食べ終わりまで同じ食感を楽しむことができました。

汁はかけ汁、つけ汁ともほのかな魚出汁の香りと甘みがあり、蕎麦全体に絡めても、そばの風味を楽しめる汁になっています。

https://nihon-soba.jp/tabearuki/hokkaido/2018/07/24/3113/

ちょうど今の季節北海道でどこにでもニョキニョキと出てくる山菜(こごみやフキノトウなど)を季節の香りいっぱいにお料理されていて、お蕎麦とマッチするほのかな苦味と甘味もこれがまた美味しいのです。

いつもなら出てくるそば団子は今日はなかったのが残念でしたが、土日しか開店していない(そのほかの日は釣りをしているとおっしゃっておりました)のと、GW中で混んでいたので、仕方ない。また来週スコットランドに帰る前に行こうかなと思っています。大好きな「いくら」も夢の中で妄想食べをしますが、一秀さんのお蕎麦も亡霊のように脳みそに張り付いていて忘れられないのです。どこのお蕎麦屋さんに入っても、自宅でそばを茹でても、一秀さんのお蕎麦が食べたい病を発症してしまう重症です。

そばや 一秀
01558-6-3314
北海道広尾郡大樹町鏡町1-26
土日のみ 11:30-14:30

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