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雲は森から産まれる

カーボンサイクル物語(3)

「えっ、凄っ!」思わずその光景に目を奪われた。

まさか?こんなことがあったとは、思ってもみなかった。飛騨高山に来て日常お目にかかる光景である。雲が森から産まれているのだ。

雨上がりの朝、突然陽が差す。森の木々は一斉に動き出す。光合成、炭素循環の始まりだ。

植物の葉は太陽光を浴びると、葉の表面にある窓(気孔)を開けて、二酸化炭素を葉内に取り込もうとする。それと裏腹に窓から大気に向けて水蒸気が出ていく。蒸散である。

飛騨高山の朝は寒い。上空には冷たい空気が垂れ込め、森から放出された水蒸気は、容易に冷やされて結露する。温度に依存して空気中に蓄えられる水蒸気量が少なくなり、飽和するためである。これが雲が森から産まれる仕組みである。雲は海から産まれるだけではなかったのだ。

こうして、大気中に増え続ける地球温暖化ガス二酸化炭素は、光合成によって森林に固定されるのである。それらは土や木材となって地球上を循環し始める旅に出るのだ。

木を育てよう。森を増やそう。そうすれば地球温暖化は食い止めることができる。

(明日からは、ユーカリの海外植林)

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