無意識に人をかばう…悲しいほど優しい人，例えばあなたへ（スピリチュアル，エンパス，HSP隠れあるある）

エンパス，HSP隠れあるある...悲しいほど優しいあなたにも

「お疲れ様です。もしかして水鏡、空海さんと接触あった？」

空海先生との電話から十日ほど経った頃、春姫からチャットが届きました。私も話し掛けたかったけれど、彼女はあくまで社長でありプロのヒーラーですから控えていました。気付かぬうちにクレクレになってしまうよりは、水臭い・堅苦しい・大人しいと笑われるくらいが丁度いいのです。それは私らしい欠点でもありますから。

とは言うものの、恥ずかしいけれど私は春姫とご縁のある魂ではないかと感じていていて ーそうだったらいいなという願望の現れに過ぎないかもしれませんがー 、彼女の前では私なりに見えて安心しているのです。

「お疲れ様です。ご連絡ありがとう。春姫すごいね。やっぱり本物の能力者だね」

「いや、そうじゃなくて！水鏡のメールの癖が、空海さんにうつってるのよ。えっと、内容は勝手に話せないんだけど、タイトルの『短文です』みたいなやつね。一瞬、付き合い出したのかと」

PC越しに二人で笑いました。あの後、空海先生とは電話こそしないもののメールは続いていました。結局は私の弱さが招いたことなのです。ああ、あとあれも。ノウハウコレクター色の大変強いお客様に困惑し「そういったことは空海先生が詳しい」とお勧めさえしてしまったのです。

洗いざらいを春姫に話すと、春姫は少し困った様に、次の入力までに時間を要していました。

「ねえ、どうして水鏡は、わざわざ自分に不利になる様な伝え方をするの？私さ、一応会社の人間じゃない。そんな説明だと自分の株が下がると思わない？いや、不利とか株とかどうでもいいだろうけど。水鏡はさ、優しくて空海さんに気を遣っていたんでしょう」

春姫は私に甘いのです。

「今回の件はまだいいとして。何かあったとき『私が悪かったんです』と水鏡が謝るとするじゃない。そうしたら『いえいえ、私の方こそ』って言ってくれる人ばかりじゃないの、世の中。『そう、水鏡さんに原因がありました。あのときもです。ショックでした。皆、心配してくれてました』みたいに、更に罪悪感を与えてくる人、いるから。

ただでさえ人の痛みを感じ過ぎて、見返りも求めず陰で人をかばいつづけているようなエンパスに、もっともっと！って利用する輩もいるの。水鏡はあんまり自分自身を悪く言うと、これからは怒るよ・・・」

やっぱり優しいと、分かる人には分かるでしょう。

彼女は性犯罪被害者、私は虐待サバイバー。与えるだけ与えるスピリチュアルでは、光を食べ尽くされ命さえ落としてしまうこともあると知っているのです。

「全ては生まれる前に自分で選んできた、与えよ、許せよ」と人に説きつつ、自分は保身保身という師も少数ながら存在します。

人の心や命を踏みにじる者をかばうことは、時にその者の学びの機会を遅らせてしまいます。私たちはまだ、成熟した言葉で言い表すことが出来ていないけれど、身を以て知っていたのでした。