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無視されるより顰蹙を選ぶ心理「爆音で注目を集める人達」

思春期の頃からザ・ブルーハーツが好きでよく聞いていました。

大人になってからも聞き直しています。

ちなみに「日本人は加藤諦三と演歌とブルーハーツが三度の飯より好き」というのが、僕の持論です(笑)

こちら👆の「裸の王様」という曲で、「見えなくなるよりは笑われていたい」といった歌詞があります(※動画の40秒あたりで歌詞が確認できます)。

人がストロークを求める心理を、わかりやすい歌詞で言い表したマーシー(真島昌利さん)はさすがですね。

以前、投稿した記事の中で、

条件つきのストローク、無条件のストロークについて記しました。

人はストロークなしでは生きられない生き物。

無視されるのが最もつらいので、無視されるよりはネガティブなストロークを選ぶ人もいます。

無視されて傷つくよりも、ネガティブなストロークで傷つく方を選んでしまうというのもまた人間なんです。

マシンをガシャガシャするマシン・ガシャ男とは?

さて先日、こんなことがありました。

ジムへ行っていると、あるマシンを使って鍛えていた男性が大声で「あああ~~!!!」と叫んだのです。

みんな筋トレを一旦やめて「何事か!?」と、その男性の方を見ました。

男性は、力を振り絞った瞬間、思わず大声を出したようなのですが、その後も度々、叫んだりマシンをガシャンガシャンと大きな音が出すなど、とにかく様々な音を発していました。

以下、彼のことをマシン・ガシャ男(お)と命名します(笑)

遠巻きに多くの人達がマシン・ガシャ男に目線を送っていました。

ガシャ男は、完全に自分の世界へ入っており、うっとりと自己陶酔をしている模様。

僕はもしやガシャ男が「みんな、俺の筋肉が格好よくて見ているに違いない!」といった、とんでもない勘違いをしている可能性すら考えてしまいました。

僕はマシン・ガシャ男の音を出して注目を集めるやり方が「暴走族の心理に近いぞ」と思いました。

暴走族は自ら発する爆音に陶酔する

僕が生まれ育った地域は、ヤンキー文化がまだ色濃く残っており、中学校へ進むと、クラスメートの「あいつのアニキが、あの暴走族に入っているらしい」みたいな噂をよく耳にしていました。

毎週、土曜日の夜になると、爆音を轟かせ国道を走る暴走族が現れ、憧れてそれを見に行く人もいたほどです。

当時は『湘南純愛組』『カメレオン』『今日から俺は‼』などのヤンキー漫画がめっちゃ流行っていました。

暴走族は、音を発するというストロークによって、人の注目を集めます。

ほとんどの人が「うっせえなあ…」と、眉をしかめながら彼らを見ますが、見られること自体が強烈な快楽なわけです。

認識されるということは、存在を認められること。

無視され続けた人ほど、「どんなことをしてでも注目されたい」と内心では思い勝ち。

ジムには一定数、音を発することで人からの注目を集めたがる人がいます。

多分マシン・ガシャ男タイプは「今の俺、最高にイケてるぜ」と感じているはずなんですね。

こういった行為は中毒性があるため、何度も繰り返されます。「見られるのって超気持ちいい!」というナルシスティックな自己陶酔は麻薬のようなものなんです。

お店で迷惑行為をして炎上する人が後を絶たないのは、きっと無意識に見られる快感を求めているからでしょう。

中一で中二病を発症

中一のときに中二病を発症した僕には(ややこしい表現、笑い)、「みんなの注目を集めたくてしかたない」という心理になったことがありました。

唯一無二の存在になることを憧れ、承認欲求がどんどん高まっていった時期です。

恥ずかしさしかないよくわからん思い出なのですが、せっかくの機会なので書かせていただきますね。

僕の通う中学は、冬になると灯油のストーブが教室の前の方に設置され、休み時間はストーブの周囲に友達と集まりながら、だらだらダベるということをよくしていました。

そのとき僕は、教室のドアに持たれながらストーブ近くに陣取っていました。

休み時間なので、室内は談笑の声でザワザワしています。

ふいに「今、ドアを蹴ったらみんなこっちを向くのでは?」と思い立ったのです。

思い立ったが吉日!(使い方、合ってる…!?)

数秒後に、右足のかかとで思い切りドアを蹴ると、みんながぴたっと話をやめてこちらを注視

このとき僕の脳内で快楽物質がドバドバ出て「みんな、自分だけを見ている。注目されるって気持ちいい!」と思っていました。

みんなは急に大きな音がしたので、反応しただけなのですが、それが僕にはとてつもない快感だったのです。

勉強でも運動でも目立つ方ではなかったので、どこかで「目立ちたい」という欲求があったのでしょう。

意気揚々と帰宅した僕は兄に「実は今日、こういうことがあってドアを蹴飛ばした」みたいなことを早口でまくしたてました。

兄から「お前すごいやないか! さすが我が弟やな!!」とのび太にジャイアンが「心の友よ!」みたいな感じでガシッと肩を抱いてくる、あの感じを期待したのですが、
実際の反応はといえば「はあ? 何それ? ようわからん…」とつれない返事。

僕の話より、週刊少年ジャンプを読むのに夢中です(当時は、ジャンプが600万部ほど売れる黄金期、笑)

兄はジャンプから僕へ目を移すと、鬱陶しそうな顔で「そういうことしたら顰蹙(ひんしゅく)を買うだけ。やめとけ。ダサイ」と注意されました。

少し凹んだ中学生の僕は、「そうか、俺はダサいことをしてただけか」と気づき、ドアを蹴飛ばすのを一回でやめました。

愚弟へ冷静にツッコミを入れてくれた兄に感謝なのですが、こういうのって周囲がとめないと、エスカレートしてどんどんズレていき、その結果、取返しのつかないことをしてしまう危険性があります。

やらかしによって注目を集めようとする人を見ると、「あちゃあ…」と感じるものの、「誰でもそうなる危険性を持っているから注意、注意!」と自戒するようにしています。

「綻びは些細なことから始まるので、注意して生きねば」と日々自分に言い聞かしております。


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