「愛着障害」の重大さについて。
以前、愛着障害にまつわる本を読んだ。
愛着障害とは、幼い頃に親との愛情を形成できなかったことにより起こる障害のことであり、
私はこの本を読みながら、以前働いていた保育園の子どもたちのことが頭によぎっていた。
(以前働いていた園の記事は↓です)
前の園では5歳児の担任をしており、とにかく荒れているクラスだった。
暴言、暴力、部屋から飛び出す、思い通りにならなかったら色々なものを投げる、壊す、窓から飛び出そうとする、先生に反抗する、など。
正直手に負えないくらいひどかった。
そんな子どもたちに共通することは、親子関係が良好ではない というところであった。
保育園で荒れる子は、大体は家で上手くいっていない、愛情を与えてもらっていない、など家庭に問題がある子ばかりであった。(必ずしもそうではないこともあるが)
お母さん、お父さんが怖くて家ではお利口にしている子ほど、保育園でそのストレスを発散するべく大暴れをしているのだ。
そんな5歳児クラスの担任をしたのは、働き始めて3年目の時であった。
ようやく保育の流れが分かってきて楽しくなってくるであろう3年目にして、とてつもなく大変なクラスを任されることになったのだ。
結果的には、無事にその子どもたちを卒園させることが出来たのだが、私自身も子どもたちと一緒に保育園を辞めることとなった。
当時は、毎日のように暴言や暴力が飛び交うクラスにうんざりしており、正直に言うと子どもたちのことを可愛いと思えない時もあった。(保育士として最低だと思うが)
しかし、退職してからもう一度「愛着障害」について勉強すると、
あぁ。そっか。大変なのは私だけじゃなかった。あの子たちもしんどかったんだな。辛かったんだな。
と思わず涙が出そうになった。
親から愛情をもらえなかった子は、ああいう感情の出し方しか出来なかったのだ。子どもは子どもで、貰えなかった愛情を補おうと毎日必死だったのだ。
気持ちが荒れている原因は、家庭にあることは知っていた。だがしかし、もっと前から「愛着障害」の重大さに気付くことが出来ていたら良かったと猛反省をした。
子育ての孤立化であったり、離婚や死別などの理由で1人で子育てをする親など、様々な要因があり、親の苦労も痛いほど分かる。
子育てが孤立していかないような働きかけや親のサポートがもっと、もっと必要であると実感した。
幼少期に親から愛情を与えられて育ってきたかどうかは、大人になっても左右される重要で重大なことである。
現在も、保育士として働いているが、子どもたちが出してくれている"サイン"を見逃さず、子どもたちの表現を受け止め、保護者とのコミュニケーションを図りながら、私にも出来ることを模索していきたいと感じた。
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