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樹木から学ぶ生き方(3)苦難を耐えエネルギーを蓄えOutPutする

樹木の枝葉などの一部を切り取り、土などに挿し木すると発根する。
植物の細胞は全能性があると言われ、再分化(根などの器官を再生すること)を果たし一つの個体へと復元する。
この能力を用いると、生物体のコピー(クローン)を作ることができる。
ユーカリなどの林業では、エリートツリーが開発され、クローンを増殖し、生産性を上げている。

ところが、葉からは水分が蒸散によって奪われる。根はないので水分を吸い上げて供給することができない。道管と呼ばれる管の毛細管現象を使って物理的に水を吸い上げるしか補給路はない。
そのため、葉をたくさんつけていると水を維持できない。
そこで、葉を3分の1程度にカットする。
そうすれば、今度は光合成できない。
光合成できないと、呼吸に使える糖が枯渇してエネルギーを産み出すことはできない。
エネルギーが尽きると死んでしまうのである。

どうやら挿し木の発根性は、切り取られずに残された葉の光合成能力と、軸に残っていたわずかな貯蔵デンプンの量で決まるようである。1か月程度葉を落とさずに耐え忍んだ挿し木は、切り口にカルスと呼ばれる不定形の柔細胞の塊を作り、やがて根を出すのである。

この自然現象は、私たちに人生や社会において重要な教訓を教えてくれる。私たちの人生においても、苦難やストレスの時期が訪れることは避けられない。しかし、樹木の挿し木のように、この期間を耐え忍び、エネルギーを蓄えることができれば、その後、蓄えたエネルギーをOutputするチャンスがやってくる。

苦難の時期は、成長と変容のチャンスでもある。樹木は新しい根を育て、新たな成長を可能にするために、個体へと再生する。同様に、私たちも苦難の時期を通じて学び、成長し、新しい可能性を開拓することができる。

挿し木の発根は、希望と変革の象徴だ。私たちは困難な状況でエネルギーを蓄え、それを将来の成功に向けて利用することができる。樹木の挿し木発根から貴重な教訓を学び、私たち自身の人生の挑戦に適用することで、困難を乗り越え、新しい成長と繁栄の機会をつかむことができるだろう。

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