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横並び🟰日本経済衰退の要因では?

 日本経済はバブル崩壊後、30年間に渡り衰退を繰り返してきた。多くの人は政治をその要因に挙げる。確かに、自民党の政治はひどい。バブル崩壊後に異常なまでの緊縮財政を敷き、デフレを招いた他、最近でも増税ありきの少子化対策及び財政再建を図ろうとするなど、経済オンチが甚だしい。むろん、一時期政権を担ったことのある社民党や立憲辺りも同じ。
 
 けど、俺は政治が最大の要因とは思えない。まず、日本は民主主義国家。政治は人々の考え方や価値観を反映するようにシステムが作られている。その原点に立ち返ると、普段の考え方や価値観、慣習が経済衰退の要因であり、政治はその延長でしかないと思うんだ。

 では、その要因は何か。一律、横並び主義である。具体例を挙げてみていこう。

 まず就活。理系では修士卒で就職しても、学部卒の人らと初任給5万ほどしか変わらない 。せっかく専門の知識を得ても、まずは学部卒の人と一緒に研修 、アメリカみたいに、いきなり高年収で仕事任せるやり方はせず、一人前の仕事ができるようになるのは長年、会社に在籍してから。また、基本的に日本は一括採用が中心、修士及び博士号を取得しても、自分が研究した分野と全く違う分野に回されることも多々ある。

 他にも、物価の差があるから単純比較はできないものの、寿司職人も日本では年収400万円くらいだったのが、アメリカやイギリスに行くと1000ー2000万稼げるのもザラ 。サービス内容に優劣をつけず、一律の給与体系が中心の日本と異なり、チップ制度でその人が提供するサービスの内容にも対価が払われる 。まあ、チップ制度も、チップ目当てであからさまなサービスが横行しがちであり、一概には称賛はできないものの、「個人の仕事内容に対価を払う」という役割は果たしている。

 次に、地方都市。日本は地方都市も横並び主義。ボーイングやスタバの本社が集積するシアトル、金融とメディアのNY、ハイテク企業のサンフランシスコ、サンノゼ。アリババの杭州、テンセントの深圳、自動車のハルビン。とアメリカや中国のように、各都市や地域に特色がない。 そもそも、地方都市の首長の大半が官僚出身。 彼らの頭の中には、自ら新しいことを始めることよりも、「いかにして国からお金を取るか」のウェイトの方が圧倒的に多い。 結果的に、似たような街並み及び地域となり、日本全国に活気が生まれない、東京を除いて。

 何でもかんでも一律という方式を全否定するつもりはない。明治維新直後はフランス、イギリス、ドイツ、WW2後はアメリカと、「他国」に追いつけ、追い越せが求められた時代は、取り組むべきことが明確であり、均一の価値観や能力を持った集団は、大きな威力を発揮したし、その役割は大きかった。また、国土の均一の発展にも大きく貢献した。

 しかし、経済が成熟した今、求められることは、「自ら変革を興し、付加価値を生み出すこと」へとシフトした。実際に、経済大国1位のアメリカや中国は、ITやハイテクなどの新分野で独自の付加価値を生み出し、経済を活性化させている。変革を興すには、固有の能力や強烈な個性が必要不可欠だが、現在の日本のシステムはそれを冷遇し、排除する仕組みとなっている。これでは経済成長は無理だよね。

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