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クレヨンしんちゃん雨穴さん回感想


・雨穴さんのこのツイート。どえりゃあたまげた。え!?!?出るの!?!?クレしんに!?!?どゆこと????ホラー回で脚本ってだけじゃなく声優としても出演するの!?!?どゆこと????即録画予約をキメて、当日はリアタイした。みなさんは観ましたか?どう???


・クレヨンしんちゃんはド世代なので、しんちゃんと一緒に育ったようなものだ。台所で大根を見つけるたびに、しんちゃんの真似をして「大根さんかわいそう」の歌を母親の足元で歌っていた記憶がある。なにやってんだ?女の子なのでさすがにケツだけ星人はやってなかったと思うけど、たぶん他にもいろいろしんちゃんの真似っこをしてたんだろうな。クレしん視聴を禁止するどころか漫画も買い与えてくれた親に感謝。


・そんなクレヨンしんちゃんだけど、夏にやるホラー回が昔から好きだった。子ども向けアニメでやるクオリティじゃなくない???ってくらい妙にリアリティのある怖さが、幼心にもわかってたのかもしれない。あのうっすらとした恐怖が続く感じ。え?結局これって…?ってなるようなスッキリしない終わり方だったり、解釈の幅を持たせるような終わり方をする話が多くて好きだった。

・その中でもいまだに(断片的だけど)覚えてるくらいに怖くて好きな話がいくつかあるのだけど、せっかくなので本題(雨穴回)に入る前に羅列しちゃお!タイトルは調べました、ありがとうインターネット。調べりゃ何でも出てくる。便利やね。


  • 呪いのフランス人形だゾ

  • 恐怖の幼稚園だゾ

  • 怖くて眠れないゾ

  • キャンプで肝試しだゾ

  • 知らない誰かがいるゾ

  • 伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ!


・年代とかは順不同。フランス人形と幼稚園のやつと知らない誰かのやつが特に怖かったな…。今観たらそうでもないかもだけど、当時のだから!当時感じた怖さ準拠で挙げてるから!アミーゴは映画だけど、風間くんのママのシーンが怖かったので挙げました。機会があったらまた観たい。


・だいぶ脱線しちゃったけどここらで戻るか、本題に。


・雨穴さん脚本回「変な家族だゾ」。以降、「作中の雨穴さん」のことを「雨穴」と敬称略で表記します、ご容赦ください。ネタバレも含みます。



・怖い番組を見ているしんのすけにみさえがお風呂掃除を頼み、しんのすけが渋々風呂場に向かう…その後方に子どものような足元が映る。すごい。もうジャパニーズホラーだ。風呂場のドアを開けると浴槽の中で体操座りをしている「雨穴」の姿が。シュールすぎる。こんなすぐ出てくるんだ。

・普通、ドアを開けて浴槽の中に白い仮面をつけた黒づくめの謎の人物がいたら絶叫すると思う。なんなら腰抜かしてしょんべん漏らすまである。ただでさえさっきまでホラー番組を観ていたのだから。しかし、しんのすけはちがう。お客さんだと思ってごゆっくり~なんて言いながら部屋に戻るんだもの。胆力ありすぎるこの5歳児。


・もちろんみさえには信じてもらえず風呂場に戻ることになるのだけど、またしても謎の子どもの姿が通りかかるがやはりしんのすけは気づかない。最初にいた子どもとまたちがう姿(格好)なのって何か意味があるのか…?なんて思ってたら、予告で見たお風呂掃除「雨穴」。名乗ってもないのに何故かしんのすけの名前を知ってるし、その場にいなかったのにしんのすけがみさえに怒られたことも知っている「雨穴」。雨穴何者!?

