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森岡毅「変数と定数」HSPは定数を変えると心が壊れる!?

2023年の6月に投稿した記事で、
「ライターとして活動する前にふたつのライター養成講座に通っていた」と記した。

勝利至上主義の精神的マッチョな闘争心丸出しの自己愛型の先生と、一流の実績を持ちながら誰にでも平等で受講者の長所を見出す柔軟な思考と多角的な視野を持つ先生という、まるで異なる講師の幅を経験できたことは、現在、大きく役立っている。

自己愛型の先生がやっておられた講座からは、ほとんどデビュー者が出ず、次々と人が潰れていった。

一方の柔軟な先生のもとからは、どんどん活躍する人材が羽ばたいていった。

自分も講師の立場を経験するようになったことで、今でもこのふたつの講座は何が違っていたのかをよく考える。

日本最高峰のマーケターと呼び声が高い森岡毅さんが、林修先生との『初耳学』の対談で「定数と変数」に関する話をしておられた。

定数と変数は数学の用語だが、数学に暗い僕でも、理解しやすい話だったので、少し長くなるが引用させていただこう。

数学で学んだ公式や知識を日常生活に応用する場面は極めて少ない。それでも森岡さんは、数学を学ぶことには大きな意義があるという。「数学を勉強する意味は一つで、問題にたどり着くために、論理的に頭を使う練習をしているんです。“数学”と言いながら、問題解決能力なんです、あれは」と主張。そして、「点数がどれだけ高かろうが低かろうがいいんです。取り組んで、頭を鍛えておくことが役に立つんです」と訴えた。

森岡さんの話に引き込まれた林先生が「数学をきちんとやってこなかった人って、よく“定数”を動かそうとするんですよ。それは動かない、“変数”は努力とかで変わるけど、定数は与えられたものとしてやるしかないっていう話を時々するんです」と話すと、森岡さんは「林先生、そこなんですよ!」と興奮。

「多くの人は、自分の力ではどうしようもないこと、“定数”を“変数”にしようと人生の時間とエネルギーを浪費してしまうんです。それで疲れちゃって、自分のコントロールできるところに時間の集中がいかない。ここの見極めを数学で練習しているんです」と指摘し、「どこに自分の時間と労力を集中すべきなのか。これを論理的にひもといていくのが、数学的アプローチなんです」としみじみ語った。

現代最強マーケター森岡毅「勝つためにそれしかなかった」驚きのUSJ“V字回復”戦略を語る<初耳学>

定数は変えようがない数値で、変数は努力など積み重ねによって変えることが可能な数値。

例えば対面営業が苦手な人を無理やり「営業は必要だから、石にかじりついてでもやれ!」と、鼓舞したとしてとて、上手くはいかないだろう。

その人に営業の適性が潜在していたならいざ知らず、そうでないならその強制は拷問でしかない。

僕ならそんな会社や上司のもとは、とっとと逃げ出す。

対面営業が苦手でも集客する必要があるのなら、ネットでSEOの知識を身につけてアプローチするというやり方もあるだろう。

前述した自己愛型の先生が、人を潰し続けた理由として「定数の部分を無理やり変えようとした」というのが挙げられる。

強引に「つべこべぬかさず俺の言うことを聞け!」「お前らは俺の駒に過ぎないんだ」と言われた人は、軒並み病んでいき講座を離れた。

恐らく今でも自己愛型の先生のことを快く思っていない人は、大勢いるはずだ。

それくらい自己愛と自負心が強く、自分の正しさにこだわり人に押しつける人物だった。

もう一方の生徒から愛された柔軟な先生は、定数の部分には触れず変数の部分にのみ言及

「あなたの特性はここで、長所はここなので、こういったやり方も選択肢のひとつとしてありますよ」と、ふんわり提示されていた。

言われた側の受講者は、「そういう方法があったんですね。自分では気づけない角度だったので、やってみます!」と目を輝かせ行動に移す。

ふたりの先生は、北風と太陽くらい違っていた。

受講者に関心を持って相手がよく見えている人と、相手が見えておらず自分の正解のみを押しつける人との違いは、輩出した人材の数という形で結果に反映された。

人は誰でも凹凸があり、得手不得手を持つ

どうあがいても、抗っても上手くできない面を持つのが人間だ。

そこを他者が変えようとすると、軋轢が起こる。

ふたつの講座を受講して、肌で感じていたことを森岡さんは「定数と変数」というわかりやすい言葉で言語化してくださった。

この考えは、自分が人とコミュニケーションをする上で、ずっと役立っている。

相手の定数部分を、主観的な理想や正解の押しつけ強引に変えようとするのは、恐らく愚の骨頂なのだ。

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