人の上に立つということ


社会経験の浅い小娘が高説垂れているだけなので
不快な思いをさせると思われますが、
ここは私のnoteなので好き勝手します。


私が人生の中でまともに続いた仕事はたった1つ
水商売。
キャバクラやガールズバー、スナックという、
お客様にお酒をお作りして、お話しするというお仕事。
お昼のお仕事でいうと営業に近い仕事かな。
自分を売り込んで、気に入ってもらって、指名をいただいて、
お店へ通っていただいて、お酒をおろしていただいたりして、
それらが自分の給料に反映される。
時給+出来高制(一部出来高制?)ってやつです。
キャストとか嬢とか女の子って呼び方をします。

そしてそういったお店で働くのは、キャストのみならず、
黒服という、キャストをサポートしてくれる人もいます。
キャストのついている席の氷やピッチャーの飲み物の交換、
灰皿交換、フリーの席での女の子の交代指示、延長確認、お会計、
などなど…
女性での黒服もいますが、男性の黒服が多いかな。
ガールズバーやスナックなど、小規模なところだと店長1人で黒服仕事をすることも珍しくありません。

水商売のお話はまた別で書く予定があるので、とりあえず説明としてはこのくらいで……。


さて、私が水商売の中でも一番長く勤めていたのが
名古屋の錦にある、ガールズバーでした。
大きい店でもなく、有名というわけでもなく、普通のガールズバー
カラオケがあって、でも箱が元スナックだからボックス接客メイン。
カウンターも一応あった。
繁華街のお店あるあるやけど、まじで裏が狭かった!!
あと更衣室もないし、ロッカーも狭いし個人のロッカーじゃなくて、
空いてるスペースにみんなの荷物を詰め込む!みたいな感じでした。

まあそんなことはどうでもいいんです。
私が錦へ飛び込んで、先輩方にいろんなこと教わって勉強して、
ちょうどいろんなタイミングが重なって、入店して半年くらいだったかな?多分
気付いたら私が一番そのお店で長く在籍しているキャストになっていました。
半年じゃないかも、さすがにそんな早くなかったか???
まあいいやそこは。

そいで、私ともう一人、私の半年後に入った年上の後輩さん(Aさん・最年長)が
店長から会計業務や女の子の交代業務を任され始めて、
店長は外へ出るようになった。
当初はお客さんを呼び込むためだった。
だけど次第に、名目上は客引きで、実態は遊びに行っていた。
まあでも店長がお店にいるとキャストみんな緊張感が強くなるから
ぶっちゃけそっちのが楽ではありましたwww

さて、そんな感じで新人教育なんかも(もちろん私一人じゃないけど)やっていたりしまして。
キャストへの指導なんかもやっていたりしまして。
大体はAさんがお局ポジションだったのでキツめに言ってくれることが多く、
私はあくまで優しく注意する立場でいられました。
それでも治らなければ店長からの指導→Aさん→私がキツめに→店長からの雷
ってな感じでした。
まあ大体Aさんが言ってくれたらそれで終わりなパターンが多かったかな。
一部の問題児を除いて(笑)
それもまた追々書きます(笑)

ほんでやっと本題に入ります。
そんな感じで22歳、23歳とかの時点で人の上に立つ、というポジションを任されていて
(というか自然に任されてたというか、そういう流れだったというか?)
ついでに保育士も掛け持ちで働いてたりして、
そんで店長と私の差ってのに気付くようになった。
これは自分でも気付いた部分もあれば、後輩ちゃん達が言ってくれて気付けたところもあるんだけれど。

まず店長は、
・話を聞く
・アドバイスをする
・過去のキャストの栄光を語る
などという流れ。
そのアドバイスも曖昧なものだったり、理想論だったり……
「出来てたらやってるよ」「いやそれが出来ないから困ってるのに」
みたいなのが多かった。
口で言うのは簡単だけどさ!みたいな感じの……
だから話しても解決しないってイメージ。
「お前なら出来ると思ってるから」で終わっちゃう。
いや思われましても。
店長の目標はあくまで売り上げ。
そらそやろけどね。それは間違ってないと思うけれども。

私の場合、
・話を聞く
・自分の場合どうしているかを話す
・相手に合った解決方法を提案
という流れ、のつもりだった。
まあそりゃ店長とはキャストと店長という立場も違えば、年齢や経験も違うし
性別も違うし、視点が違うのはもちろんなんだけれども。

そして店長は結構機嫌の良し悪しをあからさまに出す人だったし、
機嫌が悪いとめちゃくちゃ八つ当たり(?)をしてきた。
こんこんと説教されたり理不尽な要求をされたり。

