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夢の中の方が現実より幸せ?意味を自分で占おう.方便的な夢占いとスピリチュアル・リーディング

ヘッダー画像は、もときさん。フォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございます。


先日、ある変わった夢を見ました。「目の前を亡霊がビュンビュン飛び交っていて、身の危険を感じている、私は咄嗟にお経を唱え始めた」というもの。

このような夢を見た主な原因は分かっています。先月観た『禅 ZEN』という映画(2009年公開)の影響です。映画の印象的なシーンと、少し前に調べた『耳なし芳一』の話が混ざって現れたのだと思います。シンプルに記憶の整理のような夢でしょう。

隠された意味があるとしたら、「自らが作った闇や不安に気付く(お経はそのスイッチのようなもの)」ではないかと、最近の出来事を照らし合わせた解釈をしました。

その後、1つの気付きがありました。「夢占いは、自己を整え、より素敵な方へ導く"方便"のようであっていいのではないか(ただし、地に足をつける)」というもの。

現在使われている「嘘も方便」の"方便"より、仏教用語の"方便"が近いかもしれませんが、ここでは宗教的ではなく人を導く訳でもなく、自分自身の彷徨える心やエネルギーを安寧の方へ導くための、自分なりの智慧や工夫といったニュアンスです。

特に大きな苦しみの最中にある人や、諸々の理由で困難な現状を中々抜け出せない人にとって、睡眠中の夢や瞑想時に出てくるイメージは、ストレスの緩和や現状打破の何からのヒントになり得ると思います。

【1】夢の中で生活する.夢の方が楽しい人はいますか?私はかつてそうでした

私がまだ実家で暮らしていたある時期のこと。

色々なことが制限されていた私は、眠って見る「夢」の中で、アクティブに生活していました。社会参加も何気ないおしゃべりも、夢の中で行えるのです。魂がパラレルワールドを思い切り駆け回っているようでした。

ちなみに当時、現実で「未来の夢」を描こうとしても上手くイメージ出来ませんでした。まずこの現実の延長上で夢が叶っているとは思えないし、ヴィジョンを描いても疲れてしまうのです。

そんな状態の中でも、夜見る夢で、私は通学したりバイトしたりしていました。あちらへ社会生活をしに行っていたのです。

夢に入るといきなり試験前で勉強しておらず後悔する、修学旅行なのに準備をしていない、バイトに遅刻してしまうなど、夢なのであらかじめ防ぎようがない!ということも度々起きましたが(笑)、人と接し体を動かす生活は、現実より鮮やかで動きがありました。

あの頃の苦しかった実家暮らしのことを、ネットで晒して親を批判したい訳ではありません。ただ私が何とも奇妙な時間を過ごしていたのは確かです。それらを書くことによって整理されますし、もしかしたら現在近い思いをしているかたにお読みいただけるかもしれないと、多少気味悪がられることを承知の上で執筆しています。

この現代社会において夢と現実が反転したような暮らしを経験したのは、私だけではない気がするのです。

ちなみに、今の私はおかげさまで元気です。(Twitterにてのんびり感謝日記をしています)

【2】病院にも行けていない,,,通院出来ていない人.現実,夢,そしてインターネットの3世界

私が10代の頃はまだスマホ等が普及しておらず、過食と、図書館などで借りた紙の本とで多くの時間を過ごしていました。

私も若くて青くて病んでいたため、ありがちですが太宰治などを好んで読んでいました。『フォスフォレッセンス』という、夢と現実世界の両方が描かれた短編が好きでしたが、当時、醜形恐怖(body dysmorphic disorder)を患っていたため「太宰と私は決定的に違っている、太宰は何だかんだ言っても美しい。私も美しければ苦悩もさまになるのに」なんて考えていました。(今では佳人薄幸の方向ではなく、健康美や笑顔美人の方にエネルギーを注ぎたい!)

まあそう考えた背景には色々ありました。実家は機能不全家族であり、私は10代の頃から心療内科医から信じてもらえないほどの偏った過食症でした。

過食が止まらなくて、自分の手で自分の首を絞めてみたこともありました。死にたいという訳ではなく、とにかく現実が苦しくて。18〜19歳くらいの頃だったでしょうか、もううろ覚えです。でも首を絞めると心身共にもっと苦しくなりました。このようなことはもういたしませんし、他の方もないといいな…。

その頃は今より制限が多くて、非常に行き詰まっていました。コンディションはかなり悪かったのですが、病院で、未成年は保護者の同意(だったかな)なしでは入院できないと言われていました。また当時はやや田舎の病院に通院しており、患者も高齢者が多く、摂食障害の患者はほぼ来ていなかったようです。

