引きこもりからの脱出!肉屋でバイトし「ハンバーグ作りの名人」になった話
先日、スーパーで買い物をしている際のことだ。精肉コーナーに並べられた生ハンバーグのパックを見て、あることを思い出したので今回はそれについて。
過去の投稿でも書いているが、20代前半から中盤まで僕は完全に親のすねをかじって生きていた。
たまにバイトをして、しばらくは労働をまったくせず、実家でぬくぬくと漫画や本を読んだり、映画を鑑賞する日々を送っていたのだ。
社会に出るのが怖くて、逃げていたのだろう。
回避的な暮らしを続けた結果、不安が募り「100万円貯金して、ひとり暮らしをしよう」と決意。
そして、ある肉屋でバイトをすることに。
肉屋と魚屋でのバイトを経て言えることがある。それは職人の世界の厳しさだ。
もちろん僕はバイトだったので、そこまでビシビシしごかれることはなかったものの、それまでにバイトしたコンビニや書店と比べて飛び交う声の内容、空気感など全てが異なっていた。
気が荒い頑固な職人さんが集っている職場だった。
肉屋でバイトを始めた頃は、怒られまくって「別のバイトに変えようかな」と日々悶々としていたのを覚えている。
僕は幼少期から緘黙的な特徴を持っており、たくさんの人がわいわい活動している場にいると地蔵のようになって全くしゃべれなくなるのだ。
これは周囲に対する警戒心が関係しており、すぐ怒ったり怒鳴る人がいるだけで「極力話さないでおこう」と、しゃべらないモードになる。
バイト先の肉屋は荒くれ職人が多かったこともあり、僕は必要なこと以外ほとんどしゃべらなかった。正確に述べるならしゃべらないではなく、しゃべれなかった。
職人という言葉が出てきているが、僕も凝り性の職人タイプだ。
大した働きはできなかったが、ひとつだけ褒められたことがある。
それが生ハンバーグ作りだった。
残ったミンチを使い、手ごねハンバーグを作って油でピカピカに光沢を出してパックに詰めて売り場に出す。
嬉しいことに、僕が作ったハンバーグはよく売れた。
時間をかけて一個一個、心をこめて丁寧に作った。
気難しい職人のおっちゃんも「お前、ハンバーグ作りだけは上手いな」と褒めてくれたので、自信につながった。
思えばこの頃から、自分の世界の中で何かを創作して誰かに届けるというのが好きだった感じがある。
創作する中身は変わったが、自分で考え試行錯誤をして仕上げ、それを誰かに届けるというのはこのnoteの投稿やkindle書籍も同じだろう。
不器用な人でも、何かのきっかけで自分の強みを知れる機会が訪れる。
大事なのは「とりあえず挑戦してみよう」という姿勢と、繰り返し挑戦する習慣だろう。
どんなことで動き出せば何かが起こるし、必ず発見があることを肉屋のバイトを通して実感できた。