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013:ホリスティック・アロマテラピーがただのマッサージではない件について。

私が試験を受けたのは、もう12年も前の話になりますが、私たちのグループ(4、5人だったような?)が実技試験を受ける際に、英国から来日した試験管に『ミシェリンの伝統的な手技が受け継がれてますね。』と褒められた事をすごく良く覚えています。他のことは、緊張と緩和の末に忘れてしまいましたが(笑)
実技試験は、クライアントへの接遇も含めて75分フルトリートメントを全部見せた後、個別に内容(コンサルテーションで聞き取った事、精油の選択の理論と実技、ホームケアのアドバイスなどなど)を提出して、最後に質疑応答(通訳はいる)と言う、今思い出しても、過酷な実技試験だった事は確かです。

そんな英国伝統のホリスティックアロマテラピーは、確かに、クライアントにとっては、『いい香りのするオイルでマッサージを受ける』と言う、チェーン店やホテルスパでも、『どの香りがいいですか?って、選べる!』と思われがちなのですが、本来、個別性を重視する補完療法にもなるアロマテラピーは、クライアントごとの主訴、体質、その日の体調、その日の気分などを加味して精油も植物油もご提案させていただくものです。
主訴に対して有用な作用をもつ精油をいくつか提案し、より感情、感覚に響く香りをブレンドすること、肌の状態や、代謝状況を加味して植物油も選んだり、植物油もブレンドしたりもします。
この提案力とブレンドの技術が、本来アロマセラピストの仕事であり、ここから先は、オイルマッサージができる人なら誰に任せてもいいとも思わなくもないです。そのくらい、手技よりもブレンドが大事。
もちろん、時には、筋肉や皮下組織、血液循環やリンパに働きかけるスウェディッシュマッサージが有効な場合もあるでしょうし、一定のリズムでリチュアルなマインドやエモーション、スピリットに働きかけるような手技が心地よく感じることもあるでしょう。
ハワイアンロミロミや、バリ式などのように、英国にも伝統的なアロマテラピートリートメントがあります。
クライアントが何を求めてきているのか?あるいは、クライアントの身体や心、感情や無意識下の魂(根源)などに、どのようにアプローチしていくかで、手技も変わるものなのです。
ですから、本来は、同じ手技を規定回数行い、時間通りに同じコースで終わる。と言うような事はあり得ません。
もちろん所要時間に区切りはあります。しかし、その時のクライアントの状態から、ベストな状態に調節するのに、毎回、同じ手技なのか?と言われると、微妙に違う物だと思います。
例えば、体の歪みから、右側が異常に張っている場合、右と左を同じ回数で揉捏するかと言われると、違うと思います。右と左の張りが同じくらいほぐれるのがバランスを取り戻してもらえるはずです。
ですから、何が何回と言う規定のコースメニューはあり得ないのです。

しかし、1番大事なことは、あくまでも精油のブレンドで、精油は、原材料となる植物からの分類、西洋占星術的な哲学に基づく分類、あるいは、中医学の陰陽五行論に基づく分類など、そして近代になって分析されるようになった単離芳香成分の薬理作用による分類、などなど様々な見方ができますが、いずれにしても、足りない部分を補い、過剰な部分を取り除けるように、足したり引いたり考察していきます。

最終的な判断は、クライアントが実際にブレンドされた香りを嗅いで、その際に、表情筋が緩む様子が見られると、完璧なブレンドとして、このセッションの成功が約束されたも同然。と言うほど、アロマテラピーの真髄はブレンドにあり!と言えるのではないかと思います。

西洋、近代医学が『病気を見る』と言う狭い視野で診ていることに対して、身体も心も感情(怒りは背中に、悲しみは胃に現れるとも言われます)も魂(トラウマは魂に刻まれると言われます)も全てをホリスティック(包括的)に考えて、いま目の前にある不調の根本原因を探る。それが、アロマテラピーのセッションにおけるコンサルテーションの意味なのです。

ただのマッサージではない事が説明できているでしょうか?

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