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HSPのおすすめ本!加藤諦三さんの「メンヘラの構造」

この世に生まれた時から、僕は繊細さんでした。

そのためか10代、20代と神経症に苦しめられていたこともあり、加藤諦三さんの本に度々助けられました。

加藤さんは、何十年も続いている人気ラジオ番組『テレフォン人生相談』をされていて、数多くの悩みに答えてこられた方です。

これまでに、人が起こすトラブルや犯罪の根源にあるのは、自己愛(加藤さんは「ナルシシズム」と表現されています)であると看破されており、僕もそれを知り「なるほど!」と大いに納得したことがありました。

今、読んでいるの加藤諦三さんの本が『メンヘラの精神構造』(PHP本書)というもの。

メンヘラという言葉自体があまり好きではないので、加藤さんぽくないタイトルだと思いましたが(編集者の考案した題名かもしれないですね)、中身はとても面白く興味深いです。

ナルシストという言葉の由来である、ギリシャ神話のナルキッソスにまで話は及ぶなど、興味を惹く記述が満載。

ナルキッソスが水面に映る自分の姿に見とれるあまり、水中へと落下し溺れてしまい絶命したというエピソードは有名だと思います。

加藤さんは本書の中で、

 有名なギリシャ神話に出てくるナルシスは自分を愛していたのではない。それはナルシスが水に映っている自分をうっとり見つめているということである。そこで自己陶酔と訳したが、「現実の自分」にうっとりして見とれているというのではない。 
 これも自己陶酔と訳したのが誤解のもとである。疑似陶酔である。あるいは偽自己陶酔である。

『メンヘラの構造』加藤諦三


と書かれています。

自己愛という言葉自体も、令和の現代の価値観では「自己中心的で他者のことに関心を払えない面倒な人」といったネガティブな意味を持つようなりました。しかしそもそもの話ですが、自己愛は誰にでもあるもので、健全なものと不健全なものがあるのです。

現代でよく用いられている自己愛は、「(不健全な)自己愛」という()が、手前に入るのでしょう。

言葉の定義から掘っていくなど、「さすが!」と言いたくなるような加藤諦三節が顕在な一冊でした。

学びがたくさんあるこちらの著作、かなりおすすめですよ。


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