更には治療費の都合もつかず病院さえ行けない時期がありました。この苦しみの先に死という「無」があると思うと、死恐怖症(death anxiety,タナトフォビア)の傾向もあった私は発狂しそうでした。体に必要な栄養素も不足していて、精神・神経が通常の状態ではなかったのかもしれません。今ではあの頃のように心身は崩れません。「心の持ちよう」だけでなく、ビタミン・ミネラルの欠乏、過食で血糖値がジェットコースターのように変動することなども不調の原因だったかも。

心身の悩みを抱えながらも、周囲に殆ど相談できず、話せたとしても匿名でネットのみ...というかた、世界中にいらっしゃると思います。

現代は、夢・現実の2つの世界に加え、インターネットという世界が大きく広がりをみせています。まずはインターネットを活用することは、アリです!もちろん、安全には気をつけて。

【3】離人症,夢での生活,スピリチュアル能力の開花...現実逃避?それだけではない

現実世界で猛烈に苦しい時期、社会生活の夢とは別に、自分の体が風船のように空に浮いていき、地上からどんどん離れていってしまう夢をよく見ていました。

「まずい、このまま上空に行くと死んでしまう、戻れなくなる、降りなければ」と、力を入れて地上に着陸しようと試みるのです。これは明晰夢であると気付いても、起きることが出来ずに夢の世界から中々出られないこともありました。

ある日、心療内科の先生に、「夢の中の方がリアルに感じる、夢の中で生活しているような感じ」といったことを打ち明けると、「現実逃避している」「あなたはもうそのことに気付けるはず、受け入れる準備が出来ているんじゃないですか」のような冷静な言葉を掛けられました。

でも私はあの頃、ギリギリのところで生きていたのですよ。心身が弱っていて現実逃避している人に「現実逃避している」と指摘しても、前向きな気持ちになる余力はないかもしれません。

現実は離人症で世界がぼんやり、こちら側がもう夢みたい。一方で夢の中は活き活き。ハイではなく、それなりに私らしく悩みながら。それを現実逃避の一言で片付けるなんて、安易過ぎるよと悔しかったです。

確かに現実逃避なのですけれどね。ですので、先生のその言葉だけで、先生から心を閉ざすこともしませんでした。というのも、世の中には「はたから見るとつらそうに見えない人」というのが割といるらしいからです。私は昔からそうでしたし、家庭内でのネグレクトも隠す習慣が出来ていました。

この世に生きる辛苦を、人知れず静かに静かに押し殺して押し殺して、それでも生きようとするエネルギーは、私の場合、夢の中に回路を開いていったのでした。元々体が病弱で、思考エネルギーが内向的かつ大きかったせいもあると思われます。

あのとき例えば、医師から「なるほど。あなたは非常にお辛い中、生きているのですね。夢に何かヒントが隠されていそうですか?」とでも言われたら私は鎧を脱いで胸の内を話し、もう少しだけ現実をみたかもしれません。(ちなみに女性の先生。恋愛感情は持っていない)そこまで相手に望まなかった代わりに、自分がセッションでそういう声かけをしていこうと決めることも出来ます。

スピリチュアルなエネルギーの開花や、セッション、ブロックの解除というのも、どこかこういった夢のプロセスに似ていると思います。

どこにも発動できない正のエネルギーが膨らみ、密度は増し、それでも外部や自分自身がそれを閉ざそうとするので、内側や、あっち側(=あの世とか霊界とかのイメージ)に開けるのです。このパターン、ヒーラーさんに多いかも。

スピリチュアルヒーリング能力の開花や、張り詰めて頑張っている人のブロック解除。

何らかの理由があり現実世界で自由に動けない人が、夢や夢想の中でアクティブになっているとき、現実逃避と片付けるだけでなく、「夢の中でリハビリしているんだ、生きるためにイマジネーションが活発になっているのだ、現実で動く機会を待っている」と意識してプラスに繋げてゆくことも出来るでしょう。

ただ実際に、日中は体も適度に動かしているとよさそうです。やはり、筋肉を使った方が睡眠の質が上がりやすいですし、あっちの世界からちゃんと帰還した時に、なるべくスムーズに活動できるよう、肉体という器も適度に使っていなくては衰えてしまいます。

また、夢が鮮明すぎる時は眠りが浅いことも多いので、不眠傾向が続いていたら、必要に応じて医師に相談することも大切です。

【4】夢を占う,スピリチュアルリーディングをする.変化する夢占い

夢占いについては幼少の頃より好きで、過去にはnote外ブログでも扱っていました。

夢に出てくる物や起きる事柄は、不思議と人々に共通しているものがあります。例えば、歯が抜ける夢などは多くの人が見るようです。これはあまり吉夢ではなく、何らかの注意を促す夢であることが多いようです。

