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森山満穂 mitiho moriyama
2016年12月18日 17:50
そこは歩いても歩いても緑色の世界だった。大夢(ひろむ)は立ち止まった。ここまで来れば余計な音も聞こえてこないだろう。ケースを置き、中にあるバイオリンを取り出した。大夢はゆっくりとバイオリンを構えて奏で始めた。 ドは赤。レは黄色。音に色がつけられていく。色はつながり混ざって夕やけを描いていく。しかし、混ざった音はだんだんと黒くなり始めた。大夢は色を取り戻そうと弓をゆっくり動かすが、黒はどんどん