・カオダシのくだり、ジブリ大好きだからにっこりしちゃった。いいんだ、放送局ちがうのに。それはそうと「源泉掛け流しの湯」なんて語彙のある5歳児凄すぎる。ホラー回でこういうギャグパートあるとほっこりして大変良い。それはそうと「雨穴」が一向に名乗らないことに違和感を覚える。


・急に不穏になるじゃん。クレしんホラー回の、この画面上部が黒くなって彩度が落ちる演出好き。「雨穴」が手から放つ謎の光線を浴びた瞬間からみさえの様子がおかしくなり、「雨穴」のことをずっと前からいた家族だと言う。


・「しんちゃん……わたしたち、《家族》ですよね……?」


・ひまわりもシロも、帰ってきたひろしも洗脳されてしまい「雨穴」のことを家族だと宣う始末。自分しか異変に気づいてない状況って怖いよな。言っても信じてもらえないし。「雨穴」のことを家族じゃないと断言し、ひろしとみさえに怒られるも「じゃああの人の名前は!?」と論破するしんのすけ。なんて冷静な5歳児なんだ…。


・2階にかけ上がるしんのすけ。階段の下にはまたもや謎の子どもの霊体が…。自分が正しいことを確認するようにアルバムを漁るしんのすけ。その背後にいつの間にかいる「雨穴」。みさえたちは洗脳したけど、しんのすけとは心から家族になりたいから洗脳しなかった「雨穴」。洗脳に打ち勝つしんのすけ。やっぱり只者じゃないぜこの5歳児はよ。

・なぜこんなことをするのか、悪いことをするためなんだというしんのすけに狼狽し否定する「雨穴」。なぜ洗脳してまで家族になりたがったのか。それは「さみしかったから」。


・ママが働いていて、一人で留守番をする男の子の寂しさ。弟が生まれて「お姉ちゃんなんだから」と我慢を強いられる女の子の寂しさ。「好きでお姉ちゃんになったわけじゃないよ…」と泣く女の子にギュッ…てなっちゃったな、心が。そうだよなあ…。

・留守番中に窓の外から聞こえてきたしんのすけとみさえのやり取りや、公園を歩いているときに見えた野原家の団らん。寂しさをかかえた子どもたちは、「野原家の日常」に元気をもらった。それはクレヨンしんちゃんを観ていたあの日の自分たち(視聴者)も…。そう、「雨穴」とはそういう子どもたちの思念の集合体だったのだ。だから、たびたび映る子どもの影が全部違ったり「雨穴」が名乗らなかったんだな。なんて気持ちのいい伏線回収。


・だから家族になりたかった、と話す「雨穴」に(家族にはなれないけど)また遊びに来てもいいよと言うしんのすけ。それに対する「雨穴」の返答は意外なものだった。

・「ありがとう、でもそれは無理なんです。だって…」


・戻る日常。幼稚園バスのお見送りを済ませるみさえ。しんのすけだけがその姿を覚えている「雨穴」。いつもと様子がちがうしんのすけに「おまえなんか変だぞ」という風間くん。おどけるしんのすけ。バスが通りすぎた道を通りかかる、あの留守番していた男の子に似たサラリーマン。場面が切り替わり、同じようにバスとすれ違う赤ちゃんを抱っこした女の人。誰かと電話しながら歩くその女の人もまたあの我慢を強いられたお姉ちゃんになった女の子に似ている。たまたま似ているだけ、そういう幅を持たせてるんだな…と思いかけた瞬間。女の人が電話を切り際に言った言葉。


・「じゃあね、ヒロくん」


・女の子の弟の名前じゃん。…え???確定じゃん。似てる、じゃなくて「そう」ってことじゃん。え?????


・「野原家」に元気をもらったあの子たちは大人になっているのに、一生変わらない(年をとらない)野原家。せっかくしんのすけが誘ってくれたけど、もう「雨穴」が野原家に遊びに行くことはできない。「雨穴」は大人になって消えてしまったから。「変な家族」とは突然野原家に現れた「雨穴(思念の集合体)」のことではなく、一生年をとらない野原家のことを指していたの……?


・あくまで個人の解釈なので、そういう捉え方もあるんだなあくらいに思ってください。笑いあり、ホラーあり、でもどこかノスタルジックで素敵な回だと思った。録画残してるから今後観たくなったらいつでも観れるのが嬉しいね。

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