私の場合、歯が抜ける夢は、体調不良時や心が沈んでいる時に見やすいです。この「私の場合は」というのが一番のポイントなのですよね。

また、夢占いは時代によっても変化します。

学生のとき授業で、万葉集の時代には夢に出てきた人物は、自分のことを想っていると言われていたと知りました。つまり、相手がこちらを想っていたからこちらの夢に出てきたのだと。

ですが現代では、「自分が相手を想って夢に出てきた」といった見方のほうが多いと思います。片思いの相手や有名人の夢などは特に。(※既に他界されている方の場合は別です)

また「知り合いが夢に出てきて、目が覚めると何だか意識してしまった」「個人的には特に思い入れのない有名人が登場し、何でかな?と気になった」といったパターンも多いですよね。

他にも、年代や状況によって大きく意味合いが異なることも。

例えば、女性が見る「妊娠する夢」。ティーンエイジャーであれば妊娠への不安かもしれないし、何か幸運が生まれる吉兆かもしれない。結婚して子供を強く望んでいる女性であれば、懐妊を夢にまで見るかもしれませんし(願望夢)、実際身体に妊娠の兆候があり夢にも出てきたかもしれません。

「この夢は、自分の場合、どんな意味合いがあるのか」【自分の場合】の部分が大事なのですよね。

単純に記憶の整理かもしれないし、潜在意識が何かをお知らせしてきているのかもしれません。

【5】専門的に学ぶ機会がなくても気付ける人々

自分の場合、その夢は何を意味しているのか...。もちろん、ネットなどの情報をある程度参考にしながらでもよいのですが、自分自身を見つめ、現実と照らし合わせて大まかな答えを出すことは、スピリチュアル・リーディングの練習にもなります。

最後に、皆様は「老年的超越」という言葉をご存知でしょうか。

老 年 的 超 越(gerotranscendence)と は,高 齢 期 に 高まるとされる,「物質主義的で合理的な世界観から, 宇宙的,超越的,非合理的な世界観への変化」を指す(出典:老年医学の展望

これを知ったとき、私は老年期超越だけでなく、非常に強い苦難にあってもなお、そこからポジティブな回復を出来た(回復しようとしている)人は、自然と老年的超越にも似た成熟を成している、成し始めているように思います。

レジリエンスの強化(ストレスを力に変える)といったことも、近年注目されていますよね。

例えばスピリチュアル・ヒーラーになりたいけれど、正式に学んでいないという方でも、セミナーなどで学ばなくても生きていくうちに深い智慧を身につけていたりします。もちろん、偏りだとか個性だとかは色濃くなるかもしれませんが、それはセミナーなどでも起こり得ることです。

そもそもスピリチュアルな考え方の基本は、写経でもよく用いられる『般若心経』や、こちらも有名な『法華経』などを読み解いていくと、多くのことは既に書かれていると分かってきます。(ちなみに、私も親族も日本人的な無宗教です)

スピリチュアルの様々な手法は、現代社会に特有の苦しみや閉塞感を和らげ心穏やかに平和に生きていくための「方便」にも見えてきます。

自慢できるような学歴・経歴がない、師匠に弟子入りしていない、スクールやセミナーに通う費用がないなどの理由でヒーラー・セラピストデビューされていないかたも、日常を丁寧に生きることで、それが修行や下準備のようになることもあるかと思います。

2021年12月19日追記 シンクロニシティと, あちらでの充電

鹿子さんによる、不登校、学校恐怖症(school phobia)に関する記事と、シンクロしていましたので追記を書かせていただきます。

かつて過食症になる前の拒食症のとき、TVで専門家が「摂食障害はお母さんのおなかに帰りたい願望の現れ」と自信満々に説明しているのを見ました。当事者の私としてはギョッとしました。「違う、皆がそうと思わないで欲しい。私の場合は早く自分の家族を持ち、子供も欲しい」と。私には明確で強く惹かれる夢や憧れ、目標があったのです。でも専門家がしゃべると世間は信じちゃうのかなと、モヤモヤしました。

うまく説明できないのですが、例えば優位な立場にある人が「あなたはこうなのですよ。これが原因でこうなっている。あなたが気付いてないだけで(理解できていないだけで)」と言うのは簡単なのですよ。何にでも使えますから。

こちらは違うと思いつつも「この相手は自分の考えや思い込みを変えそうにない、怒らせて更に面倒なことになりそう」と、話すことを諦めてしまうことってありますね。

一方、鹿子さんをはじめ、私の友人や先輩は「聴いてくれる・待ってくれる人」なのだと思います。

不登校に限らず、心のエネルギー不足で働けていないとか、失恋鬱のように通院もしづらい不調であるとかで、周囲に柔軟な理解者がいないとき、帰って来れる程度に神秘の世界を覗いて充電できたら、また新しい波に乗れるのも、そう遠くないかもしれませんね。夢も、あなたを助けているのだと思います。

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