物書きを目指すHSP&INFJは口下手でOK「誰にも言えないことは、むしろ誰にも言わないことで価値が生まれる」
ライターになる前に、ライター育成講座で文章を習っていた。
このときの恩師がおっしゃっていた言葉を、今でも鮮明に覚えている。
「文章を書く人は、饒舌になりすぎない方がいい。なぜなら書きたいことを言葉で発してしまった時点で、書きたい気持ちが薄れてしまう」
「しゃべっただけで脳が『書いた』と錯覚してしまう。これは物書きにとって、とても危険なことだ」
最近ようやく、この言葉の意味が掴めるようになってきた。
僕の場合、書く原動力は悲しみであることが多い。
全て満たされた幸福な状態になると、何も書かないかもしれない。
人から言われて言い返せなかったこと、雑に扱われて悔しかったこと、ずるい人間にまんまと利用されたことなどは全て文章を書く要因になっている。
相手にそのつもりがなかっても、踏みにじられたときの心の痛みは今も鮮明に覚えている。悔しさを内側で発酵させて「今に見てろ」と、日々自分を発奮させている。
悲しみを抱えるのは苦しいが、それがあるから書けるとも言える。
誰にも言えないことが、あなたにもあるかもしれない。
もしあなたが文章を書きたいと思っているのなら、それは心の内にそっとしまっておいた方がいい。
誰かに言うことですっきりすることもあるが、誰にも言わない方がいいこともある。
誰にも言えないから書く。
長年、その人の中で醸成された感情が文章になると、技術を飛び越えた魅力を放つ。
こういった文ほど、生々しさがあり人を惹きつける。
AIが瞬時に作り出す滑らかな文章は、読みやすいけど魅力がない。なぜなら、そこに葛藤が含まれていないからだ。
もしあなたが将来何かを書きたいと考えている人なら、人に話さずあなたの中にとどめておいてほしい。
ずっと消え去らない傷や感情は、やがてあなたを支える強い武器になるだろう。
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