そういう日頃の行いもあったからか、
後輩ちゃんは自然と私に相談してくれることが多かったように思う。
それか、相談内容ごとに相談相手を変えていたかもしれないけれど。
新人ちゃんたちは私にが多かったかな?
店長はあんま店おらんし、Aさんは厳しい人やったから……

新人教育をする上で大変なことはたくさんあったけど、
一番は「相手に伝わる伝え方」をすること。
どうやったら相手に伝わるのかが一番の課題だった。
「伝えた、言った」のと「伝わった、理解した」のは違うから。
そしてお店内の環境を悪くさせないために、笑顔でいることを心がけてた。
難しい顔した人に気軽に話しかけられんやん?
あとは、私がキャストを守らなきゃって思いが強かったかな。
困ったお客様のところには出来るだけ私がついたり、ちょっかいかけにいったりとかするようにしてた、つもり。

そのお店を辞めてもう長いけれど、改めて表題の件。
人の上に立つということは、それだけ抱える問題と責任が増えるということ。
何を当然なことを、と思うでしょうが、身に染みて感じました。
人を育てる、指導する、言葉では簡単だけれどやってみるとすっごく大変。
キャストが何かミスをしたらお店の評判に関わる。
けれど、キャストがいないとお店は営業していけない。
だから出来るだけ質問や談笑しやすい環境を私が作る。
「忘れても何回でも聞いてね」と、
「困ったらとりあえず私のところへおいで」ということだけは
必ず伝えていた。
上に立つ者として、全責任を負うくらいの覚悟が必要だと思った。
キャストに必要なことを伝えて、育てて、実践させて、
それで何かミスが出てお客様の気分を害したら私が頭を下げる。
頭を下げるのが上司の仕事なんじゃないかとも思う。
そしてキャストへのフォローも忘れないこと。
次からはどうするべきか一緒に考えて、
そういったミスを減らすために自分に出来ることはなにか考える。
そこまでが教育だと私は学んだ。

これは保育・子育てにも共通すると思う。
子どもを育てること、その全責任は親に来る。
だからやっていいこと、いけないこと、挨拶、礼儀作法、マナー、
いろんなことを本当にたくさん教えて、
社会という場所に子どもを出して、そこで喧嘩やら問題が起きたら頭を下げて、
子どもにしつけをして、改善策や代替案を考えて……

仕事に関しては、最悪辞めれば全部関係なくなるけれど、
子育て、親はそうもいかない。

私は児童養護施設という、家庭で育つことができない子どもを保護する入所施設で働いていた。
それが夢だったから。
そこには、育児放棄や虐待で保護された子や、ひとり親家庭の子、親が失踪した子、
いろんな事情はあれど、親と暮らせない子たちがいた。
そしてその施設は子どもたちにとっては家。
私を含む職員は保護者、親だった。
自分の言動がその子の一生に影響を与えるかもしれない。
責任の大きすぎる仕事ではあったけれど、でも楽しかった。
時には厳しく叱ることもあったりしたし、
まだ3歳や5歳の子たちにどう伝えたら伝わるのか試行錯誤したし、
その子どもの育ってきた環境も考慮する必要があるし。

少し話が逸れてしまったけれど、
人の上に立って、人を育てること。
これは物凄く大変で疲れる。
なにより責任の大きさに自分が潰れそうになる。

でも一番大切なのは、相手の視点に立って、
一緒に考えることなのかな、と思う。
時と場合によるけれど。
上から一方的に何を言っても伝わらないことが多いと思うし、
時には失敗させることも必要だと思う。
よく大人は「勉強しなさい」って言うと思うけど、
あれは自分が「もっと勉強しておけばよかった」っていう後悔から来てることが多いと思う。
でも、子どもからしたらそんなこと言われてもって感じだし、
受験とかテストとかそういうときに「もっと勉強しておけばよかった」
「お母さんが言ってたのこういうことか」って気付くんだと思う。
経験に勝る知識はない。


もし、もし今後また私が誰かの先輩や、親になる時が来た時のために
ここに残しておく。

・感情的にならないこと
・自分の意見だけを押し付けないこと
・責任を負う覚悟を決めること
・話しやすい環境を作ること
・一緒に考えること
・自分に何が出来るか考えること
・その後どうなったか確認すること
・怒ると叱るは違うということ
・他人や自分と比べないこと
・叱る前に、相手の言い分や主張を聞くこと
・相手の言葉を遮って話さないこと
・失敗させることも経験と忘れないこと
・下げる頭をなんぼでも持っておくこと
・自分の機嫌は自分で取ること
・嫌われる覚悟を持つこと



そのくらいかなぁ、多分





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