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「知らなかった!」では済まされない知的財産権の侵害リスクと対策

現代においては、3DプリンターやEコマースなどのテクノロジーが普及し、企業は製造から販売までの過程で迅速な対応を求められるようになっています。

しかしながら、中小企業にとっては特許権、意匠権、商標権などの知的財産権に関する専門家の不在や相談先が不明であることが大きな課題となっています。

知的財産権の侵害は、企業のブランド価値を落とすだけでなく、訴訟問題を引き起こす可能性も。訴訟が起こると、事業主にとっては大きな影響が生じます。
こうしたリスクを回避するために、知的財産権に関する知識を持つことや、保険を使ったリスクヘッジが必要です。

今回の記事では、知的財産権についての基礎知識から訴訟事例、保険を活用したリスクヘッジについても分かりやすく解説していきます。

<今回のポイント>
・知的財産権を知らないと予期せぬ訴訟に繋がる可能性も!
・知的財産権侵害の訴訟における賠償金額は高額化する恐れ大!
・高額賠償に備え、保険を活用したリスクヘッジを検討しよう!

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1.知的財産権の基礎知識


・知的財産権とは?
知的財産権とは、何かを作り出すことで、その作り出したものに対して、自分が所有している「権利」のことです。例えば、絵を描いたり、音楽を作ったり、発明をしたりすることで、それらに対する権利を持つことができます。

知的財産権の侵害リスクとしては…

著作権侵害
:自社のウェブサイトやブログなどで、他人の著作物を無断で使用することで発生するリスク。書籍や音楽CDの複製などが著作権侵害に当たります。

商標権侵害:他社の商標と同じ、または類似した商標を使ってしまった場合に発生するリスク。店名や商品名などが商標権に当たります。

特許権侵害:他社が特許を取得している商品や技術を、無断で使用した場合のリスク。システムの機能や設計、製造プロセスなどが特許権に当たります。

意匠権侵害:他社のデザインやパッケージなどを、自社が無断で使用する場合のリスク。ビジネスモデルや内装デザインも意匠権に当たります。

実用新案権:他社が独自に開発した製品や技術に対して、類似した形状や構造を持つ製品を無断で製造・販売した場合のリスク。工場の生産ラインなどの技術的なアイデアも実用新案権に当たります。

などが挙げられます。

2.訴訟問題になった場合の影響


著作権違反や商標権侵害などの訴訟になった場合には…
訴訟費用の負担、高額な賠償金の支払い、企業イメージの低下、製品やサービスの販売停止、法的手続きの時間とリソースの消費など、企業にとって大きな影響を与える可能性があります。

3.知的財産権侵害訴訟における賠償事例


事例①:オリジナルグッズ販売会社への著作権侵害訴訟
あるアニメのオリジナルグッズを製造・販売する会社が、著作権を侵害したとして、著作権者から訴訟を起こされました。結果、裁判所は被告に対し、約6000万円の損害賠償を命じました。

事例②:パチスロ機メーカーへの特許権侵害訴訟
あるパチスロ機メーカーが、他社の特許を侵害したとして、特許権者から訴訟を起こされました。裁判所は、被告に対し、約5億円の損害賠償を命じました。

事例③:ネットオークション出品者への商標権侵害訴訟
あるブランド品の商標を無断で使用したとして、ネットオークションの出品者が商標権者から訴訟を起こされました。裁判所は、被告に対し、約5000万円の損害賠償を命じました。

他にも、有名なレストランの内装デザインが模倣された事件や、大手家電メーカーのショールーム内のディスプレイが模倣された事件などが報告されています。

これらの事例からも分かるように、知的財産権侵害に対する訴訟においては、高額な損害賠償が認められることがあります。企業は、知的財産権侵害に対するリスクを把握し、適切な法的措置を講じることが重要です。

4.保険を活用した知的財産権侵害へのリスクヘッジ

第三者の知的財産権侵害のリスクを補償する保険としては、「知的財産権賠償責任保険」のような専門商品や事業活動総合保険のようなパッケージ商品に「知的財産権補償特約」といった形で補償を付帯できる保険などがあります。

このような保険に加入することで、知的財産権侵害における万が一の損害賠償金や争訟費用に備えることができます。

また、知的財産権関連の訴訟は長期化するケースも多いため、高額化する争訟費用や差止め請求にも対応できる保険を選んでおくと良いでしょう!

<まとめ>

自社製品の安全性や品質管理の強化、契約書の明確化、法的規制の遵守などを行うことで、リスクを最小限に抑えることができます。

常に変化する市場環境や法的規制に対応するため、定期的なリスクマネジメントを行い、保険の見直しや改善を行うことが大切です。

保険を活用したリスクヘッジは、企業の生存にとって欠かせないものです。自社が知的財産権を侵害するリスクを、保険によるリスクヘッジができることを知っておき、リスクマネジメントを徹底して行うことが大切です。

また、知的財産権を持っている場合には、有効に活用して自社製品やサービスの独自性を高め、競争力を強化しましょう。

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著者:小飯塚隼人(こいづか・はやと)
(株)保険ショップパートナー取締役社長。
1983年生まれ。前職は大手損害保険会社にて代理店の営業推進を担当。「お客さまに一番近いところで保険を提案して、もっと喜んでもらえる仕事がしたい」との思いから、万が一のさいは保険でしっかりとお客さまを守る保険ショップパートナーの経営理念に魅力を感じ、2015年3月に同社に入社。同年11月に取締役社長に就任。「建設業をサポートする日本一の会社になる」という志のもと、年間2,000件を超える建設業保険の相談を受けるとともに、安全大会の講師も務める。得意分野は事故対応、事故対策、外装系など。趣味は映画、ランニング。
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